日本語論文の書き方 - ONITAIJI

論文の書き方セミナー
第1回「日本語論文の書き方」
みなさん論文ちゃんと読んで
勉強してますか??
論文を書く習慣がないと...
1. 自分の経験則だけで医療をしていると,
成長しない.
2. 疑問を持たなくなる.
(例)上司のindication = 僕のindication.
論文上達のコツは,たくさん書くこと
Q: 「量より質では?」
A: 量をこなすことで,クオリティーはup.
ピカソが生涯に描いた
作品数は8万点
論文を書く心構え
Q: しっかり勉強してから書いたほうがよい?
A: 書き始めないと何を調べたら良いか
わからない.
分からないことがあったら本を書けという人もい
ます.論文を書く前に時間をかけすぎず,とにか
く書き始めることが重要です.
論文を書く前に.
今までの論文を検索.
1. 明らかにされていることを知る.
2. 明らかにされていないことを知る.
すでに論文になっていることを
論文にしても意味がない.
引用について
女の人は圧迫骨折になりやすい.
整形外科医の常識だが,これを論
文に書く時は必ず引用文献を提示
閉経後の女性においては,男性に
比べて圧迫骨折のリスクが高い12.
12. osteoporosis in older pati......
自分の論文で始めて得られた知見に関しては,
自分の意見を述べてもよい.
余談ですが.
論文を書くときは,とにかく何度も指導教官に相談
メリット1
早く間違いに気づく.
メリット2
上司が安心する.
論文完成
論文完成
安心
訂正
安心
訂正
安心
訂正
ゴールが
みえない~
全然進んどらん
じゃないか
こんなんじゃ
ダメじゃ
論文の構成
1.はじめに(introduction)
2.対象と方法(material and methods)
3.結果(results)
4.考察(discussion)
いきなりintroductionを書くと,上手くいきません.
(背景が理解できていないから.)
おすすめ
3.結果→2.対象と方法→4.考察→1.はじめに
論文は結果から書く
1.結果は一番書きやすい(そして最も重要)
2.結果がまとまらないと考察は書けない
3.introductionは論文の全体像が把握できて
から書く(したがって最後に書く)
「結果が変わる」ということは,論文全体の構成に影響が出ます!
→論文を書き始めたら,結果は変えない.
文章上達法
電話をかけるように文章を書く
治療は可及的速やかな整復と骨傷を伴う例では症
例により内固定や人工骨頭置換術が必要であり,
術後は3週間前後の外固定が必要と思われた.
(2004中部抄録より抜粋)
(読みにくい理由)
1.文章が長い
2.主語が行方不明
読みやすくするには電話の口調で書くと良い!
治療は可及的速やかな整復と骨傷を伴う例では症例によ
り内固定や人工骨頭置換術が必要であり,術後は3週間
前後の外固定が必要と思われた.
1.まず電話バージョンで書く!
治療?まずはすぐに骨折を整復することですね.
その後は内固定や人工骨頭置換術が必要ですよ.
術後はだいたい3週間くらい固定したほうがいいね.
2.そして体裁を整える(ここで,無理に長い文章にしない)
治療は速やかに骨折を整復し,その後に内固定や人工
骨頭置換術を行う.術後は約3週間の外固定が必要で
ある.
我々の2例は直ちに診断されたが,McLaughlinによれば肩関節後
方脱臼の22例中16例は五十肩やその他の疾患と誤られて治療さ
れていた陳旧例であり,また誤診率60%という報告もある.
(2004中四より抜粋)
電話バージョン
今回うちにきた2例はすぐに診断できたよ.
でもねMcLaughlinは,肩関節後方脱臼22例のうち最初に正しく治療
されていたのは6例だけと報告してるよ.
残りの16例は五十肩と診断されてたんだって.
肩関節後方脱臼は誤診率が60%と言ってる人もいるから注意しな
いといけないね.
2.そして体裁を整える
今回経験した2例は,初診時に正しい診断が可能であった.しかし
McLaughlinらは,肩関節後方脱臼22例のうち初診時に正しく治療
されたのは6例のみであり,残りの16例は五十肩などの診断がなさ
れていたと報告している.また,肩関節後方脱臼の誤診率が60%
に達したとする報告もみられ,注意が必要である.
最後に
同じ内容なら...
長い論文より短い論文の方が優れている.
理由
論文を読む人は忙しいので,短時間で読みたい.
短い論文は,ぜい肉がないので読みやすい.
長文をさける.
同じ内容を何度も書かない.
本筋と関係ないことは書かない.
ご清聴ありがとう
ございました.