統計的推定 標本から算出された値に基づいて母集団における値(母数)を推測すること 標本平均値 → 母平均 標本比率 → 母比率 統計的推定のための2つの方法 ①点推定 母平均を1つの値で推定すること。例え ば、標本平均を母平均の推定値とするこ と。 標本平均値30 → 母平均は30である 平均50、分散100の母集団から の50個の無作為標本に基づく標 本平均値 平均50、分散2の正規分布 45 50 55 推定値が母数と一致することはまれである 推定値がどの程度正確なものかも分からない ② 区間推定 母数がとりうる値の範囲(区間)を、その推測の確からしさ(確率)ととも に示す。つまり、 推測の精度 → とりうる値の範囲で示す 推測の確実性 → その推測が成り立つ確率を示す 標本平均値30 から、 母平均は20~40の範囲(区間)にあると推定される この推測の確からしさ(正しい確率)は 0.95 である 推測の精度が粗い(区間が広い) 推測の確実性が低い 推定結果の利用は、慎重に行 う必要がある 推定結果の利用に関するリスクを考慮できる → 一般に広く利用されている 区間推定の基本的な考え方(母平均の推定) N (, (1)最も現れやすい値はμとその近傍の値であり、 2 n (2)μから離れるに従って、それが生じる可能性 は小さくなる ) ↓ しかし (3)μを中心として、極めて広い範囲の値をとる 可能性があり、このままでは手掛かりが無い μ 区間推定を行うための大前提 我々が手にした標本平均は、母平均を中 心して、その前後±a の範囲の値、つまり μ-a ~μ+a の値である。 この前提が正しい確率は、標本平均がこの範 囲にある確率、つまり水色の面積である 大前提が正しい場合に、母平均に関してどのような推論が行えるか? ・・その1 観測された平均値が前提の範囲の最大値に相当する場合 x a x xa 大前提が正しい場合の 母平均の最小値(μL) 大前提が正しい場合に、母平均に関してどのような推論が行えるか? ・・その2 観測された平均値が前提の範囲の最小値に相当する場合 x a x xa 大前提が正しい場合の 母平均の最大値(μU) 大前提が正しい場合に、母平均に関してどのような推論が行えるか? ・・結論 x x a 大前提が正しい場合の 母平均の最小値(μL) L x a a 大前提が正しい場合の 母平均の最大値(μU) U x a 大前提が正しい場合の 母平均の範囲 x a x a この推論が正しい確率は? a x a 大前提が正しい確率 我々が手にした標本平均が母平 均を中心にしてその前後±a の範 囲にある確率 → 水色の面積 区間推定の考え方のまとめ x 標本平均 存在範囲は が得られた時、母平均μの x a x a この推論が正しい確率は、標本平均が母平 均を中心にしてその前後±a の範囲にある 確率である 推論が正しい確率 : 信頼水準 精度の高い(予測範囲の狭い)予測をしたい → 信頼水準が下がる(予測がはずれる可能性が高くな る) はずれる危険性の低い予測をしたい → 精度の低い予測で我慢する 一般的に用いられる信頼水準は、 95% → 20回に1回誤った結論を導く可能性がある 又は99% → 100回に1回誤った結論を導く可能性がある 母平均の区間推定 ケース1 ・・・ 母分散σ2が既知の場合 母集団(平均μ、分散σ2からのN個の無作為標本から平均値 xが得られている 標本平均は平均μ、分散σ2/Nの正規分布に近似的に従う N (, 2 N 信頼水準1-αで 区間推定 ) μ 95%信頼水準 α=0.05 99%信頼水準 α=0.01 観測された平均値が前提の範囲の最大値に相当する場合 x Pr( X x ) a 2 X N (, 2 N ) 確率α/2 z X Pr(Z x / N x ) 2 / N Z X / N Z N (0,1) z ( ) 標準正規分布においてその上 2 側確率がα/2となる値 x z( ) x z( ) 2 2 N / N 例:95%の信頼区間 → α=0.05(5%) → Z(0.025)=1.9600 x 1.96 N 観測された平均値が前提の範囲の最小値に相当する場合 x Pr( X x ) 確率α/2 a z Pr(Z z( ) 2 2 x / N x ) 2 / N X N (, Z 2 N ) X / N Z N (0,1) 標準正規分布においてその下側確率がα/2と なる値 x z( ) x z( ) 2 2 N / N 例:95%の信頼区間 → α=0.05(5%) → Z(0.025)=1.9600 x 1.96 N まとめ 母平均の区間推定 ケース1 ・・・ 母分散σ2が既知の場合 z ( ) 標準正規分布においてその上 2 側確率がα/2となる値 信頼区間の 下限値 x / N x z( ) x z( ) 2 2 N / N x / N 信頼区間の 下限値 x z( ) x z( ) 2 2 N / N z( ) 2 x z( ) x z( ) 2 N 2 N 例: 母分散が100の母集団からの100個の標本に基づく標本平 z( ) 2 ケース1 ・・・ 母分散σ2が既知の場合 母平均の区間推定 母分散がσ2の母集団からのN個の標本に基づく標本平均が 間 (信頼水準1-α) x の場合の母平均の信頼区 x z( ) x z( ) 2 N 2 N 例: 母分散が100の母集団からの100個の標本に基づく標本平均が50であった場合の母 平均の信頼区間は? 信頼水準95%(α=0.05) z(0.025) 1.9600 信頼水準99%(α=0.01) z(0.005) 2.5758 50 z(0.025) 10 10 50 z (0.025) 100 100 50 1.96 50 1.96 48.04 51.96 50 z(0.005) 10 10 50 z (0.005) 100 100 50 2.58 50 2.58 47.42 52.58
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