IMOがアリューシャン列島周辺における新しい船舶通航方式を採択

Gard Alert
IMOがアリューシャン列島周辺における新しい船舶通航方式を採択
こちらは、英文記事「Gard Alert: IMO adopts new
ship routing measures in the vicinity of the
Aleutian Island archipelago」(2015 年 7 月 7 日
付)の和訳です。
IMO の海上安全委員会(Maritime Safety
Commission)は、アリューシャン列島周
辺を運航する大型船による海上事故と
それに関連する環境汚染リスクを減少
させることを目的とする新しい船舶通
航方式を採択しました。
新通航方式では、アリューシャン列島地域において 5 か所の避航水域(Areas To Be Avoided [ATBA])が
指定されており、基本的に沿岸線から約 50 マイルに広がる緩衝帯を設定するものです。この新通航方式
は、大圏航路を通航する総トン数 400 トン以上の国際航海船舶に対して適用され、2016 年 1 月 1 日に
発効します。
ATBA は、2004 年にばら積み船の M/V SELENDANG AYU 号がベーリング海のウナラスカ島近辺でエンジ
ン故障による座礁事故を起こしたことを契機として実施された包括的な危険性評価の一環として設定さ
れたものです。この事故では、SELENDANG AYU 号の船体が折損し、35 万ガロン近い燃料油とディーゼ
ル燃料が海洋に流出しました。また、米国沿岸警備隊が救助を試みる中、不幸にも 6 名の船員の生命が
失われました。
ほとんどの船舶は沿岸から安全な距離を保って航行しているものの、中にはかなり接近して航行する船
舶も見られます。緩衝帯は、緊急修理や遭難船の救援の際に貴重な時間を確保し、また、操船ミスや気
象条件の悪化による座礁リスクを低減することを意図して設けられたものです。今回の通航方式は、
ATBA が存在することによる航路変更を最小限に留めることを狙いとしており、船舶は、既存の通航パタ
ーン(ユニマック海峡の利用を含め)を踏襲できるようになっています。
新通航方式は、気象条件が非常に変わりやすく、遠隔地・インフラなどから対応力が限定的となってい
るアリューシャン列島地域の特徴を踏まえ、設定されました。同地域を通航する船舶の多くは無害通航
に該当しており、米国またはアラスカ州の油濁防止対応要件の対象ではありません。
新通航方式に関する詳細は、こちらからご覧いただけます。
本稿は、サンフランシスコの法律事務所 Keesal, Young & Logan からの情報をもとに作成されたものです。
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