脱離反応

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.脱離反応-
脱離反応-E1 反応
分子から原子あるいは原子団の脱離を伴う反応は多種ありますが,特に分子からその一部
を分子の形で除かれる反応を脱離反応(
脱離反応(elimination reaction)といいます.脱離反応には,
一分子脱離反応(E1),二分子脱離反応(E2),および E1cB とよばれる反応があります.
それらの違いを以下に示します.L は脱離基,R はアルキル基を指します.
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反応
E1 反応は 2 段階を経る反応で,
そのポテンシャルエネルギー曲線は図 1 のようになります.
E1
L1
R
1
R3
R3
C
C
R2
L2
4
R
− :L1
+
−
律速(遅い)
R
1
C
C
R2
L2
最初の反応の遷移状態
4
R
R1
− L2-B
速い
R2
R3
R4
:B
次の反応の遷移状態
∆G1
∆G2
はじめの分子
アルキルカチオン
反応座標
図 1.E1 反応のポテンシャルエネルギー曲線.最初の反応(:L -の脱離する反応)
の遷移状態を通過するときの自由エネルギーが次の反応の遷移状態を通過するエ
ネルギーより高いため,反応速度は最初の反応の活性化自由エネルギー(∆G )に
より決定される.そのため,この反応速度ははじめの分子の濃度に比例すること
になり一分子反応となる(塩基(:B)の濃度は関係ない).なお,一般にカルボカ
チオンから L (多くの場合,L =H である)が脱離する反応は非常に速い.
1
1
2
2
反応は,安定なアルキルカチオンを与える場合多く見られます.E1 反応は,第一級ハ
ロゲン化アルキルでは起こらず,第三級ハロゲン化アルキルに多く見られます.E1 反応の
中間体であるアルキルカチオンではアルキル基または H の転位が容易に起こります.その
ため脱離反応の成績体(アルケン)は Zaitsev(Saytzeff,Saytzev,ザイツェフ,セイチ
ェフ等いろんなスペルや読み方があることに注意)則に従います.
Zaitsev 則とは,脱離化学反応で複数の異性体を与えるとき安定な生成物(つまりもっと
も多く置換基基を持つ脱離体)がより多くなるという規則です.Zaitsev 則は,多くの化学
反応は,より安定な生成系への活性化(自由)エネルギーがより低くなるという事実に基
づきます.
E1
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H
H
OH H
H2SO4
H
C
C
C
H
H
H
CH3
H
H
C
+
C
C
H
H
H
- H2O
CH3
H
H
CH3
H
+
H3C
H
74%
C2H5
H
+
H3C
CH3
23%
H
H
3%
図 2.Zaitsev 則の例.二重結合により多くの置換基が付くとより安定,シス配位よりト
ランス配位のほうがより安定(アルケンの安定性の原則)