営農だより 平成 27 年5月 20 日発行 弘 前 地 区 営 農 係 りんご 黒石のりんご研究所では、4月下旬以降の高温により、ふじの落花日が5月5日と平年よりも13日早まりました。また4月8日~10日にかけて管内で 低温に見舞われたことから、一部の園地ではジョナゴールドで中心果の欠落や、つるの短いものが確認されていますが、結実状況は概ね良好です。 ●管内のふじの生態● 調査地点 開花日 満開日 落花日 薬師堂 4/29 5/1 5/5 開花日:1~2花開花したとき。 狼森 4/30 5/3 5/6 満開日:頂芽花の70~80%が開花したとき 小沢 4/30 5/4 5/8 落花日:頂芽花の70~80%が落花したとき 平年 5/10 5/14 5/19 ●摘果作業● ◇作業手順◇ りんご1果あたり50枚の葉が必要と言われています。 一つ成り摘果~仕上げ摘果 新梢停止期まで(7 月上旬まで) 50 枚の葉で作られた養分 見直し摘果(無袋) 新梢停止期以降(7月中旬~お盆の頃まで) ◇適正着果量の目安◇ 樹 の 太 り カ ル ス の 形 成 病気に対する抵抗力 花芽の形成 果実の生産 つがる・ジョナゴールド 3.5頂芽に1果 ふじ・王林 4頂芽に 1 果 ・ツルが《長い・太い・曲がりがないもの》を残すようにしましょう。 ・充実した花芽(花が多い花そう)に成らせるようにしましょう。 ●カイガラムシ対策● ☆薬剤散布による防除対策 『落花10~20日後頃』がカイガラムシ越冬世代幼虫の移動時期です。この頃が薬剤散布適期です。アプロードフロアブル(1000倍) による胴木洗いを実施しましょう。 ☆バンド巻きによる防除対策 1回目は、 『6月下旬頃』に巻きつけ、 『7月中旬頃』に除去しましょう。 2回目は、 『8月中旬頃』に巻きつけ、 『ふじ収穫後~翌年の5月上旬まで』に除去しましょう。 ●薬剤散布● ・特別散布について 本年の生態は平年より10日早く経過しているため、今後の薬剤散布で「落花30日後頃」の特別散 布として[アントラコール 回数 散布量 (10a) 500倍]を散布するようにしましょう。 散布時期 対象病害虫 基準薬剤 ボルドー方式 落花 10 日後 4 5 6 420ℓ ふじの落花 15 日後頃 (5/26 日頃~) 黒星病 斑点落葉病 すす点・すす斑病 カイガラムシ 1.スペックス 2.スプラサイド 3.ビタカルシウム 600 倍 1,500 倍 90.9 倍 500ℓ 黒星病 斑点落葉病 すす点・すす斑病 500ℓ 6 月中旬 ふじの落花 30 日後頃 (6/20 日頃~) 黒星病 斑点落葉病 すす点・すす斑病 1.ユニックスZ 2.モスピラン 3.ビタカルシウム 500 倍 4,000 倍 90.9 倍 7 月上旬 (7/5 日頃~) 黒星病 斑点落葉病 炭そ病 モモシンクイガ ハダニ類 1.ジマンダイセン 2.サイハロン ダニ剤 4.カルマッチ 600 倍 2,000 倍 ※特別散布時に、状況に応じて[サイアノックス 1.アントラコール 770 倍 1000 倍]又は、[ダイアジノン 500 倍 1,500 倍 90.9 倍 落花 20 日後 1.ジマンダイセン 2.ビタカルシウム 特別散布 (6/10 日頃~) 500ℓ 1.チオノック 2.スプラサイド 3.ビタカルシウム 500 倍 600 倍 90.9 倍 1kg(2 袋) 6 月下旬 1.ICボルドー 2.モスピラン 50 倍 4,000 倍 7 月上旬 1.ICボルドー 2.サイハロン 3.コロマイト 50 倍 2,000 倍 1,000 倍 1000 倍]を併用し散布しましょう。 ●有袋栽培● 近年、有袋栽培は労働力不足等から、減少傾向にありますが、りんごの周年販売をするためには、有袋りんごは必要不可欠です。 また、本年は生態が早く経過しているため、つる割れの発生が心配されます。過去に、開花が早い年はつる割れの発生率が高い傾向に ありますので、つる割れ軽減対策として有袋栽培に取り組んでみてはいかがですか?
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