2015 年度前期 有機化学2 第19回 「芳香族化合物の反応(2)」復習問題 学籍番号___________ 氏名___________ 1. アセトアニリド、クロロベンゼン、アセトフェノンはこの順に求電子置換反応の活性が低 くなる。中間体カルボカチオンの安定性を比較することによって、理由を説明しなさい。 H N 理由:アセトアニリドは窒素のローンペアの O CH3 Cl CH3 O 非局在化により強く安定化を受ける。クロロ ベンゼンは、塩素のローンペアの非局在化に よる安定化と、塩素の電子吸引的誘起効果に アセトアニリド クロロベンゼン アセトフェノン よる不安定化が両方起きる。アセトフェノン は、正に分極したカルボニル炭素による不安定化が起きる。このため、中間体の安定性はア セトアニリド>クロロベンゼン>アセトフェノンとなり、反応性もこの順になる。 2. 次の反応の主生成物を図示しなさい(2つまで書いてよい)。 (1) Br HNO3 H2SO4 (3) NO2 HNO3 H2SO4 (2) CO2Me (4) CH2CH3 Br2 FeBr3 O CH3 C Cl AlCl3 heat 3. Friedel‒Crafts アルキル化では、アルキル基が2つ以上結合した副生成物が生成しやすい。 一方、Friedel‒Crafts アシル化では、アシル基が2つ以上結合した副生成物はほとんど生 成しない。この違いを説明しなさい。 R–Cl, AlCl3 アルキル基は活性化置換基であるた R R + め、2つ目の置換反応がより進行し R やすくなるが、アシル基は不活性化 副生成物 O O Cl , AlCl3 R 置換基であるため、2つめの置換反 O R 応が進行しにくくなるから。 R R O 生成しない 4. ベンゼンから出発して、次の2つの化合物を合成する方法をそれぞれ提案しなさい。ただ し、オルト・パラ異性体は分離可能であるとする。 O Br2 FeBr3 O CH3 Br Br O O Br CH3 H3C Cl AlCl3 O H3C Cl AlCl3 O CH3 CH3 Br (オルト体と分離) O Br2 FeBr3 Br CH3
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