http://www.aromaticity.net/ .脱離反応- 脱離反応-E1 反応 分子から原子あるいは原子団の脱離を伴う反応は多種ありますが,特に分子からその一部 を分子の形で除かれる反応を脱離反応( 脱離反応(elimination reaction)といいます.脱離反応には, 一分子脱離反応(E1),二分子脱離反応(E2),および E1cB とよばれる反応があります. それらの違いを以下に示します.L は脱離基,R はアルキル基を指します. 3610 反応 E1 反応は 2 段階を経る反応で, そのポテンシャルエネルギー曲線は図 1 のようになります. E1 L1 R 1 R3 R3 C C R2 L2 4 R − :L1 + − 律速(遅い) R 1 C C R2 L2 最初の反応の遷移状態 4 R R1 − L2-B 速い R2 R3 R4 :B 次の反応の遷移状態 ∆G1 ∆G2 はじめの分子 アルキルカチオン 反応座標 図 1.E1 反応のポテンシャルエネルギー曲線.最初の反応(:L -の脱離する反応) の遷移状態を通過するときの自由エネルギーが次の反応の遷移状態を通過するエ ネルギーより高いため,反応速度は最初の反応の活性化自由エネルギー(∆G )に より決定される.そのため,この反応速度ははじめの分子の濃度に比例すること になり一分子反応となる(塩基(:B)の濃度は関係ない).なお,一般にカルボカ チオンから L (多くの場合,L =H である)が脱離する反応は非常に速い. 1 1 2 2 反応は,安定なアルキルカチオンを与える場合多く見られます.E1 反応は,第一級ハ ロゲン化アルキルでは起こらず,第三級ハロゲン化アルキルに多く見られます.E1 反応の 中間体であるアルキルカチオンではアルキル基または H の転位が容易に起こります.その ため脱離反応の成績体(アルケン)は Zaitsev(Saytzeff,Saytzev,ザイツェフ,セイチ ェフ等いろんなスペルや読み方があることに注意)則に従います. Zaitsev 則とは,脱離化学反応で複数の異性体を与えるとき安定な生成物(つまりもっと も多く置換基基を持つ脱離体)がより多くなるという規則です.Zaitsev 則は,多くの化学 反応は,より安定な生成系への活性化(自由)エネルギーがより低くなるという事実に基 づきます. E1 http://www.aromaticity.net/ H H OH H H2SO4 H C C C H H H CH3 H H C + C C H H H - H2O CH3 H H CH3 H + H3C H 74% C2H5 H + H3C CH3 23% H H 3% 図 2.Zaitsev 則の例.二重結合により多くの置換基が付くとより安定,シス配位よりト ランス配位のほうがより安定(アルケンの安定性の原則)
© Copyright 2024 ExpyDoc