南アフリカ – 密航者関連のリスクが高まる / South Africa

Gard Alert
南アフリカ – 密航者関連のリスクが高まる
こちらは、英文記事「South Africa - increased stowaway risk exposure」
(2015 年 8 月 26 日付)の和訳です。
南アフリカ内務省が、「密航者(stowaway)」の対語とな
る「不法侵入者(trespasser)」という用語をこれまでより
厳格に定義・運用する方針を導入したことにより、送還費用
が増加し、船主と各 P&I クラブのリスクが高まっています。
現在、南アフリカには多数の不法入国者が存在し、その多くが南アフリカの諸港で日雇い労働者として
働いています。上記の新たな方針に基づき、南アフリカの港湾当局は、乗船しようとする者全員の身元
を確認する義務を船員に課すことになります。もし南アフリカでの滞在・労働許可を得ている外国人(南
アフリカ人以外)が、船が港にいる間に乗り込み、出港前に見つかった場合、その者は港湾によって密
航者とみなされ、結果、送還費用は船主が負担することになります。逆に、その者が港湾によって不法
侵入者とみなされば、送還費用は船主が負担しなくてもすむでしょう。密航者ではなく不法侵入者とみ
なされるには、その者が不法乗船しようとしたところを捕まえたことを船主(船員)が証明できなけれ
ばなりません。
トランスネット国家港湾局(Transnet National Ports Authority [TNPA])の許可証を所持しない者につい
ては、南アフリカに寄港中の船舶への乗船を一切許可しないようにしてください。許可証を所持しない
者がステベドアの一人として乗船してきた場合、ステベドアの総指揮監督者(フォアマン)はその者が
許可証を所持していない理由を説明しなければなりません。船員はその作業員が実際に港で乗船したこ
とを示す証拠として、その作業員とフォアマンが一緒に写るよう写真を撮っておいてください。可能で
あれば、船の警備担当の乗組員が、ステベドア全員の TNPA 許可証を乗船時に回収し、下船時に返却す
る形の乗船許可システムを運用するようにしてください。不法乗船を試みた者は、即座にギャングウェ
イの下まで護送し、港湾の保安担当者に通報して支援を求めるようにしてください。そして、その者が
港湾所有地への不法侵入者に分類されるようにあらゆる努力を行ってください。その者が不法侵入者に
分類されれば、乗船時のコントロール強化のため、警備担当の乗組員をギャングウェイのたもとに移動
することも検討してください。
南アフリカへの寄港を予定している場合、密航者のリスクに加えて、南アフリカ内務省の方針の厳格化
に伴って増大するリスクについても注意を払うよう、船員と運航担当者に徹底させてください。実際の
状況や、港湾施設、船舶、貨物の種類に応じてリスクを評価し、それに合わせて上記の推奨事項を実施
するようにしてください。また、Gard Guidance on Stowaways(英文)のセクション 2.3「Vessels
surroundings and port area」およびセクション 2.4「On board own vessel」に記載された対策も参考に
してください。
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