Gard Alert ナイジェリアが113隻の原油タンカー船を名指しで入港禁止に こちらは、英文記事「Nigeria ban 113 named crude oil tankers」(2015 年 7 月 24 日付)の和訳です。 ナイジェリアの国営石油会社のナイジェリア国営石油公社 (Nigerian National Petroleum Corporation [NNPC])は、最近 選出されたムハンマド・ブハリ大統領の命令を受けて、113 隻の原油タンカー船に対しナイジェリア国内の港への入港 を禁止しました。 2015 年 7 月 15 日、ナイジェリア大統領の命令に基づき、113 隻の船舶に対し、ナイジェリアのターミ ナルにおいて原油やガスの積み荷役を行うことを禁止するレター(英文)が NNPC から発行されました。こ の禁止措置により、特定された船舶はナイジェリアの領海内での移動も禁止されます。 NNPC のレターでは、禁止措置の理由が説明されておらず、また、禁止措置解除の申請方法も示されてい ないことから、懸念と混乱が生じています。また、レターに添付されたリストに掲載されているタンカ ー船について不確かな部分もあります。中には重複して記載されているものや、船名と IMO 番号が一致 していないものがあります。また、最近何年もナイジェリアに寄港してないタンカー船や、一度も寄港 実績のないものも含まれているようです。 現在のところ、情報は十分ではありません。リストに記載された船舶の船主がどの規則・規制に対して 違反を犯したのか、その禁止措置は正当化されるものなのかは明らかになっていません。名指しされた 船舶は、貨物と自由水の数量が船積港と荷揚港とで食い違いがあったことが原因で禁止措置が科せられ たと報じられています。ナイジェリアで船積みした貨物の正式な揚荷数量をナイジェリア当局に提供し なかったことが原因の可能性があるとの見方もありますが、現在、タンカー船がそうした情報を提供す る場合の方法は明確にされていません。Gard では、ナイジェリア石油資源庁が作成した、特定の港で船 積みされた貨物の揚荷数量確認演習の手引きを目にしたことがあります(この確認を怠った場合、制裁 が科されることもあります)。しかし詳細が不明確であるため、もし自社タンカー船が演習への参加を 要請された場合、現地代理店から明確な情報を得る必要があります。タンカー船のリストは最終的なも のではなく、船がさらに追加される可能性があります。 メンバーの皆様は、今回のレターを深刻に受け止め、禁止措置の影響を受ける可能性があれば、FD&D 保 険の担当窓口へ助言を求めることを推奨いたします。禁止措置を受けた船舶が、下記の状況にある場合 は特に注意が必要です。 • • • 禁止リストに掲載されたタンカーが、現在ナイジェリアの港に停泊している場合、またはナイジ ェリアへ寄港を指示されている場合 禁止リストに掲載されたタンカーが、最近ナイジェリアで石油の船積みを行った事実がある場合 ナイジェリアで船積みした貨物の正式な揚荷数量を提供するよう最近要請されたことがある場合 NNPC のレターはナイジェリア領海について言及したものですが、禁止措置を受けた船舶はナイジェリア の排他的経済水域についても入域を避けることを推奨します。 ナイジェリアで石油の船積みを行うすべての船舶は、現地当局とのやり取りや報告に際しては細心の注 意を払うようにしてください。 © Gard AS Page 1 of 2 あまりにも不明確な点が多いため、今のところ一般的な法的助言は提供できず、用船契約や輸送契約書 の個々の条項の評価を行うことが非常に重要ですが、おおよそ以下のような法的問題が発生する可能性 があります。 • • • • • 禁止措置に起因する遅延によるオフハイヤー 契約の履行不能 航海指示の合法性 ナイジェリア諸港の法的安全性 正式な揚荷数量の提供に関する船主・用船者間の責任 上記の法的問題に対処するため、用船契約の条項に関して交渉を実施するには、状況や荷積数量の報告 方法が不確かな点を考慮して、すべての条項について慎重に検討する必要があります。 詳細は、2015 年 7 月 23 日に発表された HFW Briefing(英文)でご覧ください。 INTERTANKO は NNPC に抗議し、早急な明確化を要求しました。Gard のコレスポンデントも調査を行って います。さらなる情報を入手次第お伝えしますが、現地代理店からもガイダンスを入手するようにして ください。 ご質問については、FD&D 保険の担当窓口までお願いいたします。 本情報は一般的な情報提供のみを目的としています。発行時において提供する情報の正確性および品質の保証には細心の注意を払ってい ますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。 本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英文 から和文に翻訳されております。翻訳の正確性については十分な注意をしておりますが、翻訳された和文は参考上のものであり、すべて の点において原文である英文の完全な翻訳であることを証するものではありません。したがって、ガードジャパン株式会社は、原文との 内容の不一致については、一切責任を負いません。翻訳文についてご不明な点などありましたらガードジャパン株式会社までご連絡くだ さい。 © Gard AS Page 2 of 2
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