歴史的な街並みを保全する道路整備(PDF形式:447KB)

平成27年調査
タイトル
歴史的な街並みを保全する道路整備
団 体 名
石川県
062
まちづくり
義務付け・枠付けの見直し
人 口
1,163,380 人
○
事 例 の
ポイント
石川県では、伝統的建造物群保存地区の沿道において、歴史的建造物が建ち、
歴史的な街並みを形成しており、道路整備を行う際、その保全が課題となってい
た。
○ 第 1 次一括法による道路法の改正により国の基準が「参酌すべき基準」とされ
たことを踏まえて、平成 24 年 12 月、「道路構造基準等を定める条例」を制定。
(平成 25 年 4 月施行)
○ 伝統的建造物群保存地区などにおいて、歩道の最小幅員や警戒標識の寸法に係
る独自の基準を定めたことにより、沿道の歴史的建造物を保全した道路整備が可
能となった。
石川県は、伝統的建造物群保存地区の沿道において、歴史的建造物が建ち、歴史的
な街並みを形成している。これらの地区において、道路構造令の基準で歩道や警戒標識
の整備を行うと、沿道にある寺院の塀などを取り壊したり、周辺と調和しない色彩の標識が
背景・目的
目立ち過ぎたりするため、歴史的な街並みが喪失し、景観が阻害される懸念があった。
そこで、伝統的建造物群保存地区などにおいて、沿道の歴史的建造物の保全と道路整
備の両立を図るため、条例で歩道の幅員や警戒標識の寸法を緩和する基準等を制定。
内
容
従来、道路構造令の基準では、歩道の最小幅員は 2.0m 以上、警戒標識の最小寸法は
一律の 45cm 角とされていた。
第 1 次一括法による道路法の改正により国の基準が「参酌すべき基準」とされたことを踏
まえて、平成 24 年 12 月、「道路構造基準等を定める条例」を制定(平成 25 年 4 月施行)。
伝統的建造物群保存地区などにおいて、歩道の幅員を 1.5mまで縮小を可能とし、また、
警戒標識の寸法をこれまでの 2/3 の 30cm 角まで縮小を可能とした。
基準を定めた条例を企画立案する際、歴史的な街並みの保全と歩行者の安全確保の
両立に苦慮したため、道路利用者(警察、消防、関係団体)へのアンケートの実施に加え、
学識経験者からの意見聴取も実施し、慎重に検討した。また、歴史的な街並みの保全に
は市町との調整も必要になるため、市町の担当者を含めたワーキングを開催し、内容の検
討を行った。
歩道の最小幅員の縮小(例)
効
果
担 当 課
関連サイト
重要建造物の取壊しや移転が必要
警戒標識の寸法の縮小(例)
無電柱化を進めている県道(金沢鶴来線)において、新たな基準を適用し、歩道幅員を
縮小した道路整備を実施している。このことにより、沿道の寺院の塀などを移設する必要が
なくなり、歴史的な街並みや沿道建物、景観等を保全することが可能となった。
石川県土木部道路建設課
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/douken/index.html