中小企業のBCPと事業承継リスクマネジメント

Report No. 332037
中小企業のBCPと事業承継リスクマネジメント
中小企業のBCPと事業承継リスクマネジメント
Ⅰ.中小企業のBCP
1.中小企業がBCPのエッセンスを取り入れるには
東日本大震災が発生して以降、企業には最悪の事態(ワースト・シナリオ)を想定し
た、災害に対するリスクマネジメント(災害危機管理)を遂行する必要性に迫られてい
る。その一環として、BCP(Business Continuity Plan:
事業継続計画)の策定がますます重視されるようになってきた。
だが、策定する上で「中小企業はどのようにBCPを策定すればよいのか」「そもそ
もBCPとは何か」「中小企業に細かいBCPは本当に必要か」「実際に災害が起こっ
た時に役に立つのか」という疑問に突き当たる。
中小企業のBCPについては、経済産業省や中小企業庁が『中小企業BCP策定運用
指針』(2006年2月)、『中小企業BCP(事業継続計画)ガイド』(08年3月)、
『BCP策定のためのヒント』(09年3月)を発表している。
ウェブ上でも公開されており、これらが策定する上で非常に有益なことは確かである。
しかし、多忙を極める中小企業の経営者にとって、それらの中で要求されている項目に
対して、一つひとつ詳細に記述していくことは容易ではない。
中小企業においても、できる限りガイドに沿った詳細なBCPを策定・運用すること
が理想であろう。だが、時間的にも労力の面でもそうした対応が難しい場合、BCPの
最重要ポイントを把握して記しておく、災害時に使える最低限のものに落とし込む、あ
るいは既存の文書や枠組みを災害危機管理に活用するなど、経営者が自社流の災害危機
管理を確立することが大切である。
2.自社に合ったBCPのポイント
そのために、BCPについて整理すべき点を次に挙げる。
<BCPの要点>
『中小企業BCPガイド』によれば、BCPとは「企業が自然災害、テロ攻撃など
の緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限に留めつつ、企業自体の存続
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