りんご生産情報 平成 27 年 5 月 7 日発行 弘前中央地区営農係 気温が高めに推移していることから、生態は平年より早く進んでおり、ふじの開花日は平年より 9 日程度早まりました。 今後、高品質のりんごを生産するためには、早く強い摘果が必要となります。摘果が遅れると、果実肥大や来年の花芽に影響がありますの で、品種に応じて摘果剤をうまく利用し、6 月いっぱいで仕上げ摘果が終えられるよう計画的に作業を進めましょう。 1.リンゴの生態 開花日 品種 管内 満開日 備 考 和徳 藤崎 平年 和徳 藤崎 平年 生育観測地点 つがる 4/28 4/30 5/9 5/1 5/3 5/14 和徳管内:津賀野地区 ジョナ 4/26 4/28 5/8 4/29 5/1 5/13 藤崎管内:五林地区 王 林 4/25 4/28 5/7 5/28 5/1 5/12 ふ じ 4/28 5/1 5/10 5/1 5/4 5/14 - 4/30 5/12 - 5/3 5/16 平年値はH23~26 年度の平均値(わい化) - 4/28 5/11 - 5/2 5/15 平年値はH23~26 年度の平均値(わい化) ひろさきふじ ト キ を観測しています。 ※平年値 当JA全体での平年値です。 2.薬剤散布 生態が早めに進んでいることから、今年は 6 月上旬に特別散布が入りますので、薬剤の準備をしておきましょう。 回数/ 散布量 対象病害虫 散布時期 1,000ℓ当た 基準薬剤及び調合順序 備 りの薬量 考 4 落花 15 日後 420L/10a 黒星病・黒点病・腐らん病 うどんこ病・すす斑すす点病 5/26 日頃~ クワコナカイガラムシ・アブラムシ ギンモンハモグリガ スペックス スプラサイド カルマッチ クレフノン 600 倍 1500 倍 770 倍 100 倍 1.67kg 667g 1.3kg 10kg 黒星病の最も重要防除時期なので、散布間 隔・散布量を守り散布しましょう。 特別散布 (落花 30 日後) 420L/10a 黒星病・黒点病・腐らん病 6/10 日頃~ うどんこ病・すす斑すす点病 アントラコール サイアノックス 500 倍 1000 倍 2kg 1㎏ 特別散布を挟まなければ、害虫の発生と薬 剤散布が合わなくなりますので、必ず実施 しましょう。 ユニックスZ モスピラン カルマッチ クレフノン 500 倍 4000 倍 770 倍 100 倍 2kg 250g 1.3kg 10kg 5 6月中旬 500L/10a ※ 6/20 日頃~ 斑点落葉病・腐らん病・黒星病 すす斑すす点病・黒点病・炭そ病 褐斑病 モモシンクイガ・ハダニ類 アブラムシ類・ギンモンハモグリガ シャクトリムシ類 アブラムシが多発した場合はウララDF4,000倍を散布しましょう。 3.クワコナカイガラムシ対策 近年、クワコナカイガラムシの被害が目立っています。年2回発生し、りんご袋の中に入り直接加害するのは2世代目です。成虫になり 白いロウ物質に覆われる前の幼虫時期に防除する必要があります。生態がそろう1世代目の幼虫の移動時期に樹の割れ目や古い切り口を中 心に胴木洗いを実施すると効果的です。 ※ 防除時期 5月下旬~6月上旬(落花10日後と20日後の2回) 散布薬剤 アプロードフロアブルまたはダイアジノンなどの有機リン剤 バンド巻きを行う場合は1回目は6月下旬に巻きつけ、7月20日頃に除去する。 クワコナカイガラムシの成虫 4.摘果のポイント 摘果は果実肥大や品質向上、隔年結果防止、樹勢維持のためにも重要な作業です。 (1)一つなり摘果の目安としては落花 15 日後頃まで、仕上げ摘果は落花 25 日後頃までに行いましょう。 ※ 王林は早期に摘果しないと後から強めに行っても肥大しにくい傾向 があります。 (2)花そうの弱いもの(葉が少ないなど)、果台の長いものを中心に摘果 を行いましょう。 (3)成らせる場所は去年伸びた先端の芽(頂芽)です。去年伸びた枝の腋の 芽(腋芽)では品質が劣ることや来年の花芽に影響します。 着果量の目安 つがる・ジョナゴールド ふじ・王林・シナノゴールド・トキ 3.5頂芽に1果 4頂芽に1果 果台が短く、太い充実した花そう 備 果台が長く、花が少ない弱い花そう 考 つがる、王林の摘果は他品種よりも早く行いましょう。 ◆薬剤摘果について◆ 使用薬剤・倍数(展着剤加用) ミクロデナポン 1200 倍 10a 散布量 ふじ・王林 ジョナゴールド 350L 8~10mm 15~16 ㎜ ※つる割れ防止剤(ヒオモン水溶剤)を散布する 場合は2週間程度間隔をあけましょう。
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