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2006. 11. 7
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
Keiichi MIYAJIMA
Taylor展開
2階偏導関数
f ( x, y ) を C 2級の関数とする。このとき、

 f
f x ( x, y )  2 ( x, y )
x
x

2 f
f x ( x, y ) 
( x, y )
y
yx

2 f
f y ( x, y ) 
( x, y )
x
xy

2 f
f y ( x, y )  2 ( x, y )
y
y
2
f ( x, y ) の2階偏導関数
定理6.7(微分の順序交換) (p.132)
C 2 の関数 f ( x, y ) について
2
2
 f
 f
( x, y ) 
( x, y )
yx
xy
が成り立つ。
f xy ( x, y)  f yx ( x, y)
と書いても良い
n
そして、n階の場合でも同様に成り立つ。
( C 級で)
n
n
n
n
n
n
 f  f
 f
 f
 f
 f
, n1 , n2 2 ,, 2 n2 , n1 n1 , n
n
x x y x y
x y
x y
y
例6.3 (p.121)
f ( x, y)  3x y  2 xy  5xy  y  2 x について
3
2
3
2
2 f 2 f
を計算せよ。
,
yx xy
f x ( x, y)  9 x y  2 y  5 y  2
2
2
3
f y ( x, y)  6 x y  6 xy  5x  2 y
3
これより
2
f xy ( x, y)  18x y  6 y  5
f yx ( x, y)  18x 2 y  6 y 2  5
2
2
Taylorの定理 (p.133)
n
D
f ( x, y ) が (a, b) のε近傍 で C級であるとす
)
る。このとき D
の任意の点 ( x, yに対して、
n 1
f ( x, y)  
m 0
1 m f
k
l
(
a
,
b
)

(
x

a
)
(
y

b
)

k
l
k
!
l
!

x

y
k l  m
 Rn (( x, y), (a, b))
ここで
1 n f
k
l
Rn (( x, y), (a, b))  
(

,

)

(
x

a
)
(
y

b
)
k
l
k
!
l
!

x

y
k l  n
Taylorの定理の図形的な意味
図形が解りやすいので1変数関数の場合で説明する
f (x)
f (x)
f (a)
0
ここを拡大
a
x
Taylorの定理の図形的な意味
f (x)
a のε近傍で性質がよく分かっている多項
式で十分近似出来る。
a  a a  
2変数の場合はこれが立体的になっている
ものを想像せよ。
Taylor展開
(1変数の場合)
x  a でのTaylor展開は

f ( x)  
n 0
(2変数の場合)
f
(n)
(a)
( x  a) n
n!
(a, b)でのTaylor展開は

f ( x, y)  
n 0
1 n f
k
l
(
a
,
b
)

(
x

a
)
(
y

b
)

k
l
k
!
l
!

x

y
k l  n
しかし、見ての通りこれはかなり覚えにくい・・・
2変数のTaylor展開
作用素を用いて2変数のTaylor展開を考える
まず媒介変数 t を用いて、 x と y を
x  ht , y  kt
とおく。すると関数 f ( x, y ) は f ( x(t ), y (t ))となるので合
成関数の微分(前回参照)を用いて、
df f dx f dy


dt x dt y dt
h
k
df
f
f
h k
と表される
dt
x
y
2変数のTaylor展開
ここで
df
f
f
h k
の右辺を
dt
x
y
 
 
  h  k  f と書く
y 
 x
この
すると
部分を作用素と呼ぶ。
 
d 2 f d df d  
  h  k  f

2
y 
dt
dt dt dt  x
 
  df
  h  k 
y  dt
 x
上の式を代入
もう一度、上の式を代入
すると・・・
2変数のTaylor展開
 
  
 
  h  k  h  k  f
2
y  x
y 
dt
 x
すると d 2 f
2
 
 
  h  k  f
y 
 x
以下
3
d f  
 
  h  k  f
3
dt
y 
 x
3
・
・
・
n
d f  
 
  h  k  f
n
dt
y 
 x
n
と形式的に書ける
2変数のTaylor展開
2
ここで 

 
 h  k  f
は、以下の計算ルールを持つ
y 
 x
ものとする
 
 
 h  k 
y 
 x
2
2
 2   2






f   h    2hk
 k 2    f
  x 
x y
y  



2
2
 2 2

2  
f
  h
 2hk
k
2
2 
xy
y 
 x
2
2
2

f

f

f
2
2
h
 2hk
k
2
x
xy
y 2
以下同様
2変数のTaylor展開
今 f ( x(t ), y (t )) は、 t に関する1変数関数と見ることが
出来るので f (t ) と書くことができる。
ここで1変数のマクローリン展開(Taylor展開で a  0 と
置いたもの)をすると、
1 df (0)
1 d 2 f (0) 2 1 d 3 f (0) 3
f (t )  f (0)  
t  
t  
t
2
3
1! dt
2! dt
3! dt
1 d n f (0) n
 
 t    Rn 1
n
n! dt
この式に t  1 を代入すると、
2変数のTaylor展開
1 df (0) 1 d 2 f (0) 1 d 3 f (0)
f (1)  f (0)  
 
 
2
1! dt
2! dt
3! dt 3
1 d n f (0)
 
   Rn 1
n
n! dt
今 f (1) は f ( x, y )であり、そして、先ほどの作用
素を用いれば、
2
1  
 
1  
 
f ( x, y )  f (0,0)    x   y   f (0,0)    x   y   f (0,0)  
1!  x
y 
2!  x
y 
n
1  
 
     x   y   f (0,0)  Rn 1
n!  x
y 
これは、2変数のマクローリン展開の式になっている
2変数のTaylor展開
x  ht , y  kt を x  a  ht , y  b  kt置き直し同様の
処置をすると
1 

 
f ( x, y )  f (a, b)    ( x  a)   ( y  b)   f (a, b)
1! 
x
y 
2
1 

 
   ( x  a)   ( y  b)   f (a, b)  
2! 
x
y 
n
1 

 
   ( x  a)   ( y  b)   f (a, b)  Rn 1
n! 
x
y 
となり、Taylor展開の式を導くことが出来る。
(覚えやすい方を覚えること!)
2変数のTaylor展開
2


 
ただし、  ( x  a)   ( y  b)   f (a, b)
x
y 

は以下の計算ルールに従うものとする
2
2
2


2 
2  
 ( x  a)  2  2( x  a)( y  b) 
 ( y  b)  2  f (a, b)
x
xy
y 

2
2
2

f
(
a
,
b
)

f
(
a
,
b
)

f ( a, b)
2
2
 ( x  a) 
 2( x  a)( y  b) 
 ( y  b) 
2
x
xy
y 2
以下省略
2変数のTaylor展開の例
関数 f ( x, y)  e 2 x  y を原点 (0,0) の周りでTaylor展開
し、2次の項まで計算してみる。
(注:原点 (0,0)の周りでTaylor展開することを通常マクローリン展
開と呼ぶ)
( u  2 x  y と置いて、合成関数の微分)
df u
f x ( x, y ) 
 e 2 x  y  2  2e 2 x  y
du x

f xx ( x, y)  2 e
2 x y

( x, y)  e 
f xy ( x, y)  2e2 x y
f yy


2 x y
y
2 x y
x
 2  2e
y
 2e2 x y
 e2 x y
 4e
f y ( x, y)  e
2 x y
2 x y
2変数のTaylor展開の例
代入して、各偏微分係数を求め、先ほどの式に代入すると
1  f (0,0)
f (0,0) 

f ( x, y )  f (0,0)    x 
 y
1! 
x
y 
2
1  f (0,0)
f (0,0) 
  
   x 
 y
2! 
x
y 
 1  x  f x (0,0)  y  f y (0,0) 
1 2
 x  f xx (0,0)  2 xy  f xy (0,0)  y 2 f yy (0,0)   
2
1
 1  2 x  y   (4 x 2  4 xy  y 2 )  
2
 2
y2 
f ( x, y)  1  2 x  y    2 x  2 xy    
2 

本日の課題
(1) f ( x)  e について点 x  2 の周りでTaylor展開せよ
2x
2 x y
について点 (1,2) の周りでTaylor展開せ
f
(
x
,
y
)

e
(2)
よ
なお、(1),(2)ともに2次の項まで計算しなさい。