小林市水資源保全条例の制定(PDF形式:346KB)

平成27年調査
環境・衛生
タイトル 小林市水資源保全条例の制定
団 体 名 小林市(宮崎県)
172
自主条例の活用
人 口
48,484人
○
小林市は名水百選に選ばれた、出の山湧水をはじめとする優良な水資源
を有する。水資源は市民共通の貴重な財産であるとの観点から、市、市民、
事 例 の
事業者等が協働してその保全に努める「小林市水資源保全条例」を制定。
ポイント
○ 条例の制定により、湧水に関する市民意識の向上及び市内外水販売業者
の計画性の低い事業展開の抑制に寄与。
当市では、水販売事業所や福祉施設の建設等が活発化し、水の汲み上げが行われて
いる地域を中心に水源からの湧水量の減少傾向がみられるなど既存の水資源の活用に
支障が生じることとなった。また、近年の水ビジネスの過熱を受け、海外資本等による湧水
地の購入・開発に関する不確実な情報が流布し、水資源枯渇の不安が一層高まった。そ
背景・目 的
のため、新規の掘削等に条例による規制を設けることで、取水に制限を加えることが必要と
なった。
そこで、平成 23 年 7 月に「小林市水資源保全条例」を制定(平成 23 年 10 月施行)。水
資源は市民共通の貴重な財産であり市民の健康的で快適な生活環境を確保することで広
く福祉の増進が発揮できるよう市、市民、事業者等が協働して有効な利用に努め、未来に
わたり保全を図る必要があるとの考え方を明文化した。
(条例の特徴)
地下水を採取しようとする者に、井戸設置に対し事業内容の申請を課し、小林市水資源
保全審議会の審議を経た上での許可を規定した。これにより、新規の井戸掘削のための
内
容
手続を明確化し、土地取引の情報収集や乱開発に対する抑止効果を期待している。
(その他の水資源確保の取組)
今後の湧水地確保のため確実な湧水量の把握が必要となる。その手段として、委託事
業で市内 13 か所での調査を継続的に実施し年度毎のデータを蓄積することとした。また、
本年度から放射線同位体計測法を用いた年代測定も行っている。
制定後は、農畜産業に関する申請は続いているものの、水販売業者の申請はなくなっ
ており、新規開発の制限に効果があったと考えている。
また、霧島山を取り巻く鹿児島・宮崎両県の 5 市 2 町から構成される「環霧島会議」にお
効
果 いても同様の条例を制定する自治体が出て来ている。各自治体の水資源に対する取組が
活発になることで、水資源保全の相乗効果が期待できる。
湧水量調査及び年代測定調査を継続して実施しデータを蓄積することと、降水量調査
の結果を併用することで、将来の湧水量の予測が可能となる。
担 当 課 小林市市民生活部生活環境課
関 連 サイト http://cms.city.kobayashi.lg.jp/display.php?slist=0012