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2006. 11. 28
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
Keiichi MIYAJIMA
極値問題(続き)
極大値・極小値
極大値・極小値の求め方
定理6.12:
関数 f ( x, y ) は点 (a, b) を含む領域で C 2級で、
f x ( a, b)  f y ( a, b)  0
を満たすとする。
  f xx (a, b)  f yy (a, b)  f xy (a, b)
2
と置くとき、次が成り立つ。
1) f xx (a, b)  0 かつ   0 のとき、 f (a, b) は極大値
2) f xx (a, b)  0 かつ   0 のとき、 f (a, b) は極小値
3)   0 のとき、 f (a, b) は極大値でも極小値でもない
注)   0 のとき、 これだけでは判定出来ない
定理6.12について
定理6.12について、補足説明を行う。
1変数関数の場合
微分係数が0となる点について
極大点か極小点か?
2階微分係数を使って調べた。
定理6.12について
関数 f (x) について
f (a)  0 のとき、 f (a)  0 なら極大
f (a)  0 なら極小
x

a

x

a

f (x)

0

f (x)

0

f (x)

f (x)

Lagrange の未定乗数法
関数 f ( x, y )及び ( x, y )は C 1級であるとする。
( x, y )が曲線  ( x, y)  0 上を動くとき、f ( x, y )が曲線上の
点 (a, b) において、極大または極小になったとする。
このとき
 x ( x, y),  y ( x, y) のうち少なくとも一つが0でないならば
次の条件を満たすような定数  が存在する。

 ( a, b)  0

 f x (a, b)   x (a, b)  0
 f (a, b)   (a, b)  0
y
 y
例6.6 (p.150)

x2 y2 
閉領域 D  ( x, y) | 2  2  1 (a  b  0) における、
a
b


関数 f ( x, y )  xy の最大値と最小値を求めよ。
解答例:
まず D の内部で最大値あるいは最小値となる可能性がある点
を探す。
すると、定理6.11から
f x ( x, y)  y  0, f y ( x, y)  x  0
( x, y)  (0,0)
という候補が見つかる。ここで、  を求めると
  0  0  12  1  0 よって極小値でも極大値でもない。
例6.6 (p.150)
次に D の境界で最大値あるいは最小値となる可能性がある点
を探す。
理由: 1変数の場合、最大値または最小値は領域に内部でな
ければ必ず境界に存在したから。
しかし、2変数関数では境界は点ではなく(曲)線になっている。
そこで、Lagrangeの未定乗数法を使用する。
例6.6 (p.150)
x2 y2
まず、境界の方程式として  ( x, y )  2  2  1  0 とおくと、
a
b
2x
2y
 x ( x, y )  2 ,  y ( x, y )  2
a
b
よって、定理6.13よりある定数  が存在して、

  ( x, y )  0 ・・・①

2x
 y   2  0 ・・・②
a

 x   2 y  0 ・・・③

b2
ここで、②と③に注目すると、これらは連立方程式になっている。
そこで、行列を用いて書くと
例6.6 (p.150)
ここで、②と③に注目して、これらを行列を用いて書くと
 2
 2
a
 1



1   x  0
     
2   y   0 
2 
b 
もし、左辺の行列の行列式が0でないならば、逆行列が存在する
ので、この方程式の解は
 x  0
     即ち ( x, y)  (0,0)
 y  0
これは明らかに①を満たさない。
したがって、上式の行列式は0でなければならない。
例6.6 (p.150)
行列式は0でなければならない。
2
a2
1
これより
1
42
 2 2 1  0
2 a b
b2
ab

2
これを①②に代入していくと
b   a b   a b   a
b 
 a
( x, y )  
,
,
,
,
,  
, 
,  

2 
2 2  2 2 
2
2
 2
これらと、 (0,0) をあわせて5つの最大値・最小値の候補
が得られた。
例6.6 (p.150)
b   a b   a b   a
b 
 a
( x, y )  (0,0), 
,
,
,
,
,  
, 
,  

2 
2 2  2 2 
2
2
 2
これらを f ( x, y ) に代入すると、
f (0,0)  0,
b 
ab
 a
 a b 
f
,
,
  f 
 ,
2
2
2 2
 2

b  ab
 a b 
 a
f
,
,
  f 

2
2 2
 2 2

例6.6 (p.150)
したがって f ( x, y ) は
点
ab
b 
 a b   a
,
,

,  
 で最大値
2
2
2
 2 2 
点
b   a b 
ab
 a
で最小値
,
,


,  

2
2 
2 2
 2
 a b 
,


2 2

a
b 
 a
,


2
2

b
0,0
b
 a b 
,


 2 2
a
b 
 a
,


2
 2
本日の課題
1) f ( x, y)  3x 2  6 xy  2 y 3 の極値を調べよ。
2) 閉領域 D  ( x, y) | x 2  y 2  1 における、
関数 f ( x, y )  xy の最大値と最小値を求めよ。