情報科学⼊⾨(⼤⻄) ⼩テスト(2015 年6⽉ 23 ⽇) 所属 学籍番号 ⽒名 1. n通りの値(x1, x2,.., xn)を取りうる離散確率変数 X がある. Pr[ X x i ] p i (i 1,2, , n) として,下記の問に 答えよ. (1) 確率変数 X の平均情報量,すなわちエントロピーH(X) の計算式を⽰せ.(7点) 答え n H ( X ) pi log 2 pi i 1 (2) H(X)が最⼤となる時の Pr[ X x i ] p i (i 1,2, , n) と,H(X)の最⼤値を⽰せ.(7点) 答え 2. P( xi ) 1 n (i 1,2, , n) n の時に最⼤となり,最⼤値は H (X ) 1 i 1 図のマルコフ情報源について,下記の問に答えよ. 2 1 log 2 n n 0/0.6 1/0.8 1/0.4 (1) 状態遷移確率⾏列Pを⽰せ.(5 点) 答え n log S1 0.6 0.4 P 0.2 0.8 S2 0/0.2 (2) 定常状態確率 P(S1), P(S2)を求めよ.解の導出過程を記 すこと.(5 点) 答え 0.6 P(S1)+ 0.2 P(S2) = P(S1), P(S1) + P(S2) = 1 より P(S1)=1/3, P(S2)=2/3. (3) 情報源エントロピーH(S)を求める数値の⼊った式を⽰せよ.(5 点) 答え H(S) = 1/3* H(0.4)+2/3* H(0.2)= 2/3* 0.97+1/3* 0.72=0.89. 3. 次式の⽣起確率を持つ記憶なし情報源 S={a,b,c,d,e}について下記の問に答えよ. P(a) = 0.3 , P(b) = 0.25 , P(c) = 0.16 , P(d) = 0.15 , P(e) = 0.14 (1) 2元ハフマン符号をつくれ.ただし,確率の⼤きい⽅に,"1"を割り当てること.解の導出過程を記すこと.(7 点) a:11, b=01, c=00, d=101, e=100 a 0.3 b 0.25 1 c 0.16 d 0.15 1 1 e 0.14 (2) 平均符号⻑ L を求めよ.解の導出過程を記すこと.(5 点) 答 4. L=2*(0.3+0.25+0.16)+3*(0.15+0.14)=2*0.71+3*0.29=2.29 ハミング符号があり,その検査ビット c1, c2, c3 は次式で与えられる.下記の問に答えよ. c1 x 2 x3 x 4 , c 2 x1 x 2 x 4 , c3 x1 x3 x 4 (1) この符号のシンドローム s1, s2, s3 を計算する式を⽰せ.(5 点) 答え s1 x 2 x3 x 4 c1 , s 2 x1 x 2 x 4 c 2 , s 3 x1 x3 x 4 c3 (2) 受信語(x1 x2 x3 x4 c1 c2 c3)が (1 0 1 1 1 0 0) である時,シンドロームを計算せよ.(5 点) 答え s1 0 1 1 1 1, s 2 1 0 1 0 0, s3 1 1 1 0 1 (3) (2)の受信語の誤り箇所を特定し,訂正した符号語を求めよ.(5 点) 答え X3 の桁で誤り発⽣.訂正後の符号語は(1 0 0 1 1 0 0)である. 5. 下線部に適当な語句を書き⼊れよ.(各3点で計 24 点) (1) 暗号は,公開鍵暗号と 共通鍵 暗号とに分類される.後者は,送信者と受信者が 同じ 鍵を使⽤す るので,受信者ごとに鍵を 変え なければならない. (2) 公開鍵暗号化では,暗号化の鍵と復号の鍵が異なる. 暗号化 の鍵は公開される(認証局に登録する).送信 者は 受信 者の公開鍵を使って,情報を暗号化する.受信者は暗号⽂を復号する.ここで,注意するべきこと は「なりすまし」である.これは 他⼈の名前をかたって,その⼈の鍵を登録する ことで,これを防ぐに は 本⼈確認を厳密にすること が必要である. (3) 公開鍵暗号である RSA は,公開鍵の⼀つである整数 n が⼗分⼤きいため,その 素因数 分解である p, q を 実⽤的な時間で求めることができないため,計算的に安全な暗号である. 以上
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