科目名 食料流通・経済論 (英語表記)Food Economics 授業の概要 教育目標 (ねらい) 到達目標 成績評価方法 の割合 教科書 参考文献 履修条件 配当〔食:3 年次 後期 2 単位 必修 講義〕 〔コーディネーター 大木 茂(獣医学部・動物資源経済学研究室)〕 この授 業 では経 済 学 を使 い、食 料 生 産 におけるモノとヒトとの関 わりを学 ぶ。 第 一 に畜 産 物 に注 目 し、日 常 的 に消 費 しているものの生 産 ・流 通 ・消 費 を理 解 する。 第 二 に農 業 と環 境 の関 わりに注 目 し、環 境 保 全 的 食 料 生 産 活 動 を理 解 する。 また時 事 問 題 で農 業 問 題 は常 に焦 点 となるので,食 と農 に関 する時 事 問 題 を理 解 する 。 ディプロマポリシーにあるように、社会から求められる幅広い知識、社会から求められる問題発見・解決能力、を得られる ためにこの科目が設定されている。 加えて、食品生命科学分野の特性、社会的責任との関わりを理解することが目標である。 この科目を通じて、専門コースでの学びの社会的な位置づけを理解することが課題である。 ・食と農と環境の関わりを理解し説明できる。 ・食料問題を経済的な視点から説明できる。 ・社会科学の方法論を理解し説明できる。 定期試験 60%、小テストもしくはレポート 20%、平常点 20%で評価する。 教科書:荏 開 津 典 生 著 『農 業 経 済 学 第 3版 』岩 波 書 店 参考文献:農 林 水 産 省 『食 料 ・農 業 ・農 村 白 書 』 教科書の予習・復習をそれぞれ行うこと。必修なので条件はないが高校時代に社会科の科目が手薄だった学生は、日頃 からテレビニュース等に親しんでおくことが必要。 予習:教科書の当該部分を読んでおくこと。復習:教科書の当該部分を読み返しておく。 学習課題 経済学の講義専用の、B5 サイズ 30 枚のノートを用意し、予習・復習、新聞切り抜きの整理等に活用することが望ましい。 (予習・復習) 予習復習を忘れたときは、とりわけ授業に集中すること。 オフィスアワー 回 担当者 月・金以外の昼休み時間 連絡先:ooki××@azabu-u.ac.jp 授業内容 ガイダンス 日本の食料・農業の課題について概観について学ぶ。 動物応用科学・食品生命科学とこの授業の関わりの概観について学ぶ。 1 大木 2 大木 3 大木 4 大木 5 大木 4 畜産物の生産と流通・消費 戦後の食生活で最も大きく変わった畜産の生産と流通・消費について理解する。なかでも加工型畜産という日本畜産の 構造的な課題を理解する。 6 大木 5 食料生産・流通・消費に関わる法的規制 食品流通には生産から消費に至るまで法による規制がある。そこで畜産物を例にとり生産から流通消費に至る法的な 規制を理解する。歴史的な法規制、適正飼養ガイドライン、農場における衛生基準、食品安全基準など。 7 大木 6 畜産物消費をめぐる世界的な論点—アニマルウェルフェア 動物福祉をめぐる議論は欧米と日本では次元が異なっている。そこで鶏卵を例に、欧米におけるアニマルウェルフェア 食品の生産と流通の実態を紹介しながら、日本での実態並びに課題を理解する。 8 大木 復習 1 これまでの要点整理と検討課題についての復習 会社データ、食料自給率、米の生産と流通消費、畜産物の生産と流通消費、食品に関わる法的規制(生産、流通、消 費、製品)、アニマルウェルフェアの課題(欧米、日本) 9 大木 7 食品選択の理論 需要と供給の論理にもとづき、予算線等の消費の論理について理解する。このことから需要と供給の考え方の理解を深 め、経済学的な思考方法を学ぶ。 10 大木 8 比較生産費説 TPP 交渉に見られるように、日本は諸外国から農産物の貿易自由化を求められている。比較生産費説は自由化を求め る論拠となる論理であるため理解する必要がある。その上でこの論理の適用が正しいか否かを判断する必要がある。 11 大木 9 豊作貧乏 需要の所得弾力性、あるいは価格弾力性を学ぶ。このことで必需品と奢侈品とでは所得増加による需要増加の割合が 大きく異なることを学び、豊作が必ずしも所得増加につながらない論理を理解する。 12 大木 10 経済的最適収量 作物生産には、技術的最大可能収量と経済的最適収量とがある。この 2 つの違いを肥料反応曲線によりまなび、世界 の食料問題を考える際の理論的基礎を学ぶ。くわえて、科学・技術発展の社会的な意義を理解する。 13 大木 11 農産物価格支持政策 価格の暴騰、暴落を防ぐために農産物価格に政府が介入する意義を理解する。また国際的な障壁を設けることの国民 経済的な意義も理解する。自由貿易による経済のリスクを理解する。 14 大木 12 緑の革命と遺伝子組み換え作物 第 2 次大戦以降の農業分野における科学・技術発展の出来事として2つを取り上げる。とくに遺伝子組替え作物の技術 は、実用されつつ(トウモロコシ、大豆など)も、拒絶されている(小麦、米など)。この問題の経済学的理解を深める。 15 大木 復習 2 これまでの要点整理と検討課題について復習 食品選択の理論、比較生産費説、豊作貧乏、経済的最適収量、農産物価格支持政策、緑の革命と遺伝子組み換え作 物 1 会社のデータの読み方 社会と自然科学のつながりを理解する。そのため、企業の活動を理解する方法を学ぶ。具体的には、企業の財務諸表 の基本的な部分の読み方や意味を理解することで、社会や企業について理解することの入門的な知識を得る。 2 食料自給率 3 つの自給率(カロリー自給率、重量自給率、金額ベースの自給率)のそれぞれの長所、短所を理解することで、統計に 親しむと同時に、自給率の意義や意味する問題を理解する。また自給率に関する国際比較から、 食料自給率の国際比 較から学ぶ 3 米の生産と流通・消費 日本の主食である米の生産と流通・消費の特徴を理解する。とりわけ米の過剰と国際価格の高さをどのように理解したら 良いのかを学ぶ。また食生活の変化を把握しながら、その国際的な特異性も理解する。
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