NBADが合併を公表-格付への影響は限定的

NEWS RELEASE
2016年7月6日
NBADが合併を公表-格付への影響は限定的
National Bank of Abu Dhabi(NBAD、発行体格付=A+)と First Gulf Bank(FGB)の取締役会は 3 日、
両行の合併を株主総会に提案することを決めたと発表した。NBAD は総資産でアラブ首長国連邦(UAE)
第 2 位、FGB は同第 4 位だが、合併後の総資産は 1750 億ドル(2016 年 3 月末)となり、UAE だけでなく、
中東及び北アフリカ地域で最大の銀行となる。合併は規制当局などの承認を前提に、2017 年第 1 四半期
の完了を予定している。
存続会社は NBAD となり、FGB は同社に吸収される。合併は株式交換により行われ、FGB の株主には新
NBAD の株式が交付される。FGB の株主は新 NBAD 株式の 52%を取得し、
旧 NBAD の株主は 48%を取得する。
旧 NBAD の約 70%を保有するアブダビ首長国のソブリンウェルスファンドであるアブダビ投資評議会
(ADIC)は新銀行株式の 33.2%、アブダビ政府関係機関は 3.7%を保有する。なお、アブダビの首長一
族は FGB 株式の過半数を保有しており、政府、政府関係機関及び首長一族は新銀行株式の過半数を保有
することになる。
合併後の銀行は旧NBADと同様、引き続き政府の幹部が取締役を兼務するなど人的な関係も強く、貸し
出しや預金など事業上の関係も強い。合併後も実態的な政府との関係の強さには変化がないとR&Iはみて
いる。
旧 NBAD はホールセール向け銀行業務に強みがある。一方、FGB はコンシューマー向け銀行業務に強み
があり、コンシューマー向けのローン残高は UAE 最大である。両者の強みを活かすとともに、経営効率
化によるシナジー効果でコスト削減を進めることができれば、収益力を一段と強化できる可能性がある。
また、合併後の Tier1 比率や預貸率は旧 NBAD と比べて大きな変化はない。合併の進捗状況、FGB の資産
の質やリスクプロフィール、合併後のリスク耐久力などへの影響を見極めた上で、格付に反映する。
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