ご参考資料 Vol. 136 (対象期間:2016年8月15日~2016年8月26日) インド株式は海外からの資金流入を背景に上昇基調を続けています。対象期間中は、代表的株価指数のSENSEX指数は 1.3%安でしたが、ボンベイ中型株指数は1.9%高、同小型株指数は2.2%高で、ともに史上最高値を更新しました。10年国債利 回りは8月に入って一時2009年9月以来の水準に低下(価格は上昇)しましたが、対象期間中は小幅に上昇(価格は下落)しま した。為替市場では、インドルピー安となりました。インド政府は、9月に任期切れとなるインド準備銀行(RBI、中央銀行)のラ ジャン総裁の後任にパテル副総裁を充てると発表しました。詳しくは、2ページ目の基礎講座をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] (2002年12月31日~2016年8月26日) 週間騰落率 日付 終値 (ポイント) (前週末比) 40,000 8月12日 28,152.40 8月19日 28,077.00 -0.3% 8月26日 27,782.25 -1.0% 30,000 株式市場で上昇が目立ったのは中小型株でした。対象期間中の 上昇銘柄は、SENSEX指数が30銘柄中11銘柄であったのに対し て、ボンベイ中型株指数は82銘柄中56銘柄、同小型株指数は758 銘柄中490銘柄でした。SENSEX指数は2月11日に付けた年初来 安値から8月26日まで21.0%上昇しましたが、同期間にボンベイ中 型株指数は34.1%、同小型株指数は27.4%上昇しています。 20,000 [債券市場] インド10年国債利回りは、RBIの次期総裁に金融緩和に積極的な 人物が選ばれるとの見方を一因に低下(価格は上昇)傾向でした が、インフレ抑制を重視するとみられるパテル副総裁が次期総裁 に選ばれると一時的に上昇しました。しかし、その後はRBIの市場 改革発表を受けて再び低下し、対象期間を通して見ると小幅上昇 に留まりました に留まりました。 10,000 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2016年8月26日) 10% 日付 利回り 8月12日 8月19日 8月26日 7.10% 7.10% 7.13% [為替市場] 変化幅 (前週末比) 0.00% 0.03% 為替市場では、円高が進む中で一時1インドルピー=1.49円を割り 込む水準までルピー安が進みました。対象期間を通して見ても 1.9%の円高ルピー安となり、対米ドルでも、0.3%のルピー安とな りました。 [ニュース] 9% 独立記念日首相演説:構造改革の成果を語る 8% 7% 6% 5% 政治 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 [為替市場]インドルピ の対円レ トの推移 (2002年12月31日~2016年8月26日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 8月12日 8月19日 8月26日 1.527 1.495 1.498 週間騰落率 (前週末比) -2.1% 0.2% RBI、市場改革策を発表 2.5 2.0 1.5 インドのモディ首相は8月15日の独立記念日に演説し、 数々の規制緩和や物品・サービス税(GST)など、首相 就任から2年余りに進めてきた構造改革の成果につい て語りました。インフラについては、地方の道路整備の ペースを1日あたり70~75kmから100kmに速めるなど、 開発の加速を強調しました。マクロ経済運営について は、前政権下で一時10%を超えたインフレ率の大幅な 低下について語りました。さらに、ビジネス環境ランキン グにおける順位の上昇や直接投資先として最も選好さ れる国となったことなどを挙げて、構造改革の成果が世 界銀行や国際通貨基金(IMF)、格付け機関など、海外 からの評価向上につながっていると自信を示しました。 金融 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 RBIは8月25日、債券・為替市場の改革策を発表しまし た。RBIによる金融調節手段のひとつであるLAF(流動 性調節ファシリティ)における適格担保の範囲(現状は 国債と州開発ロ ンに限定)を社債まで拡大することを 国債と州開発ローンに限定)を社債まで拡大することを 求めるほか、銀行に資本増強やインフラ・住宅のための 資金調達を目的としたインドルピー建て債券の海外で の起債を認める提案などが盛り込まれています。参加 者の拡大や流動性の向上、意思疎通の改善などによ り、市場の機能を高める狙いがあります。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.136(対象期間:2016年8月15日~2016年8月26日) [インド基礎講座] インド準備銀行(RBI、中央銀行)新総裁にパテル副総裁:ラジャン総裁の路線を継承か インド政府は8月20日、9月4日に退任するラジャンRBI総裁の後任にウルジット・パテル副総裁を充てると発表しました。ラジャン総裁はインフ レ抑制に強い姿勢を示して就任直後の2013年9月から翌年1月にかけて政策金利を7.25%から8.00%に引き上げましたが、インフレが鈍化す ると金融緩和に軸足を移して今年4月までに政策金利を6 50%に引き下げました(図表1)。また、消費者物価指数(CPI)上昇率は金融政策 ると金融緩和に軸足を移して今年4月までに政策金利を6.50%に引き下げました(図表1)。また、消費者物価指数(CPI)上昇率は金融政策 の効果などで、2013年11月の前年同月比+11.51%から大きく鈍化し、2016年1月までに6%を下回るという目標は達成されました(図表2)。次 期総裁となるパテル副総裁はラジャン総裁の下で金融政策を担当し、政府とのインフレ目標(+2~6%)の策定などにかかわっており、ラジャ ン総裁の路線を継承して、当面はインフレの抑制を重視すると考えられます。モディ首相も8月15日の独立記念日の演説でインフレ目標の合 意について言及しています。今回のRBI新総裁発表前には、金融緩和に積極的な成長重視派が次期総裁に選ばれるとの見方がありました が、パテル氏の指名はモディ政権がインフレ抑制も重要視していることの表れとみられます。 (図表2)CPI上昇率(前年同月比)の推移 (2013年1月~2016年7月) (図表1)政策金利の推移 (2013年9月以降) 決定日 政策金利(変更前⇒変更後) 12% 2013年9月20日 7.25% ⇒ 7.50% 11% 10月29日 7.50% ⇒ 7.75% 2014年1月28日 7.75% ⇒ 8.00% 2015年1月15日 8.00% ⇒ 7.75% 7% 3月4日 7.75% ⇒ 7.50% 6% 6月2日 7.50% ⇒ 7.25% 9月29日 7.25% ⇒ 6.75% 2016年4月5日 6.75% ⇒ 6.50% 13年11月 11.51% 10% 9% 8% 5% 16年1月 16年7月 6 07% 6.07% 5.69% 2016年1月までの 目標(6%以下) 4% 3% 13年1月 14年1月 15年1月 16年1月 出所:上記の図表はいずれも、インド準備銀行のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2016年3月末現在、総資産は約7兆2,069億ル す 弁 展 す 銀 、 設 、 月 、 資産 約 , ピー(約12兆2,301億円、1ルピー=1.697円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆9,329億ルピー(インド におけ るシェア約13.4%、2016年4-6月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更したり修 したりする あります。また、将来 市場環境 変動等を保証するも はありま 。当資料 使用し るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではあり ません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ず しもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいた ものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 160830(04)
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