による人工股関節再置換術の小経験

454
東欝本整災会誌・20巻3号・2008年8月
2一!皿一6
2一皿一7
血液透析患者におけるセメントレスステムの
固定性の検討
鉦xtended trochanteric osteotomy(ETO)によ
北里大整形i)、北里大医療衛生2)
今給黎総合病院
○朴 成東i〉、内由 勝文1)、福島 健介圭)、
○蒐髭 嵩茂、堀之内達郎、八木 貴文
る人工股関節再置換術の小経験
高崎 純孝1)、朴 晃正1)、高平 尚伸2)、
糸満 盛憲1)
【目的1血液透析(透析)患者は、腎性骨異栄養症に
【はじめにユ人工股関節置換術におけるSte通抜去時
より骨脆弱性があるといわれており、人工股関節置換
に抜去囲難な症例がある。近年その様な症例に対して
術(1聲HA)、人工骨頭置換術(BHA)におけるセメン
ETO(ex七ended trocha腕eric osteoもomy)が使用され
トレスステムの使用に関しては議論のわかれるとこ
ろである。今回我々は、透析患者にセメントレスステ
ることがある。最近、ETOによる人工股関節再置換
ムを用いて施行されたTHA、BHAの手術症例につい
てX線学的に闘定性の検討を行ったので報告する。
術を経験したのでその結果を報告する。
【対象と方法】症例は6症例、6関節。男性1名、女
性5名。平均年齢は78.6歳(76歳∼82歳)経験観察
【対象と方法】薄象は1994年より2005年までに施
行された透析患者におけるTHA、BHA症例で、2年
以上の経過観察が可能であった16例21股である。
期問は平均10ヵ月(5ヵ月∼igヵ月)全例ともフル
THAは8股、BHAは13股であった。原因疾患は大
術後の合併症につき検討した。
ポーラスライドロングステムを使屠した。これらの痘
例に対して術後レントゲン写真、術前、術後」OAscore、
腿骨頭壊死症9股、大腿骨頚部骨折8股、変形性股関
【結剰術後レントゲン写真にはルーズニングは認め
節症2股、化膿性股関箇炎後1股、アミロイド股関節
られず、全例骨切り部の骨癒合は得られていた。又、
症1股であった。使われたインプラントはCLSステ
JOAscoreも全例術前より著明に改善していた。術後
ム8股、IMCステム6股、Duettoステム7股であっ
における大きな合併症は認められなかった。しかし術
た。これらの症例につき、インプラント別に最終経過
後に下肢筋力、歩行の回復の遅延する症例が認められ
観察時のX線学的な固定性評緬を行った。
た。
【結果】葬感染性弛みによるステム再置換症例は1股
であった。ステムの内反移動を2股に認めたが透析期
間との関連性は認められなかった。長期透析患者の2
例に感染を認めた。インプラント間で固定性の差は認
められなかった。
【まとめ1透析患者においてもセメントレスステムの
固定性は概ね満足できるものであった。一方、感染例
はいずれも長期透析例であり、注意を要すると考えら
れた。