第 14 回 JAPAN ドラッグストアショー CLクイズ結果報告書 1. 要約 CL使用者にクイズを通して、楽しみながら正しい使用方法を啓発することを目的に行った。 回答者は 499 人と非常に多くの人に参加いただいた。クイズは、①使い捨てCLの開封後使用 期限、②カラコンのこすり洗いの必要性、③SCL消毒剤の開封後使用期限、④度なしカラコ ンの眼科処方の必要性、の 4 つの間違えそうな問題を出題した。 その結果、①使い捨てCLの開封後使用期限の正解率は 98%と最も高かったのに比べ、②カ ラコンのこすり洗い必要性、③SCL消毒剤の開封後使用期限、④度なしカラコンの眼科処方 の必要性、の正解率はそれぞれ 84%、85%、90%という数値を示した。また、③SCL消毒剤 の開封後使用期限については男性の認識不足が目立った。 この高い正解率の原因の一つは、貼られているシールの多さで正解がわかってしまい、正解 が予測されてしまったことが考えられる。クイズ啓発は、回答者と展示員の2ウェイコミュニ ケーションを図ることができ、かなり有効な啓発手法と思われた。 2. 対象と方法 ① 期 間 :2014 年 3 月 14 日(金) ・15 日(土) ・16 日(日) ② 場 所 :第 14 回 JAPAN ドラッグストアショーCL協会展示ブース(幕張メッセ) ③ 対 象 :コンタクトレンズユーザー(一般来場者、業界関係者) ④ 方 法 :クイズ参加者にシールを配布し、展示員が問題を読み、参加者が○か×か、正し いと思う欄にシールを貼付する。展示員は正解とその理由を説明し、アニマルチ ャーム(スマホクリーナー)と啓発リーフレットを渡す。 ⑤ クイズ参加者数 日 時 回答数 男性 女性 3 月 16 日(金) :10~17 時 98 人 13 人 85 人 17 日(土) :10~17 時 209 人 28 人 181 人 18 日(日) :10~17 時 192 人 31 人 161 人 合 計 499 人 72 人 427 人 3. クイズ内容 ① 2週間交換の使い捨てソフトレンズを使っているが、新品を開封後、ときどき使用しないこ とがある。2週間とは、 「レンズをはめた日数」をいうので、1週間使わなければ、開封し てから3週間後に捨てることでよい。⇒ 正解:× ② カラコンをケア用品で洗浄するときは、こすり洗いをすると色がはがれることがあるので、 余りこすらないほうが良い。⇒ 正解:× ③ ソフトレンズ用のケア用品はもったいないので、できるだけ節約し長く使いたいと考えてい たが、最近の指導では、冷蔵庫に保管しても、保管しなくても、なるべく1カ月を目安に使 い切ることが推奨されているそうだ。⇒ 正解:○ ④ 度数が入っているソフトレンズは眼科での処方が必要だが、度数が入っていないカラコンは、 度数を調べる必要がないので、眼科での処方も必要ない。⇒ 正解:× 1 ココにシールを貼ってもらった。 4. クイズ結果 クイズ参加者 499 人で、以下のような正解率であった。 0% 【Q1】 使い捨てCLの 開封後使用期限 50% 100% 全体 98% 2% 男性 97% 3% 女性 98% 2% 全体 【Q2】 カラコンの 男性 こすり洗い必要性 女性 84% 16% 86% 14% 84% 16% 全体 85% 15% 【Q3】 SCL消毒剤の 開封後使用期限 男性 女性 23% 86% 14% 90% 10% 90% 10% 89% 11% 全体 89% 11% 男性 88% 12% 女性 87% 13% 正解 不正解 全体 【Q4】 度なしカラコンの 男性 眼科処方の必要性 女性 平均 77% 5.考察(まとめ) 正解率に着目すると、①使い捨てCLの開封後使用期限の正解率は 98%と最も高かったのに 比べ、②カラコンのこすり洗い必要性、③SCL消毒剤の開封後使用期限、④度なしカラコン の眼科処方の必要性、の正解率はそれぞれ 84%、85%、90%とやや低い数値を示した。この① の開封後使用期限の問題の正解率が高い理由は、一般的に2週間交換レンズを3週間も使用し てはいけない、ということを使用者が自覚していることと、正解が法的根拠もあることから、 回答者は直感的に正しい回答を答えやすい問題と考えられた。一方、②カラコンのこすり洗い 必要性、③SCL消毒剤の開封後使用期限、④度なしカラコンの眼科処方の必要性、について は、正解にいずれも法的な根拠はなく、業界の推奨する回答を正解としたことから、回答者の 多くは色落ちとか消毒剤の1ヶ月期限などの情報を知らなかったり、錯誤を誘導する問題のた め回答に迷った方が多かったと考えられる。この結果自体は、今回のクイズ作成の狙い通りの 結果が出たといえる。すなわち、質問をやや長文にして、よく読んで問題を理解しないと回答 2 しにくいクイズとし、展示員は正解であっても不正解であっても、その正解の理由や背景を説 明し啓発できるという狙いである。 しかし、クイズの最大の問題は、参加者が回答シールを貼る前に貼られているシールの多さ で○か×かの正解が予測できてしまうことで、クイズの回答を考えることなくシールの多いほ うを見て貼ってしまい、全体的に高い正解率となったと考えられる。回答シールがわからなけ れば、正解率はいずれも70%以下程度になったと予測される。なお、③SCL消毒剤の開封 後使用期限については男性の認識不足が目立った。 クイズ啓発は、複数名のクイズ参加も対応でき、問題によっては正解を巡って参加者同士で 議論が始まるなど、しっかりと時間さえ確保できれば、回答者と展示員の2ウェイコミュニケ ーションを図ることができ、かなり有効な啓発手法と思われた。 以上 3
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