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イントロダクション
近年流行した感染症
2013年
中国でH7N9型トリインフルエンザが流行
感染者135人,死者44人
2013年
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)患者を国内で確認
感染者32人,死者15人
2009年
全世界で新型インフルエンザが流行
2006年
中国で狂犬病が流行
感染者3385人,死者2741人
2004年
東南アジアでH5N1型トリインフルエンザがヒトに感染
感染者33人,死者22人
2003年
中国,香港,台湾,カナダ,シンガポールでSARSが流行
感染者8422人,死者916人
世界の感染症の現状
全死因
推計値(万人)
割合(%)
感染症および寄生虫疾患
下気道感染症
下痢症
HIV/AIDS
結核
マラリア
髄膜炎
麻疹
B型肝炎
脳炎
百日咳
梅毒
685
320
189
159
98
59
41
17
14
9
9
9
12.6
5.9
3.5
2.9
1.8
1.1
0.7
0.3
0.3
0.2
0.2
0.2
悪性新生物
虚血性心疾患
脳梗塞
787
702
625
14.4
12.9
11.4
2011年死因別死亡(WHO)
微生物学1
細菌学
微生物学2
真菌学,寄生虫学,ウイルス学
生物の特徴とウイルス
典型的生物
偏性寄生性細菌
ウイルス
外界との境界
自己複製
代謝
○
○
○
○
○
○
○
○
×
細胞
遺伝子
刺激応答
○
○
○
○
○
○
×
○
○
ウイルス学の歴史
濾過性病原体(ウイルス)の発見
Iwanowskyによるタバコモザイク病の研究(1892)
細菌用の濾過材を通過する
光学顕微鏡では検出できない
培地中では増殖できない
Stanleyによるタバコモザイクウイルスの結晶化(1935)
電子顕微鏡によるウイルスの撮影(1942)
病原体ウイルスの発見
Friedrich A. J. Loeffler(1852~1915)
ドイツの微生物学者
鼻疽菌の発見(1883)
ジフテリア菌の純粋培養(1884)
ウシ口蹄疫から病原体ウイルスの分離(1889)
ウイルスによる病原微生物学の混乱
野口英世(1876~1928)
1900
1911
1913
1913
1913
1918
1926
1927
蛇毒の研究
病原性梅毒スピロヘータの純粋培養?
梅毒スピロヘータの病原性証明
小児麻痺の病原菌発見? → ウイルス
狂犬病の病原菌発見? → ウイルス
黄熱病の病原菌発見? → ウイルス
オロヤ熱病原体同定
トラコーマ病原体発見?
病原体ウイルスの培養
John Franklin Enders(1897~1985)
アメリカの微生物学者
ヒト胎児培養細胞を利用
ポリオウイルスの培養(1947)
麻疹ウイルスの分離(1954)
麻疹ワクチンの開発(1960)
AIDSウイルスの発見
Luc Montagnier(1932~)&Francoise Barre-Sinoussi (1947~)
フランス・パスツール研究所
AIDS患者からレトロウイルスを分離(1983)
Robert Gallo(1937~)
アメリカNIH
AIDS患者からレトロウイルスを分離し,病原体と同定(1984)
Montagnier& Barre-Sinoussiがノーベル賞受賞(2008)
抗ウイルス薬の発見
ガンシクロビル(1982)
アシクロビル(1976)
O
O
N
HN
H2 N
HO
N
N
N
HN
H2 N
HO
O
単純ヘルペスウイルス
チミジンキナーゼ
N
N
O
OH
ヒトサイトメガロウイルス
ホスホトランスフェラーゼ
ACV-MP
GCV-MP
ACV-TP
GCV-TP
DNA合成阻害
抗HIV薬の開発
O
H3 C
NH
N
HO
O
N
O
H
N
O
N3
アジドチミジン(1964)
当初抗がん剤として開発
↓
逆転写酵素阻害
エイズ治療(1985)
O
O
N
H
CONH2
H
N
N
OH
H
サキナビル(1990)
HIVプロテアーゼ阻害薬
逆転写酵素阻害薬と併用
CH3
CH3
CH3
H
抗インフルエンザウイルス薬の開発
OH
OH
HO
COOH
O
CH3COHN
H3C
COOC2H5
O
CH3COHN
HN
H2N
H3C
H2N
NH
ザナミビル(1993)
吸入薬
オセルタミビル(1996)
経口薬
ノイラミニダーゼ阻害薬
ウイルスの感染細胞からの放出過程を阻害
抗肝炎ウイルス薬の開発
O
N
HN
H2N
O
N
HO
N
N
H2 N
エンテカビル(1997)
B型肝炎ウイルス
DNAポリメラーゼ阻害
N
HO
リバビリン(1970)
C型肝炎ウイルス
RNAポリメラーゼ阻害
N
O
OH OH
OH
CH3
O
N
N
O
N
H
H
N
O
H3C
O
N
CH3
O
N
H
N
H
O
CH3
テラプレビル(2005)
C型肝炎ウイルス プロテアーゼ阻害
微生物遺伝学の歴史
Frederick Griffithの実験(1928)
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の形質転換
注射
注射
S型菌
(病原性)
加熱
注射
混合
R型菌
(病原性なし)
注射
発病
発病せず
発病せず
発病
Oswald Averyの実験(1944)
Griffithの形質転換因子がDNAであることを証明
マ
ウ
ス
か
ら
回
収
さ
れ
る
菌
Phoebus Leveneの研究(1920~)
DNAの化学組成
A,T,G,C,4種の塩基,デオキシリボース,リン酸
James WatsonとFrancis CrickによるDNAの構造解明(1953)
George BeadleとEdward Tatumの実験(1941)
アカパンカビ(Neurospora crassa)
栄養要求突然変異株(アルギニン要求)
前駆体
argA
argB
argC
酵素A
酵素B
酵素C
オルニチン
シトルリン
1遺伝子1酵素説
アルギニン
細菌のゲノム解析
ゲノムサイズ(Mb)
Homo sapiens(ヒト)
Saccharomyces cerevisiae (出芽酵母)
Bacillus subtilis (枯草菌)
Borrelia burgdorferi B31(ライム病の病原スピロヘータ)
Escherichia coli K12 MG1655(大腸菌)
Haemophilus influenzae Rd(インフルエンザ菌)
Helicobacter pylori 26695(ピロリ菌)
Lactococcus lactis(乳酸菌)
Mycobacterium tuberculosis H37Rv (結核菌)
Mycoplasma genitalium (マイコプラズマ)
Myxococcus xanthus(粘液細菌)
Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)
Streptomyces coelicolor(放線菌)
Synechocystis sp.PCC6803 (ラン藻類)
Treponema pallidum (梅毒トレポネーマ)
Vibrio cholerae(コレラ菌)
3300
12
4.21
0.91
4.64
1.83
1.67
2.4
4.41
0.58
9.5
6.3
8.67
3.57
1.14
4
遺伝子数
20000~25000
6286
4100
850
4289
1709
1566
2266
3918
484
10000
5565
7825
3169
1031
3827