合併症の発生率 最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について患者数、 全患者に対する発症率を集計しました。 定 義 上記4疾患に対して、入院契機病名と最たる医療資源を投入した病名が、同一のもの、異なるもの、患者数・発生率を集計し、全 国平均発生率と比較をしています。 傷病名 DPC 播種性血管内凝固症候群 130100 敗血症(1歳以上) 180010 その他真菌症 180035 手術・処置等の合併症 180040 入院契機 患者数 発生率(%) 平均発生率(%) 当院 全国 同一 6 0.21% 1.06% 0.25% 異なる 25 0.86% 同一 7 0.24% 0.58% 0.58% 異なる 10 0.34% 同一 1 0.03% 0.14% 0.05% 異なる 3 0.10% 同一 6 0.21% 0.27% 0.65% 異なる 2 0.07% ※全国平均発症率:平成26年度 第5回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 診断群分類毎の集計より 解 説 合併症の発生率は臨床上ゼロにすることはできません。少しでも改善すべき指標を経時的に公表し、数値を可視化することで改善の原動力として、医療の質の改善に繋げて いきます。 <播種性血管内凝固症候群> さまざまな基礎疾患のために過剰な血液凝固反応が生ずるため体内で抗血栓性の制御が十分でなくなり、全身の血管内で微小血栓(血の塊)が多発して臓器不全、出血傾 向のみられる予後不良の病気です。 <敗血症> 肺炎や腎盂腎炎など生体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす病気です。無治療ではショック、播種性血 管内凝固症候群、多臓器不全などとなり生命にかかわります。 <真菌症> 真菌とはカビのことです。カビが様々な患部に定着することに起因する感染症です。健康の人には抵抗力があり普通は感染しません。何らかの病気で弱っていると免疫力低 下により感染します。 <手術・処置の合併症> 手術や処置を施行したことに伴って起こる病気です。最大限の注意を払って最善の治療を施しても回避不可能な場合があり、臨床上ゼロにすることは難しいものがあります。 当院は播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌症においては、全国平均より発生率が高い状況です。これは全国よりも高齢化の進む地域が診療圏であり、多くの基礎疾患 を患っている高齢者の方を多く抱える当院の特徴が数字に反映しています。 17
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