【オフショア人民元は、G20サミットを前に人民元下落の

みずほ銀行香港資金部
29-Aug-16
<為替> オフショア人民元は、G20サミットを前に人民元下落の可能性が浮上し、元安が進行。
<金利> 中国人民銀行は、オンショア市場の流動性を増やすため公開市場操作を拡大。
<株式> 上海総合指数は、短期金利の上昇を受けて下落。
HK Open
High
Low
HK Close
前週末比(※)
USD/CNH
6.6603
6.6971
6.6477
6.6933
+372
USD/CNY
6.6625
6.6782
6.6383
6.6695
+385
6.6652
3,107.38
6.6652
3,112.74
6.6420
3,041.51
6.6488
3,070.31
+277
-37
今週の動向
人民銀行基準仲値
上海総合指数
※USD/CNY,USD/CNHについては pips表示
※USD/CNY,USD/CNHについてはpips表示
今週の動向
CNHフォワード (1yr)
CNH通貨スワップ (3yr)
HK Close
前週末比
今週の動向
HK Close
前週末比
1,245
3.0000%
+58
+0.06%
CNH Hibor (3mth)
CNH金利スワップ (3yr)
2.6780%
3.4000%
+0.077%
+0.05%
【直近相場動向及び見通し】
先週の米ドル/オフショア人民元は、6.65付近から6.697台後半までドル高/人民元安が進行した。中国では、国内の流動性低下を受けた金利上昇が
センチメントを悪化させ、米ドル/オフショア人民元は元安圧力が生じた。弱気派はG20後に人民元安が進んだ場合に利益が出るように、オフショア人民
元の売りポジションを作り始めている。オフショア人民元の1年ボラティリティ(今後1年の予想変動率)は6.6%台から6.9%台へ上昇し、同様にオンショア/
オフショアの人民元スプレッドも+100pips超へ拡大するなど、人民元安のバイアスが強まっていることが示唆されている。米ドル/オフショア人民元の1年
フォワードポイントは、+1200ポイントを超える水準まで上昇した。他では、今後の金融政策に関する発言がないかと、米ジャクソンホールでのイエレン
FRB議長の講演を待つ向きが多く、米ドルについては殆ど方向感が出なかった。
週の半ばにかけてオンショア市場の流動性は低下・金利は上昇したが、これを踏まえ中国人民銀行(PBoC)は公開市場操作の手法を拡大した。
PBoCはリバースレポを通じて2700億元を市場に放出。中でも、今年2月以来となる14日物のリバースレポを実施し、かつインターバンクレポ金利以下
の水準での対応を見せた。急上昇したインターバンクレポ金利を下げるために行ったと見られる。しかし、オンショア市場の流動性低下は市場参加者の
の水準での対応を見せた 急上昇したインターバンクレポ金利を下げるために行ったと見られる しかし オンショア市場の流動性低下は市場参加者の
オフショア市場流動性に対する警戒感を高め、1年オフショア人民元フォワードポイントは+1200ポイント超へ上昇した。
今週の米ドル/オフショア人民元は、6.67から6.72の水準で推移する見通しである。市場では、G20後再び人民元安が進行する動きに備えて、人民元
売りのポジションを再構築する動きがみられる。確かに、7月の中国経済指標は経済の先行きに疑問を投げかける弱い結果であり、この暗い見通しは
中国政府筋に今年後半の人民元安進行の可能性を再確認させるものであったかもしれない。第4四半期における米利上げ可能性も含め、我々はオフ
ショア人民元について従来より弱気な見方に変更している。重要な経済指標では、8月製造業PMIがあるが、7月分の指標の落ち込みを反映して下落が
予想される。
【経済動向】
ポーランド政府は総額30億元、利率3.4%のパンダ債(非居住者による中国国内での元建起債、日本でいうサムライ債)を起債した。この資金は財政支
出に充てられる予定で、その他の支出は2016年の予算に原資が規定されている。恐らくポーランド政府はオフショア市場で米ドル/オフショア人民元の
通貨スワップを用い、起債して調達した人民元を米ドルに交換していると思われ、その動きもあって米ドル/人民元通貨スワップのレートは2-3年のゾー
ンで金利低下圧力がかかった。
<パンダ債起債が3年米ドル/オフショア人民元通貨スワップレートを抑制>
<人民元為替レート推移:ローソク 足、人民銀行仲値;実線>
(出所: Bloomberg, みずほ銀行香港資金部)
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