標本分布と推定・検定 標本平均を用いた母平均の推定 担当:岩村 英之 1 統計的推測のイメージ 母集団 (名商大生全体) 母平均 標本 (でたらめに選ばれた16人) 標本平均 X 2 母分散 母標準偏差 標本分散 標本標準偏差 ˆ 2 ˆ 推測(予想・推理) 標本平均(16人の平均点)をヒントに 母平均(名商大生全体の平均)を推理する方法を学ぶ. 2 母平均の推理:2つのケース 母平均 母分散 (母標準偏差) ケースA わからない わかっている 正規分布 ケースB わからない わからない t 分布 3 標本平均は分布する この16人が選ばれた ときの平均 =55点 この16人が選ばれた ときの平均 =48点 この16人が選ばれた ときの平均 =61点 母集団 (名商大生全体) どの16人が選ばれるかによって, 平均点は様々な値になりうる. 標本平均は分布する 4 標本平均は分布する(=色んな値がある) ① 出やすい値は?(=標本平均の平均は?) ② どのあたりの値まで出てくる?(=標本平均の標準偏差は?) ③ ヒストグラムはどんな形になる? 5 標本平均の分布 名商大生の得点が平均52点,標準偏差が25点の 正規分布に従っている場合… 確率 確率 正規分布 正規分布 25 16 25 4 6.125 25 52 名商大生の分布 標本平均は X 52 選ばれた16人の平均点の分布 X ① 母平均と同じ52点が最も出やすく ② 母集団よりも52点に近い値が出やすく(SD=6.25点) ③ 正規分布に従う 6 定理1(標本平均の分布) 母集団 平均 分散 2 標準偏差 正規分布 n人(個)選んだときの 標本平均の母集団 平均 2 分散 標準偏差 n n 正規分布 もっとも出やすい値は同じ(=母平均) 母平均により近い値が出やすくなる このことが意味するのは. . . . 標本平均は母平均 から σ 1.96 n の範囲内の値が95%の確率で出てくる 確率 95% 標本平均 σ 1.96 n σ 1.96 n 8 例題 今,名商大生の得点の母分散が252である (=母標準偏差は25点)とわかっているとする. 95% 1.96 25 16 標本平均 1.96 25 16 母平均を推理する目的で,16人の名商大生をでたらめに 選んで試験を受けてもらったところ,彼らの平均は58点であった. 標本平均58点をヒントに, 母平均の値を推測することができる. 9 母平均の区間推定の考え方 確率密度 95% 43 53 95% 58 95% 63 予想 A 母平均は63点 否定できない 予想 B 母平均は72点 否定できる 予想 C 母平均は53点 否定できない 予想 D 母平均は43点 否定できる 72 95% 標本平均 母平均の予想として 否定できない「区間」が残る 母平均の推定区間 母平均の区間推定:ケースA “ぎりぎり”の予想を見つける 確率密度 L 58 U 標本平均 この区間の予想ならば,58点によって 否定されることはない. 母平均の推定区間 11 L 12.25 58 L 1.96 6.25 12.25 標本平均 58 58 12.25 U 1.96 6.25 12.25 58 U 1.96 6.25 12.25 1.96 6.25 12.25 標本平均 12 L 12.25 58 L 58 12.25 45.75 58 12.25 U U 58 12.25 70.25 母平均の95パーセント信頼区間は45.75点から70.25点である. 13 99パーセント信頼区間を求める場合 標本平均は母平均 から σ 2.58 n の範囲内の値が99%の確率で出てくる 確率 99% 標本平均 σ 2.58 n σ 2.58 n 14 定期試験に向けて 1 標本平均・標本分散・標本標準偏差の計算を確認しよう. 2 母平均の区間推定の方法を確認しよう. 3 電卓を忘れないように. *平方根(ルート)の計算のできるものを買うこと. 4 計算ミスをした場合でも部分点がもらえるように, 途中のプロセスを書こう. *文章問題ではかなり部分点をあげています. 5 再試験になってしまったら,定期試験の問題を 解けるようにしておこう. *問題は定期試験終了後にウェブにアップします. 15
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