Gard Alert フィリピン - サンバレス州を通航する船舶に対する通航料の徴収 こちらは、英文記事「Philippines - transit charges for vessels sailing through Zambales waters」(2015 年 9 月 4 日付)の和訳です。 フィリピンのサンバレス(Zambales)州の領海を通航した船 舶およびサンバレス州に寄港した船舶の船主が、「Provincial Coastwatch Environmental Monitoring System User Fee(州沿 岸監視・環境監視システム利用料) 」 の請求を受けています。 サンバレス州当局は、2015 年 8 月初旬から、同州を通航す る船舶に対する通航料の課徴を開始しました。この州沿岸監 視・環境監視システム利用料の徴収は、条例「Ordinance No.28 Series 2015」により認められたものであり、同州の混雑した海域への外国船の侵入を監視するとともに、 フィリピン領海における廃棄物の海洋投棄を防止することを目的としたものであると考えられます。利 用料は外航船・内航船のどちらにも適用され、事故の防止や環境法の監督・実施も意図したものである ようです。 条例の提案者によると、同条例は、サンバレス州に寄港する船舶とサンバレス州領海を通航する船舶の 両方に適用されます。実際に後者にも適用されるとすると、同条例は国際法・国際条約に基づく無害通 航権を侵害している可能性があります。国際海運会議所(International Chamber of Shipping [ICS])はフィ リピン船主協会(Filipino Shipowners Association [FSA])とともに問題を提起しており、一週間以内に議会 聴聞会が開かれる予定であるなど、この問題はフィリピンにおいて国家レベルで議論される見込みです。 フィリピンの Gard コレスポンデントである Del Rosario Pandiphil Inc が、現在この問題を調査しています。 その間、可能な限りにおいて、サンバレス州領海を通航しないようにすることが推奨されます。同条例 で規定されているサンバレス州領海とは、沿岸より 15km から 100km の範囲です。サンバレス州領海の 無害通航に対して州沿岸監視・環境監視システム利用料の請求を既に受けている場合は、そのような請 求は UNCLOS(国際海洋法条約)の第 26 条の違反であることを理由に抗議を行うようにしてください。 この件についてはフィリピンの中央政府に掛け合う前に、適切なさらなる法的助言を求めるよう推奨い たします。 Gard では、この件に関する状況を監視し、必要に応じてさらなる情報を提供いたします。 本 Alert は、フィリピンの Gard コレスポンデント Del Rosario Pandiphil, Inc.からの情報に基づいて作成されました。 本情報は一般的な情報提供のみを目的としています。発行時において提供する情報の正確性および品質の保証には細心の注意を払ってい ますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。 本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英文 から和文に翻訳されております。翻訳の正確性については十分な注意をしておりますが、翻訳された和文は参考上のものであり、すべて の点において原文である英文の完全な翻訳であることを証するものではありません。したがって、ガードジャパン株式会社は、原文との 内容の不一致については、一切責任を負いません。翻訳文についてご不明な点などありましたらガードジャパン株式会社までご連絡くだ さい。 © Gard AS Page 1 of 1
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