ウィークリー・レポート2015年4月13日

Weekly Report
2015年4月13日
Mitsubishi UFJ Asset Management
グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム
シニアストラテジスト
岸 義明
5分でわかる週間マーケット
前週末のマーケット指標
株式
日経平均株価(日経225)
TOPIX(東証株価指数)
NYダウ工業株30種平均株価
S&P500種株価指数
NASDAQ総合指数
ドイツDAX30種株価指数
債券
日本新発10年国債利回り
米国10年国債利回り
ドイツ10年国債利回り
豪州10年国債利回り
ブラジル2年国債利回り
為替
米ドル/円
ユーロ/円
ユーロ/米ドル
豪ドル/円
ブラジルレアル/円
政策金利
米国(FFレート)
欧州(ECBリファイナンス金利)
豪州(RBAキャッシュレート)
ブラジル(中銀ターゲット金利)
19,907.63
1,589.54
18,057.65
2,102.06
4,995.98
12,374.73
0.340
1.947
0.155
2.366
13.018
120.22
127.49
1.0604
92.37
39.09
0.25
0.05
2.25
12.75
前週末比(幅)
472.55
25.38
294.41
35.10
109.04
407.34
前週末比(幅)
▲ 0.015
0.108
▲ 0.039
0.071
▲ 0.200
前週末比(幅)
1.25
▲ 3.05
▲ 0.0365
1.55
0.98
前週末比(幅)
0.00
0.00
0.00
0.00
前週末比(%)
2.43%
1.62%
1.66%
1.70%
2.23%
3.40%
前週末比(%)
1.05%
▲2.34%
▲3.33%
1.70%
2.57%
*株式の単位は円、米ドル、ポイント。為替の単位は円、米ドル。債券、政策金利の単位は%。
*直近の米国(FFレート)は0.00~0.25%。
*日本銀行は2013年4月より金融市場調節の操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更。
*ECB(リファイナンス金利)は実効ベース。
前週の市場動向
株式・債券市況
 前週の株式市況(前週末比)は、日米独がともに上昇しました。債券利回りは米が上昇す
る一方、日独が低下するなど、まちまちな展開となりました。
 株式市況は、日銀やECB(欧州中央銀行)が実施する金融緩和の効果が経済に浸透し
ていることに加え、原油価格の緩やかな上昇などが追い風となって、リスクオン(リスク選
好)の相場展開となったことなどから、日米独ともに上昇しました。債券利回りは、新規失
業保険申請件数が市場予想を上回って改善するなど、底堅い経済指標が発表された米
国が上昇した一方、金融緩和が継続する日独はともに低下しました。
為替市況
 前週の為替市況(前週末比)は対円で米ドルが1.05%の上昇、ユーロが2.34%の下落、
豪ドルが1.70%の上昇、ブラジルレアルが2.57%の上昇となりました。
 ユーロは、ECBが金融緩和を継続するなか、ドイツやフランスなどの金利が低下したことな
どから、対円で下落しました。
 ブラジルレアルは、原油価格の緩やかな上昇や、3月のインフレ率が上昇するものの市場
予想を下回ったことなどが好感され、対円で上昇しました。
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Mitsubishi UFJ Asset Management
今週の注目ポイント
 J-REIT:日本経済の回復を背景に、底堅く推移
東証REIT指数はアベノミクス効果が日本経済に浸透するなか、オフィス空室率や賃料の
改善などが追い風となって上昇し、2014年は前年比+25.3%となり、日経平均株価(同
+7.1%)を大幅に上回る上昇となりました。ただ、今年に入り、4月10日には日経平均株価
が一時2万円の大台を約15年振りに回復する一方、東証REIT指数はもみあいで推移する
など、出遅れ感が目立っています。
東証REIT指数と日経平均株価
(ポイント)
2,100
(円)
20,500
東証REIT指数(左軸)
日経平均株価(右軸)
2,000
19,500
1,900
18,500
1,800
17,500
1,700
16,500
1,600
15,500
1,500
14,500
1,400
13/12/31
13,500
14/3/31
14/6/30
14/9/30
14/12/31
15/3/31
(年/月/日)
(注)土日祝日は前営業日のデータを利用、期間は2013/12/31~2015/4/10まで
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
足下、東証REIT指数が伸び悩んでいる背景には、以下の要因があると考えられます。
① 米国経済が底堅く推移し利上げが意識されるなか、低下基調にあった日本の長期金
利は1月中旬に反転し、不安定な展開が継続していること
② 東証REIT指数が上昇してきたことで、予想分配金利回りが低下するなど割安感が低
下していること
③ リート市況を取り巻く環境が良好ななか、エクイティ・ファイナンス(株主資本の増加をも
たらす資金調達)が相次ぎ発表され、需給環境が悪化していること
日本10年国債利回りと予想分配金利回り
(日次)
(%)
4.7
予想分配金利回り(左軸)
10年国債利回り(右軸)
4.3
リート市場におけるPO(公募増資)・
IPO(新規公開)の資金調達(年次)
(%) (億円)
1.0 12,000
0.8
IPO資金調達額
10,000
PO資金調達額
8,000
3.9
0.6
3.5
0.4
3.1
0.2
2,000
0.0
0
6,000
2.7
12/12/31
13/6/30
13/12/31
14/6/30
(注)土日祝日は前営業日のデータを利用、期間は2012/12/31~2015/4/10まで
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
14/12/31
(年/月/日)
4,000
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
(注)2015年は1~3月までの発表日ベース
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
2015
(年)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断でな
さるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は
株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではあ
りません。投資信託は、預金保険の対象とはなりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありま
せん。本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
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Weekly Report
Mitsubishi UFJ Asset Management
しかし、足下の不安定な金利動向に関しては、米国の3月FOMC(米連邦公開市場委
員会)の声明で景気の先行きに関して慎重な姿勢が示されたことなどから、米国の利上げ
観測がやや後退しています。さらに、米国の経済指標が強弱まちまちな状況下、利上げに
対して慎重なスタンスを維持していくと考えられ、原油など資源価格の回復が緩慢である
ことなども踏まえると、当面、世界的に金利は落ち着いた展開が想定されます。
一方、国内では、オフィス空室率の改善継続や大都市・商業地域での賃料上昇などを
背景に、今後、分配金の増加が見込まれることなどを踏まえると、現状の東証REIT指数の
水準に割高感は薄いとみています。また、エクイティ・ファイナンスの増加については、日本
経済の回復が鮮明化していることの表れであるとともに、ヘルスケア・リート(有料老人ホー
ムに投資)が新規上場するなど、リート市場のすそ野の拡大にも繋がっており、これらもリー
ト市況の追い風になっていくと考えています。
このような状況下、2014年以降の投資家別売買状況をみてみると、近年、個人は売り
越し基調となっている一方、金融機関や投資信託は概ね買い越し基調となっています。
金融機関などが買い越ししている背景には、日本国内で低金利環境が継続している状況
下、相対的に高い利回りに着目していることなどが考えられ、このような長期保有が前提と
みられる投資家層(日本銀行は3月までに累計2,058億円の買入を実施)が下支えとなっ
て、今後、東証REIT指数は底堅く推移していくと考えています。
時価総額と上場企業数
東証REITの投資家別売買動向(金額・月次ベース)
(兆円)
12
(社)
60
時価総額(左軸)
10
(十億円)
90
50
60
8
40
30
6
30
0
4
20
-30
2
10
-60
0
-90
0
01/9末
上場企業数(右軸)
03/9末
05/9末
07/9末
(注)2015年3月末まで。直近、上場している51社ベース
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
09/9末
11/9末
13/9末
(年/月)
14/1
海外投資家
事業法人等
投資信託
個人
金融機関
14/7
(注)2015年2月分まで
(出所)東京証券取引所のデータを基に三菱UFJ投信作成
15/1
(年/月)
当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断でな
さるようお願いいたします。当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資信託は
株式、公社債等値動きのある証券に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではあ
りません。投資信託は、預金保険の対象とはなりません。金融商品取引業者以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありま
せん。本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。
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