高齢透析患者における 前希釈on-lineHDFの有用性

ニプロ社製ヘモダイアフィルタ
MFX-Sにおける前希釈
on-lineHDFでの膜面積の検討
第42回日本血液浄化技術学会学術大会・総会
於、ソラシティカンファレンスセンター
平成27年4月25日(土)
医療法人社団城南会 西條クリニック鷹番
朝日大樹、長友まどか、中島成仁、土屋光清、
下地 博 、西條公勝、西條元彦
目的
前希釈on-lineHDFは大量置換が可能
であるが、置換液量増加により治療中の
TMPが増加する。
今回われわれは、膜面積の違いが置換液量を
増加した際のTMPとβ2-MGおよびα1-MG除去
率の関係性に与える影響を検討した。
対象と方法
○
ヘモダイアフィルタ:ニプロ社製
○
膜面積1.5㎡と2.1㎡における
置換液量30Lと50Lの比較検討
男女比
年齢(歳)
透析歴(年)
1.5㎡ 8名
2.1㎡ 20名
(男:2名、女:6名)
(男:20名、女:0名)
63.5
7.8
DW
[Kg]
GNRI [-]
64.0
9.4
±9.9
±4.2
±7.4
±7.0
240
治療時間(分)
QB [mL/min]
MFX-S
225.0 ±23.3
50.1 ±5.3
93.4 ±3.2
260.5 ±19.0
67.1 ±10.3
99.3 ±5.1
対象と方法
検討項目
①
TMP240分値(TMP:コンソール表示値)
②
β2-MG&α1-MG除去率
③
血液濃縮率:PWI(Plasma Water Index)
膜面積別、置換液量増加時の除去率
Wilcoxonの符号付き順位検定
(%)
1.5m2
(%)
**P<0.01
mean±SD
2.1m2
**
**
変動係数:標準偏差を算術平均で除した値で、相対的バラツキを表す
TMP 240分値とα1-MG除去率
1.5m2
2.1m2
TMP 240分値とPWI
1.5m2
2.1m2
膜面積変更前後6カ月間の推移
8名中、5名を
50L 1.5㎡→2.1㎡に変更
症例
変更前後6ヶ月間のTMP変動係数
変更前後6ヶ月間の推移
変更前を1.0とした時のGNRI相対比
まとめ ヘモダイアフィルタ MFX-S
高い溶質透過性と透水性能を有し、
置換量増加によってβ2-MGとα1-MG
除去率が増加したが、1.5㎡は2.1㎡に
比べ、置換液量増加によってTMPが
急激に増加し、α1-MG除去率も増加した。
考察①
TMP上昇の最大の原因として、
① →
単位膜面積あたりの濾過量と
細孔の目詰りによる透水性の低下
② →
PWI増加
(PWIは、経時的な変動域がある)
ヘモダイアフィルタの膜面積増加が必要
○
TMP減少により、α1-MG除去率のバラツキを抑える
○
置換液量増加による除去性能向上に対応が出来る
結語
過度なTMP増加を抑え、長期的で
安定した前希釈on-lineHDF治療を
実施するためは、膜面積が大きい
ヘモダイアフィルタが推奨される。
【スライド例】
学術講演会口頭発表時、申告すべきCOI状態がない場合
第42回日本血液浄化技術学会学術大会・総会
COI 開示
筆頭発表者名: 朝日 大樹
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある
企業などはありません。