二世経営者の役割とは 二世経営者の役割とは

Report No. 324023
二世経営者の役割とは
二世経営者の役割とは
Ⅰ.後継経営者が決まる3つの道筋
二世経営者が自らの指揮権を確立する際に、先代から引き継いだ企業体質がどのような
ものであるかは、大変重要な要素である。
先代が睨みを利かせている間は自らの「分」をわきまえてしっかりと守っていたベテラ
ン幹部が、先代の前では絶対に見せなかった顔を時折覗かせるようになったり、時間とと
もに求心力が失われていったり、といったことは多々あることだ。
状況は千差万別だろうが、後継社長が社員の信頼を得る道は1つしかない。それは私心
を投げ捨てて、社業にはまり込むことである。その一途で一生懸命な姿が、幹部以下の社
員の心を動かすことになる。
後継経営者がその地位に就くまでの経緯には、大きく分けて3つのタイプがある。
第1のタイプは、学卒後すぐに現在の会社に入社してほかの会社を知らない者、第2の
タイプは同業他社で厳しい躾や教育を受け、周囲が認める実績を残してから現在の会社へ
入ってきた者。そして、第3のタイプは先代社長の娘婿の場合である。これも二通りあっ
て、先代が見込んで婿入りしてきたケースと、たまたま娘と一緒になって何らかの事情で
経営者を継ぐ羽目になったケースがある。
第1のタイプの場合、先代が元気な時には往々にして親子の間がうまくいっているケー
スが多い。また第2のタイプの場合は、しっかりと引き継いでいるケースが多いように思
う。ただし、これはあくまで「前職で相当のプレッシャーを跳ね返し、評価に値する実績
を残した者」という条件が付いてくる。
そこで、この第2のタイプの二世経営者が企業体質革新と指揮の確立に挑んだ経過のな
かから、中小企業の体質革新のポイントを研究してみたい。
1.四面楚歌の状態からのスタート
M社は、繊維業界のなかで地場開発問屋として商品開発力に特徴を持つ中堅企業であ
る。社員数30名で、社長は大学卒業後に同業他社へ修業に出たあと、M社へ入社した。
入社後は営業担当として新規部門を立ち上げ、その部門は現在では業績の柱になりつつ
ある。
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