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乳牛に見られた先天性大血管異常の1例
村上, 隆之; 矢野, 安正; 田中, 剛太郎; 中井, 雅晶;
隅田, 賢峰; 那須, 哲夫; 斎藤, 勇夫
宮崎大学農学部研究報告, 30(1): 31-39
http://hdl.handle.net/10458/2609
Date of Issue 1983-10
Right
Description
〔
官大農報
第3
0巻
31
p.
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乳牛に見 られた先天性大血管異常 の 1例
村上隆之*・矢野安正**・田中剛太郎*・中井雅 晶*・
隅田賢蜂*・那須哲夫*・斎藤勇夫*
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胎生期におけ る血管系の発育異常に基づ く血管奇形につ い ては,血管輪6.25,30・35・42.43,67),門脈一大
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門脈が後大静脈1
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,奇静脈15・17.20-27,48) お よび肝静脈36) な
循環短絡 por
どと異常連絡す るもの),左前大静脈遺残9,12,18-19,21-22・24,26,34・37,42-49,54・61,66) (
退化すべ き左前大静脈が
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遺残す るもの),後大静脈奇静脈流入 a
(
後大静脈が肝臓 と連絡せず,奇静脈を介 して右心房に還流す るもの) な どが家畜で も多 く報告 され
ている.
牛の血管奇形を総覧す ると,右大動脈弓道残に基づ く血管輪 (
右大動脈,動脈管お よび左肺動脈が
6
)
,重複前大静脈47)
,心奇形
心底背位の気管 と食道を輪状に囲んでそれ らを狭窄す るもの) の 2例45・4
に合併 した左前大静脈遺残1-2-8,28) お よび左前 ・左後大静脈左心房流入53) が報告 されているのみであ
る.今回,乳牛において大動脈 と後大静脈が複雑 な異常を示す まれな例に遭遇 したので,その解剖学
的所見について報告す る.
材 料 と方 法
観察に用いた材料は1
7か月齢の雌 ホルスタイン種であ る.本牛は畜主が 3回かわ り,若齢時の臨床
所見は不明であ る.
1
7か月齢時には肥育牛 として飼育 されていたが,食欲が減退 し,肥育効果が上 らない との票告で上
診 した.その時,体格は普通であ るが削痩 し,背湾姿勢で元気がな く,動 くことを嫌 っていた.
左側腹部に有響性金属音を認めたので第 4胃変位を疑い,試験的に右側腹部を切開 した ところ,節
4胃左方変位が認め られた. しか し,その際,腹陸中を下垂 して走行す る太い動脈,肝臓の著 しい右
方変位お よび陣腫等が認め られたため,予後不良 と判断 して剖検に供 した.
*家畜解剖学研究室
**宮崎県児湯農業共済組合
3
2
宮 崎 大 学 農 学 部 研 究 報 告
第 30巻
第 1号 (
1983)
観 察 結 果
胸壁 と腹壁を除去 して内臓を観察す ると,第 4胃は腹腔 内の左方に転位 し, ガスで軽度膨満.小腸
と盲腸の一部は充血.肝臓 は正常例 よ りも腹方に位置 してい る.牌臓は腫大 し,被膜の一部に出血が
認め られ る.卵管 と子宮角は一対存在す るが,卵巣は小型の卵胞 を含んだ左 ・右卵巣が一つに融合 し
てい る.その他の内臓には肉眼的に異常は認め られ ない.横隔膜は筋部の腰椎部が下垂 し,大動脈裂
孔 は背腹に長 く拡が り,その背端を右奇静脈,腹端を大動脈が通過 してい る.大動脈 と大静脈には,
その走行や分岐に次 の よ うな著 しい異常が認め られ る.
1. 大動脈 (
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)
大動脈 の うち,上行大動脈 と大動脈 弓の走行や分岐には異常は認め られ ない.
胸大動脈は細い気管支動脈 と食道動脈 を分岐 したのち,食道 の左方を胸椎か ら約 3c
m 腹方へ下垂
して後走す る. この胸大動脈は第 7胸椎部に達す るまで背側肋間動脈を分岐す ることな く,第 7胸椎
部では じめて第 4- 8背側肋間動脈 の共通枝を分岐す る.その後 さらに腹方-下垂 して後走,横隔膜
0c
m 腹方-下垂 してい る.
大動脈裂孔 を通過す る部では脊柱か ら約 1
横隔膜大動脈裂孔を通過 した胸大動脈 の続 きであ る腹大動脈は,細い後横隔動脈を分岐,続いて腹
腔動脈 と前腸間膜動脈 の共通枝を分岐 し,次第に脊柱-接近 しなが ら後走す る.第 3腰椎部に達 した
腹大動脈は,その部で脊柱腹面に密着 し,第 9背側肋間動脈∼第 2腰動脈 の共通枝を分岐 してい る.
その間,上記 2本の共通枝以外には背側肋間動脈や腰動脈は分岐 しない.
そ の後,腹大動脈は通常 の腎動脈 を分岐す る こ とな く脊柱腹面に接 して後走,骨盤腔入 口近 くで
左 ・右外お よび内腸骨動脈 の他, さらに後腸間膜動脈 と腎動脈 の共通枝に分岐す る. この後腸間膜動
脈 と腎動脈 の共通枝は再び脊柱か ら離れ て細い後腸間膜動脈 と太 い腎動脈に分岐す る.腎動脈はその
あ と前走 して左右の腎動脈 に 2分岐 し,腎臓に達す る.
2
. 大静脈 (
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)
後大静脈は重複後大静脈であ る.
左右の内お よび外腸骨静脈は正常 どお り尿管 の背方に位置 してい る.左お よび右総腸骨静脈が合流
した後大静脈は脊柱お よび腹大動脈 の左方に位置す る左後大静脈であ る. この左後大静脈は脊柱の左
側に接 して前走 し,左腎動 ・静脈 の背方を通過 し,第1
3胸椎部で脊柱 の腹方-移行す る.その間,左
後大静脈は左お よび右腎静脈 とは全 く連絡 しない.
右後大静脈は左総腸骨静脈に起 り,間 もな く 1本の卵巣静脈を受け入れ,脊柱か ら離れて大動脈の
右方を前走す る.その後, この右後大静脈は第 4腰椎部で右方か ら右腎静脈を,続 いて第 3腰椎部で
左方か ら左腎静脈を受け入れ,脊柱 の右側に接 して前走す る.腎静脈を受け入れ るまでの右後大静脈
は左後大静脈 よ りも細いが,腎静脈を受け入れた後は右後大静脈 の方が太い.
左お よび右後大静脈は第1
2胸椎部で合流 して 1本の太い後大静脈 とな る. この後大静脈は正常例の
場合 と異な り,脊柱を離れ て肝臓- 向 うことな く,そのまま春奇静脈に移行す る.後大静脈を受け入
れた右奇静脈は著 しく太 く,脊柱腹面に接 して前走,大動脈 の背位で横隔膜大動脈裂孔 を通過 し,育
側肋間静脈 を集めなが ら胸椎腹面を前走 して前大静脈に連 な ってい る.
左奇静脈は欠損 してい る.肋頚静脈,最上肋間静脈,前大静脈 な どには異常は認め られない.門脈
村上ら :乳牛に見られた先天性大血管異常の 1例
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は正常 どお り肝臓-進入 してい る.肝静脈は 1本に合流 して正常例 の後大静脈 の位置 で横隔膜大静脈
孔を通過,食道の右腹方を前走 して右心房 の後部に連 な ってい る.心臓には異常は認め られ ない.以
上述べた大動脈 と大静脈 の状態を Fi
g.1に模式図で示 した.
考
察
本例の大動脈系では,第 4- 8背側肋間動脈 の共通枝が第 7胸椎部で 1本分岐 し,次いで第 3腰椎
部で第 9背側肋間動脈∼第 2膜動脈の共通枝が分岐 してい る.その間,それ ら以外に直接大動脈か ら
34
宮 崎大学農学部研究報告
第3
0巻
第 1早 (
1
983)
背方へ 向 って分岐す る背側肋間動脈や腰動脈は存在 しない.横隔膜大動脈裂孔を通過す る部の大動脈
は脊柱か ら約 1
0c
m も腹方-下垂 してお り,側面的に第 3腰椎部 までの大動脈は腹腔動脈 と前腸間
膜動脈 の共通枝が分岐す る部を頂点 とし, Ⅴ字型に脊柱か ら下垂 してい る.生前の開腹時に腹腔中を
走行す る太い動脈が認め られたが,それは脊柱か ら下垂 した この腹大動脈であろ う.
この よ うに大動脈が脊柱か ら離れ て腹腔-下垂 してい る点については,前述の よ うに,大動脈か ら
分岐す る背側肋間動脈や腰動脈 の数が少な く,躯幹 と大動脈 との結合が弱い こと, また肝臓が後大静
脈 と結合 していないために腹方-移動 した ことに よ り,腹大動脈が腹腔動脈 と前腸間膜動脈の共通枝
に よって腹方-引 き降ろされた もの と考え られ る.
腎動脈 は通常の部位で腹大動脈か ら分岐せず,骨盤腔入 口近 くで,後腸間膜動脈 との共通枝 として
左 ・右外お よび内腸骨動脈 な どと共に腹大動脈か ら分岐 してい る.人の場合,腎臓が骨盤腔内に異常
,総腸骨動脈40),内腸骨動脈7)
位置す る骨盤腎では,腎動脈は総腸骨動脈分岐部近 くの腹大動脈 7-16-56)
な どか ら分岐 し,それが下走 して腎臓に達す ることが知 られ てい る. また腎臓 の位置異常を示 さない
例で,総腸骨動脈分岐部近 くの腹大動脈57
)や総腸骨動脈40-57
)な どか ら分岐 して腎臓に達す る腎動脈
が稀に存在す ることも知 られ てい る. しか し,それ らにはいずれ も 2本以上の腎動脈が存在 し,その
うちの太い主腎動脈は正常の位置か ら分岐 してい るといわれ てい る.本例 の場合,腎臓 の位置が正常
であ るにかかわ らず 1本の腎動脈が骨盤腔入 口近 くで後腸間膜動脈 との共通枝 として腹大動脈か ら分
岐 し,それが逆行性 に前走 して 2本の腎動脈に分れ てそれぞれ の腎臓 に達 してい る. この よ うな例は
非常 に稀有な もの と思われ る.
本例 の静脈系は重複後大静脈 と後大静脈奇静脈流入の合併奇形 であ る.
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,猫では 4.
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)といわれ てい る.今回の観察例は Edw重複後大静脈 の出現率は人では 1
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39) の分類 では,発生学的に左後大静脈は左上主静脈,右後大静脈は右後主静脈か
らそれぞれ発生 した AC 型の重複後大静脈 であ る. この よ うな pos
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の共存す る異常 は,人では重複下大静脈 の4
4例 中 3例 (
いずれ も AC 型)5),猫では8
4例中22例 (
その
うち AC 型は 4例)l
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)に認め られ てい る. さらに今回の観察例 では,左右の腎静脈は右後大静脈に合
7例
流 し,左後大静脈 には腎静脈は連絡 していない.入手 し得た文献中に見 られ る人の重複下大静脈1
では,いずれ も右下大静脈に右腎静脈,左下大静脈に左腎静脈が合流 してい る5,16・29・31∼33・51・52-55・62-65)
後大静脈奇静脈流入は,発生学的には主下静脈 (
後大静脈) が肝臓 と連絡 しないためにそれが主上
静脈 (
奇静脈) を介 して右心房 に注 ぐよ うにな った もの で あ る4,41)
.その出現率は人では 1.3%4
1
)
,
犬 では 0.36%5
8
) といわれ てい る.人では下大静脈奇静脈流入には多牌,重複上大静脈,内臓逆位,
対称肝な どを合併す る場合が多い といわれ てい る13).犬では 9例 中 3例 に門脈大循環短絡が17・27,36),
また 1例 に内臓逆位 と多陣が36) 合併 した もの の報告があ る.今回の観察例 では重複後大静脈 と左 ・
右卵巣の融合が認め られた.
重複下大静脈 と下大静脈奇静脈流入の合併例については,人では報告 され てい るが16・29-3
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)
,非常に
少な い 4).犬の後大静脈奇静脈流入の 9例 中には重複後大静脈 の合併 は見 られない1
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以上 の よ うに,今回の観察例は左後大静脈が 腎静脈 と連絡 しな い pos
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va,右後大静脈が
左 ・右腎静脈 と連絡す る pr
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va かな成 る重複後大静脈 であ り, さらに そ れ らの 合流 した
後大静脈が右奇静脈に流入す るきわめて稀な奇形 と思わ れ る.本例 の大静脈 の発生経過を Fi
g.2に
模式図で示 した.
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要
約
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か月齢,雌 ホルスタイン種 に以下の よ うな先天性 の大血管異常が認め られた.
1
. 第 3腰椎部 までの大動脈は脊柱か ら離れ て腹方-下垂 していた.
2. 第 4- 8背側肋間動脈は第 7胸椎部で, また第 9背側肋間動脈∼第 2腰動脈は第 3腰椎部で,
それぞれ大動脈か ら共通枝 として分岐 していた.
3. 後腸間膜動脈 と腎動脈 の共通枝が骨盤腔入 口で腹大動脈か ら分岐 していた. この共通枝は細い
後腸間膜動脈を分岐 したのち前走 して左右の腎動脈に分岐 していた.
4. 大静脈系は重複後大静脈 と後大静脈奇静脈流入の合併奇形であ った.
36
宮 崎 大 学 農 学 部 研 究 報 菖
第 30巻
第 1号 (
1
983)
5. 左 後 大 静 脈 は 腎 静 脈 と連 絡 しな い pos
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ava,右 後 大 静 脈 は左 ・右 腎 静 脈 を 集 め る pr
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宮 崎 大 学 農 学 部 研 究 報 告
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