事業承継計画を見直すためのポイント

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事業承継計画を見直すためのポイント
Index
1 最初に確認すべきこと∼経営者の覚悟∼
2 事業承継の主な方法と事業承継計画の基本要素を
確認する
3 「経営の承継」のポイント
4 「資産の承継」のポイント
5 「関係者の理解を得る」際のポイント
Business Report
1 最初に確認すべきこと∼経営者の覚悟∼
事業承継は、中小企業、特にオーナー企業にとって重要な経営課題です。事業承継を
円滑に進めるためには、さまざまな対策を講じることが重要であり、相応の期間も必要
です。そのため、事業承継は早めに計画を立て、取り組みを進めていくことが大切です。
また、一旦、計画を立てた後も、税制や関連制度の改正動向や後継者育成の状況などを
勘案しつつ、定期的な見直しも忘れてはいけません。
しかし、その前に確認すべき事項があります。それは、「経営者自身に事業承継と向
き合う覚悟があるか」ということです。経営者の引退は、経営者以外の第三者が決める
ことはできません。そのため、事業承継計画を考えるということは、「経営者が自分自
身の引退への道筋を考える」ということになります。
「経営者を引退するときは必ず来る」ということは、頭では理解できても心理的な抵
抗感を覚える経営者は少なくないはずです。また、経営者の目には、後継者はいつまで
たっても心もとなく見えるもので、「経営を任せるには、まだ時期尚早だ」という思い
もあるでしょう。
しかし、こうした経営者の思いは、時として事業承継の障害となることもあります。
例えば、事業承継協議会 事業承継ガイドライン検討委員会「事業承継ガイドライン(平
成1 8 年6 月)」では、次のようなケースが紹介されています。
【高齢の会長が実権を握り、社長への経営委譲が進まないケース】
中小同族会社の創業者である会長A は現在8 5 歳であり、社長B (A の長男)は6 0 歳。株式
保有比率は、A が5 1 %、A の妻が1 5 %、B が1 0 %という状況であり、A が未だに経営の最終
決定を行っている。B は社長就任後1 0 年程度経過しており、経営権を委譲して欲しいと
常々思っていたが、なかなか言い出せずにいた。ある日、B は意を決して、メインバンク
X を訪れ、A が保有する株式の計画的委譲を促すため、税法上の株価概算評価額をA に説明
してほしいと依頼。ところが、X に対してA は、B との経営方針対立等を理由に、会社売却
の意向を示すという事態に陥ってしまい、トラブルが悪化。
(出所:事業承継協議会 事業承継ガイドライン検討委員会
「事業承継ガイドライン(平成1 8 年6 月)」)
こうした事態を避けるためにも、「経営者自身が円滑な事業承継の障害になり得る」
という事実を認識した上で、事業承継への取り組みを本当に進める覚悟があるか否かを、
自身に問い掛けてみましょう。
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