科目名 獣医組織学実習 配当〔3 年次 前期 1 単位 必修 実習〕 (英語表記

科目名 獣医組織学実習
(英語表記)Veterinary Histology Laboratory
配当〔3 年次 前期 1 単位 必修 実習〕
〔コーディネーター 山本 雅子(解剖学第二研究室)
〕
授業の概要
毎時間、複数の組織顕微鏡標本を観察し、スケッチする。スケッチすることが本実習の目的ではなく、スケッチを前提に観
察することによって、生体における細胞の形態および組織構造を充分に理解することを目指す。
教育目標
(ねらい)
すでに履修した獣医解剖学、獣医組織学の内容を受けて、顕微鏡標本を観察することによって生体内での立体構造お
よび組織構造を理解することを目的とする。特に獣医組織学の講義内容を視覚的な手法で学習することによって、器官
および組織の立体的相互関係を理解し、形態観察の基礎的技術を習得する。正常な組織構造を十分理解することは、
病態組織を理解する上で大変重要であるので、この点についても理解を深める。
到達目標
・犬、馬、豚、反芻類、実験動物(マウス、ラットなど)を対象動物とし、各項目に記載された主要な組織・器官の組織標本
を光学顕微鏡で観察・スケッチすることにより、それらの構造的特徴を理解し説明できる。
成績評価方法
の割合
2/3 以上の出席回数、レポート、スケッチ、試験(筆記・顕微鏡標本の観察)60 点以上を総合的(平常点:30%、スケッチ:
10%、試験:60%)に評価する。
教科書
参考文献
獣医組織学・第六版 (日本獣医解剖学会編) 学窓社
獣医組織学の講義ノートおよび講義の際に配布したプリントは必須である。
履修条件
1 年次に獣医組織学で履修した机上の知識を、顕微鏡標本を観察によって、形ある知識として習得して欲しい。スケッチ
の優劣は問わない。
学習課題
獣医組織学、獣医解剖学及び獣医発生学の講義内容を理解していることが前提となるので、あらかじめ提示されている
(予習・復習) 実習内容の予習は必須である。実習後は教科書に掲載されている組織写真を参考に復習することが必要である。
オフィスアワー
質問は実習終了後、あるいはメールにて受け付
けます。
連絡先:masako××@azabu-u.ac.jp
回
担当者
授業内容
1
山本・坂上
筋組織: 骨格筋細胞、心筋細胞、平滑筋細胞の形態の違いを理解し、機能的な違いについても理解するために観察す
る。
2
山本・坂上
血管: 大動脈から毛細血管を経て大静脈にいたる一連の血管系の壁構造の組織学的な変化を理解し、組織構造の変
化の意義を理解するため観察する。
3
山本・坂上
神経組織(1) :大脳および小脳を観察し、典型的な中枢神経系の構造ならびに神経細胞の基本的な構造を学習する。
4
山本・坂上
神経組織(2) :脊髄、交感神経節および神経線維(有髄神経線維と無髄神経線維)を観察し、中枢神経系(脊髄)と末梢
神経系(神経節)の構造を理解するとともに、髄鞘構造を有する神経線維の光学顕微鏡像を学習する。この項目では、神
経膠細胞(シュワン細胞、神経節膠細胞)も観察する。
5
山本・坂上
リンパ性器官(1): リンパ節と胸腺を観察し、リンパ性器官の特殊性を学習すると共に、リンパ液の浄化、新生、抗体産生
と組織構造の関連性も学習する。
6
山本・坂上
リンパ性器官(2):脾臓を観察し、リンパ液の浄化と共に老化した赤血球が排除される仕組みを、組織構造と関連づけて学
習する。また、細網線維を染色した標本を観察することによって、細網組織の構造を学習する。
7
山本・坂上
呼吸器系器官(気管から肺): 外気を呼吸し、肺(肺胞)に至るまでの気道(鼻腔、気管、気管支、細気管支)を確保して
いる壁構造(特に上皮組織に注目)の組織学的変化とその意義について理解する。ガス交換の場である肺胞の微細構造
を学習する。
8
山本・坂上
内分泌器官(1):ホルモン組成とその内分泌器官の組織構造の関連性を学習した後、下垂体、甲状腺及び上皮小体を観
察する。下垂体は発生学的由来が異なる神経性下垂体と腺性下垂体の構造と機能の違いを、甲状腺は、その組織構造
の理解が甲状腺機能の理解につながることを学ぶ。
9
山本・坂上
内分泌器官(2):副腎と膵臓内分泌部(膵島)を観察する。副腎皮質は動物種によって細胞の配列が異なること、皮質と髄
質では分泌ホルモンの組成が異なることを理解し、膵島には 4 種類の内分泌細胞が存在することを認識する。
10
山本・坂上
外皮(皮膚、腺):皮膚の基本的構造を理解するとともに、表皮角化細胞のターンオーバーについて学習する。さらに、ヒト
とそれ以外の哺乳類の汗腺の機能の相違を学習し、皮膚に存在する腺(エックリン汗腺、アポクリン汗腺、脂腺、乳腺)を
観察する。毛の構造を観察し理解する。
11
山本・坂上
感覚器:耳の構造:内耳の組織構造を観察することによって、聴覚器として、平衡感覚器として各々の構造と機能の関連
性を理解することを目標とする。眼球の構造:眼球の組織学的構造を観察することによって、視覚器の構造と機能の関連
性を理解することを目標とする。
12
山本・坂上
発生学実習(1):母体と胎子を連絡する胎盤を観察し、その形成過程と基本的構造を理解する。また、有蹄類、食肉類な
らびにげっ歯類の胎盤を比較し、胎盤の構造の違いを組織学的、生理学的に考察する。
13
山本・坂上
発生学実習(2) :第 13 回と第 14 回の実習は、胎齢 15 日マウス胎子組織標本を用いて、主要な器官の組織発生を学
ぶ。第 13 回では、終脳壁、下垂体、皮膚、肺、胃、膵臓、肝臓(含む血球分化)、皮膚、触毛を観察する。
14
山本・坂上
発生学実習(3) :胎齢 15 日マウス胎子の腎臓、骨格筋細胞、膜性骨発生、軟骨内骨化、生殖腺を観察し、哺乳類の性
分化に関わる中腎管および中腎傍管も併せて観察する。
15
山本・坂上
試験