シリーズ:著者の回答 030804 質問―004 (0h社、030531 第1回受講者様) 講義で行えることというのは、結局、参加者への動機付けができたかどうかであると考える。 そのためには、紹介してもらった手法で従来に対してどんな変化が起こったか(どんな改善が 実現できたのか)をもっと紹介して欲しかった。 紹介されればもっとわかりやすく、より興味が持てたと思う。また、その手法がどんなに強力 かが受講者に伝わると思う。 回答―004 「システム工学設計法」は、「手法」ではありません。「手法」の多くは、「ブレークスルー思 考」や、「品質工学」や、「TRIZ」などの、誰かが考案した「トレンド手法」です。いずれは消え、 いずれは学問となり、大学に専門学科が設置されるでしょう。 システム工学は、皆さんが学校で学んだ機械工学、電気工学、建築工学など同様の学問 です。ですから、好き嫌いはあっても、有効だとか、無効だとかは論外です。 次ページに続く Copy right(C) 2003 國井 良昌 All rights reserved. 1 シリーズ:著者の回答 030804 例えば、材料力学を、または、電磁気学を有効だとか、無効だとか論じますか? 「システム工学設計法」は昔、約20~30年も前に大企業ならばどこでも実施していたので す。もちろん、現在もです。それは、設計プロセスにおける「設計思想の論議」、「設計書の作 成」、「FMEAの実施」、「FTAの作成」、「厳しい設計審査の実施」、、、などなどを実践する設 計プロセスです。 しかし、今何故か、設計審査すらなくしてしまった企業があり、講師も驚愕しているところで す。設計改革も良いけれど、3D-CADによる効率化も良いけれど、設計プロセスの「コア」は 残そうと言うだけのことです。 前置きが長くなりました。それでは、リクエストにお応えして、 あえて、著者の勤務先で起きた改善効果を述べると、、、 ① リーダがリーディングしていた「設計審査」、リーダが内容を盛り上げていた「設計審査」 が、担当設計者に「自然」に代わったことです。つまり、リーダ不在でも設計審査は成立 するし、将来のリーダたる実力を担当設計者達で養えてきたことです。 何気なく記述していますが、実は、これは大変なことです。 ② 次に、ベテランと呼ばれていた設計者の一部が、いかに曖昧で、根拠や理論のない設 計をして いたかが、あばかれたことです。 次ページに続く Copy right(C) 2003 國井 良昌 All rights reserved. 2 シリーズ:著者の回答 030804 ③ また、設計者間で、実力の差が明確になったことです。 あなたは、同業のAさんとBさん、どちらが設計能力があるか判断できますか?ただ単に残 業時間が長くて、トラブル解決に尽力を費やしている設計者が優秀なのですか? 良く調べると前記のトラブルも自分のまいた種の場合が多いのです。所謂、自責トラブルで す。しかも、再発の再々発トラブルの場合も少なくありません。 我々設計者はプロの集団です。 Aさん、Bさんの真の実力差も把握できなければ、「勝つための設計力」は養えません。 以上が、改善効果です。今までは、全てがぼんやり、そして、ナアナアの状態でした。 以上 Copy right(C) 2003 國井 良昌 All rights reserved. 3
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