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日独経済シンポ「インダストリー4.0」に
300人 コピーライト: Paul Esser
デュッセルドルフの「日本デー」での日独経済シンポジウムに日独企業関係者等お
よそ300人が参加。具体的事例が多く紹介され、「インダストリー4.0」への理解が
深まったと成功裏に閉幕
今年のテーマは「インダストリー4.0とデジタル革命の実現可能性 日独企業の新しいビジネスモデル」。去る5月23日、NRW州経済エネルギー省次官
ホーゼツキーが開幕し、「日独のたゆまぬ経済交流をさらに深化させ、今後も相互
協力をより緊密にしていきたい」と抱負を述べた。
シンポジウムでは日独双方の6企業 - Cumulocity、三菱電機、ベッコフ・オート
メーション、ボーダフォン、ルネサス・エレクトロニクス、富士通テクノロジーソ
リューションズ - から「インダストリー4.0」の導入事例が紹介された他、日本
企業が従来から自社内あるいは系列内で取り組んできたIoT/スマートファクトリー
の諸例も挙げられ、産業界全体での実装が本格的に進んでいることを改めて確認し
た。
NRW.INVEST プレスリリース(ドイツ語)
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NRW.INVEST News 2016-05
キヤノン・ドイチュランド社がドイツ本社を
強化
コピーライト: CANON
キヤノン・ドイチュランド社は、ドイツ本社機能を州内のクレーフェルトに集中さ
せる。これによりクレーフェルトの総従業員数はおよそ650人となる。2016年12月
に新たな社屋をオープン
今回、クレーフェルトを選択した理由として、同市の抜群の地理的条件、整備され
たインフラ、さらに市との良好な協力関係が挙げられる。加えて、約22万人の市民
が暮らすクレーフェルトの将来有望な発展が決定的となった。
同社が拠点を集約するフィヒテンハイン・ユーロパークの社屋は改築・改修され、
本年12月にオープンする計画。同社が掲げる「Expect the
exceptional」というスタッフ・ブランディングのもと、キヤノンは技術革新的な企
業であるばかりか、従業員に未来志向の労働環境を提供することを声高に謳ってい
る。そのため、複数のウィングが扇状に広がった個性的な建物は「リビング・オフ
ィス」のコンセプトの下にデザインされた。内部は創造性とコミュニケーションを
育む最適な環境を提供している。特に、複数のウィングが繋がる空間は、コーヒー
ラウンジや透明感溢れる会議室など、多目的空間として使用され、同時に様々な部
署の従業員がプロジェクトに共同参加できるよう十分なスペースを提供している。
こうしてキヤノンは純粋なるハードウェア・メーカーを脱し、オフィスのトータル
・デジタルソリューションのプロバイダーへと変革を実現している。実際、デジタ
ルオフィス部門は最大の売上高比率を有し、建築コンセプトにもその変革路線が表
現されている。
このモダンなコンセプトの他にも、新しいアイディアが随所に見られる。例えば、
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NRW.INVEST News 2016-05
一階には様々なイベントに使用できる260席の近代的コンベンションセンターや、
顧客・ビジネスパートナー・ビジター向けの体験センターが設けられている。ここ
では当然のことながら、斬新なプレゼンテーション・インターアクション機器を駆
使し、最新テーマ・開発活動・プロジェクトが紹介される。
参考:WFG-Newsletter 2016年4月
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DMG
MORI社 積層造形で増益 ポルシェと提携
も
コピーライト: By Kholoudabdolqader [CC BY-SA 4.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via
Wikimedia Commons
ドイツのDMG
MORIi社は積層造形装置の開発・製造に積極的だ。2015年の同社グループの売上高
および税引前利益のプラス成長にも大きく貢献
NRW州オスト・ヴェストファーレン地方のビーレフェルトに拠点を置くDMG
MORI社(DMG森精機株式会社の子会社)は、ヨーロッパ最大の工作機械メーカー
だ。同社は近年、鉄・アルミニウム・チタンなどの素材を高温で溶融するレーザー
積層造形装置に力を入れている。ワークは溶融された後、同じ装置でフライス・穴
加工される。こうして、これまで6週間以上かかっていた加工期間を1日まで劇的
に短縮することが可能となった。積層造形装置はDMG
MORI社の中でも最も成長著しい分野だ。
積層造形装置は、現在、軽量・剛性特性、ならびに加工時間短縮を求める産業全般
で活用されているが、その代表的な産業は航空宇宙や自動車産業である。DMG
MORI社はポルシェ社のスポーツカー部と協力し、ル・マン24時間耐久レースに向
け、レーシングカー919の改善に携わっている。
従来の生産方法に比べ、積層造形技術はワークの品質向上にも貢献する。さらにロ
ットが100個以下でもこの3D加工技術を活用することで、コストも改善する。目覚
ましいレーザー技術の発展を背景に、将来、レーザー積層造形装置を利用し、高い
安全性が求められる飛行機部品やエンジン全体も加工できると期待されている。工
作機械産業の景気のサイクルに左右されないためにも、同社は積層造形装置にさら
に力を入れていく意向だ。積層造形装置の生産開始から、DMG
MORIグループは、2015年、147年の創業の歴史で、最高の業績を達成した。売上
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高は23億ユーロ(前年比プラス3%)、また税引き前利益は2億1700万ユーロ(前年
比プラス25%)を記録した。
出典:ハンデルスブラット 2016年3月15日付け
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ビール純粋令から500年:ピンクス・ミュラ
ー醸造所
200年の歴史を誇るNRW州北東部ミュンスターのピンクス・ミュラー醸造所。オー
ガニックビール醸造の草分けは、今も高い品質にこだわり、誇りを持って小規模経
営を続けている
ミュンスターにはかつて約150のアルトビール醸造所があった。しかし、今残って
いるのは唯一、ピンクス・ミュラー醸造所だけだ。1816年の創業時からミュラー家
が経営し、現在は6代目。醸造所のみならず、麦芽工場と隣接するユニークなレス
トラン一体が、ミュンスター市街地のクロイツ通りにある。
<歴史>
創業者のヨハネス・ミュラーは1816年、ミュンスターにアルトビール醸造所とパン
屋を開業した。息子のカールが事業を継ぎ、パン屋を廃業して、同じ場所に麦芽製
造所を建てた。そして妻のフランツィスカが併設レストランを仕切り、その後、事
業所は常に刷新・拡大していった。
<オーガニックビールへの転換>
1978年に初めて有機穀物からビールを醸造。これは当時まだ非常に斬新な手法で、
ドイツ初のオーガニックビールの高い品質に確信を抱いた当主のハンツ・ミュラー
は、オーガニックビール生産の続行を決断。そして原材料を徐々に有機に切り替え
て行った。1991年、ピンクス・ミュラー醸造所は有機原材料だけで作るオーガニッ
クビールに完全に切り替えた。この年から使用する穀物と麦芽は100%有機となっ
たのだ。1970年代末、オーガニックビールへの切り替えと時を同じくして、輸出事
業を開始。まずアメリカへのスペシャルビールを皮切りに、オーガニックビールを
イギリス、フランス、イタリア、オランダおよびスペインに出荷し始めた。1994年
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からは日本への輸出もスタートした。今や輸出率は約12%に上昇している。
<現在の醸造所>
1998年、ハンツ・ミュラーの末娘で、醸造学修士号を持ち、醸造マイスターである
バーバラ・ミュラーが経営に参加。その後、数年間で醸造所とレストランを担当す
るようになった。バーバラは醸造所エンジニアの資格をもつ夫と共に、ビールの高
品質を維持するために、日夜努力し続けている。
現在もまだ14種類しかない同社のビールはニッチな製品といえる。ただ、それで構
わないと2人のオーナー経営者は自信をのぞかせる。なぜなら重要なのは拡大より
品質だからだ。高額な資金を投入するマーケティングや宣伝はほとんど行わず、敢
えて小規模経営を狙っている。そうすることで新種の研究・開発を行う余裕が生ま
れるからだ。2人は小規模を維持するゆとりこそが大切と考えている。
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2016年4月NRW.BANK.ifo景況感指数 (速報)
コピーライト: NRW.BANK
景況感は回復方向へ。現況評価は前月比で若干下降したものの、先行きへの期待指
数が大きく改善。景況感指数の伸びを支えた
4月のNRW.BANK.ifo景況感指数は2ヶ月連続で大幅な改善を見せた。現況評価は前
月に示された評価ほど高いプラスではなかったが、6ヶ月間の先行き動向への悲観
的見方は極めて限定的だった。
製造業の景況感は4月更に改善した。直近の2ヶ月間とは異なり、指標は再びプラス
領域に入った。現況を良好と判断した企業は前月比で減少したものの、先行き動向
では前月比でポジティブな観測が増加した。建設業の景況感は4月悪化。企業は現
況を「曇り空」と評価した。また今後の展望も懐疑的な見方をが再び強まった。小
売業では前月の先行き不透明な景況感から脱し、4月は若干改善した。現況に対す
る満足度は再び増加し、先行き動向についても悲観的な見方が前月比で減少した。
卸業の景況感は前月比で明るさが増した。現況評価は前月ほど良くはなかったが、
先行き動向に対し、再びプラス評価が強まった。
NRW州の景況感指数(季節要因調整済)
月/年
05/15 06/15 07/15 08/15 09/15 10/15 11/15 12/15 01/16 02/16 03/16 04/16
景況感指数
6.7
5.1
5.3
7.5
6.2
9.0
6.3
7.7
2.9
-1.3
0.3
2.7
現況
8.4
8.7
11.5
11.3
8.0
12.5
10.1
10.1
8.5
5.3
9.2
6.7
期待
指数
4.9
1.6
-0.7
3.7
4.5
5.5
2.5
5.4
-2.6
-7.7
-8.2
-1.3
出典:NRW.BANK
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NRW.INVEST News 2016-05
フラウンホーファーのパフォーマンスセンタ
ー3拠点がNRW州に新設
コピーライト: Fraunhofer / Ines Escherich
NRW州に3つのフラウンホーファー・パーフォーマンスセンターが新設。またパー
ダーボーンのメカトロニクス施設もフラウンホーファー研究所に格上げ予定。
NRW州クラフト首相は「イノベーション拠点NRW州への明確なシグナル」と歓迎
フラウンホーファー研究所が新設する15のパーフォーマンスセンターのうち、3つ
がNRW州に設置されることが発表された。その3拠点は、アーヘン、ドルトムント
およびオーバーハウゼンである。
パーフォーマンスセンター・DYNAFLEX PRO
(オーバーハウゼン):エネルギーや素材を取り巻く環境は大きく変化
している。同センターではエネルギー・化学産業が今後、変化に適応
していくための基礎的科学を研究する。この研究活動がエネルギーシ
フトを成功へ導き、また将来を見据えたNRW州のエネルギー・化学産
業の確立にも貢献するはずだ。
● パーフォーマンスセンター・ネットワーク・アダプティブ・プロダク
ション(アーヘン):エネルギー、モビリティ、医療およびバイオテク
ノロジー分野でのデジタル生産について研究する。これは特にNRW州
政府のデジタル戦略の目標を達成する上で重要な役割を果たす。
● パーフォーマンスセンター・ロジスティクス・IT
(ドルトムント):特にクラウドコンピューティングを駆使したロジス
ティクスのデジタル化が中心テーマとなる。これもNRW州政府のデジ
タル戦略に掲げられている重要なテーマだ。
●
またパーダーボーンにあるフラウンホーファー・メカトロニクスデザイン技術施設
(IEM)に関しても朗報が届いている。今後も成果を上げ続ければ、「フラウンホ
ーファー研究所」に格上げされる見通しだ。
NRW州クラフト首相はNRW州エッセンで開催されたフラウンホーファー年次総会
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でこの朗報を紹介し、「州政府としてNRW州に14番目のフラウンホーファー研究
所が設置される計画を非常に嬉しく思う。2017年に、パーダーボーンのメカトロニ
クス施設が研究所というステータスを得れば、しばらくフラウンホーファー研究所
の新設がなかっただけに、まさに光栄なこと。また新設の3つのフラウンホーファ
ー・パーフォーマンスセンターでは、それぞれインダストリー4.0、エネルギーシフ
ト、およびインテリジェント・ロジスティクスの研究が行われる。この研究活動を
通じて製品の実用化への貢献が期待される。これはフラウンホーファー協会にとっ
ても、イノベーション拠点NRW州にとっても、将来に向けて重要なシグナル。」と
、述べた。
新設のパーフォーマンスセンターの予算は2000万ユーロ強。NRW州と経済界が各
々40%を、そして残りの20%をフラウンホーファー協会が拠出する。
出典
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NRW.INVEST News 2016-05
NRW州の the
Best 企業インタビュー動画 日本語字幕付
コピーライト: NRW.INVEST GmbH
それぞれの分野でグローバル・リーダーとして事業展開するNRW州の the
Best 企業のインタビュービデオが、Youtubeに公開されている。4月号で紹介した
日本語字幕付き動画5本に続き、今号では残りの5本を紹介する
NRW州の立地マーケティングキャンペーン「Germany at its
Best」のパートナー企業や研究所/機関と共に、デュッセルドルフの
NRW.INVEST社(NRW州経済振興公社)がプロモーションビデオを制作した。
NRW州に立地するグローバル・リーダー企業のトップ等がインタビュー形式で、自
社とNRW州をPR。Youtubeに公開されている日本語字幕付きの動画10本のうち、
下記5本(各々1分半強)をご紹介。是非閲覧ください。
1. Gamescom (ケルンで開催される世界最大のエンターテーメント見本市と、出展社エレクトロ
ニック・アーツ社の紹介)
2. AUNDE (自動車や航空機メーカーにシート素材を供給するアウンデ社。NRW州が得意とす
る繊維・アパレル産業を背景にグローバル企業へと発展)
3. Dornbracht (高級サニタリー製品メーカー「ドンブラハ」は常にデザイン最優先で製品を生み出
している)
4. SAERTEX (プラスチック強化複合材のマーケットリーダー。「従業員の力こそ企業の力」と
熱く語る)
5. アーヘン工科大学 (ドイツで最も受託研究件数が多い大学。新キャンパスは科学のホットスポットを
目指し、バイエルやフォード、E.ON等の企業と共同研究を進めている)
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