中期経営計画による組織風土改革

Report No. 328102
中期経営計画による組織風土改革
中期経営計画による組織風土改革
Ⅰ.中期経営計画の基礎知識
1.中期経営計画の重要性
企業活動を行っていく上で、経営計画の策定と方針の周知徹底は必要不可欠である。
経営計画は期間によって、大きく長期・中期・短期と分類される。長期では7~10年
程度、中期では3~5年程度、短期はその期1年の単年度、という具合である。
日本が右肩上がりの経済成長を享受できていた時代、10年間の長期経営計画を策定
する企業も多く、30年の超長期経営計画を公表する企業もあった。しかし環境変化が
激しく、長期のデフレに伸び悩む近年において、長期経営計画は形骸化することが多い
ため、大企業を含め中期経営計画にシフトしている。この一寸先さえ見えない経営環境
においては、「中期の経営計画さえ無意味だ」と公言してはばからない経営者もいる。
逆に、中期経営計画の重要性を理解しながらも、策定するノウハウやスタッフが不足
している中小企業では、単年度の予算組みしかできないケースも多い。
経営のバックボーンシステムの中で、中枢となるこの中期経営計画の策定と実行プロ
セスは、組織の思考様式と行動様式をコントロールし、組織風土の醸成に大きな影響を
与える。まず、この中期経営計画を軸に組織風土改革を実施した企業の事例を紹介する
に当たり、中期経営計画の基礎知識について詳述する。
2.中期経営計画策定の目的と意義
グローバリズムと情報技術の急激な進展によって、経営環境の変化のスピードは驚く
ほど速く、インパクトも大きくなっている。人口1200万人にも満たないヨーロッパ
の小国・ギリシャのソブリンリスクが全世界の経済情勢の大きな影響を及ぼすほど、グ
ローバル化は進展している。来月の経営環境も予測できないような状況下で、3~5年
先を見据えた中期の経営計画は現実的ではないとする見解にも、少なからず納得できる
部分がある。
しかし、このような先が見えない経営環境だからこそ、中期経営計画の重要性が増す
のである。誰もが不確実性の高い将来に不安を感じているからこそ、経営者は組織メン
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