短期予報解説資料1 2016年 8月14日15時40分発表 気象庁 予報部

短期予報解説資料1 2016年 8月14日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①台風第 6 号は、
日本の東を北西
進。
組織的な対流雲のまとまりは
弱いが、最大風速 45ktを維持。
海面水温 26℃以下の領域に入り
つつある。
②台風第 7 号は、
中心の北東側に
活発なCb域を伴っており発達中。
③アムール川中流の寒冷渦
(300hPaで -39℃以下)
の南側に
トラフがあり、
中国東北区の暗域
の広がりに対応。
このトラフ前面
にあたる黄海から日本海西部に
かけて局地的に対流雲が発達。
日
本海西部には低気圧を解析。
④三陸沖や日本の南には 300hPa
-33℃程度の寒気を伴う寒冷渦があり、水蒸気画像で回転が見られる。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
①台風第 6 号は、低い海面水温の領域に入りゆっくりと衰弱しながら明日午後には温帯低気圧に変わ
る見込み。一方、台風第 7 号は、高い海面水温の領域を北上しながら発達、15 日後半以降に暴風域を
伴いながら小笠原諸島に接近する。1 項③の低気圧は、同行のトラフとともに日本海を東進するが、ト
ラフが先行して 16 日には北日本に接近しながら次第に衰弱する見込み。
②台風第 6 号は、温帯低気圧に変わりながら 15 日午前中には北海道に接近する。北海道では非常に激
しい雨の降るおそれ。15 日にかけ、うねりを伴った高波や低い土地の浸水や土砂災害などに警戒、河
川の増水やはん濫、強風、落雷や突風に注意。台風通過後も、南から下層の湿りが流入しやすい気圧
配置となり、1 項④の三陸沖の寒冷渦が接近するため、雨の降りやすい状況が継続することに留意。
③台風第 7 号は、15 日後半以降暴風域を伴いながら小笠原に接近する。小笠原では、暴風、高波に警
戒、落雷、突風、短時間強雨に注意。
④1 項③の日本海の低気圧周辺には 850hPaθe 345K 前後の下層暖湿気が流入、同項のトラフや 1 項④
の三陸沖の寒冷渦の影響で大気の状態が不安定となる。北~西日本では 15 日にかけ、山沿いを中心に
落雷、突風、短時間強雨に注意。
⑤1 項④の寒冷渦の接近もあり、南西諸島では引き続き 15 日にかけ、落雷や突風、短時間強雨に注意。
3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新 GSM を基本、雨や風の予想は MSM も参考。②潮位:
台風接近時の吸い上げと吹き寄せによる潮位上昇に留意
4.防災関連事項 [量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北海道 150mm。2 項
の短時間強雨に注意。②波浪(明日まで):北海道・小笠原諸島 6、東北 3m。
5.全般気象情報発表の有無 「台風第 6 号に関する情報(総合情報)
」を 17 時頃に発表する予定。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。