「教員養成支援室News Letter」第2号(PDF形式, 207.44KB)

教員養成支援室
News Letter
VOL. 2
2016.2.8
京都市総合教育センター 教員養成支援室
「先生の1日」を体験 学校実地研修
10 月に開講した京都教師塾では,子どもたちと直接ふれ合い,先生の1日
を体感する「学校実地研修」を塾の柱の一つに位置付けています。今期もおよ
そ 300 人の塾生が 10 日間にわたり学校現場で経験を積ませてもらっています。
塾生からは「教職員同士の連携が何よりも大切だと感じました。担任だけで
はなく,養護の先生や給食調理員さんなど,それぞれの立場から子どもたちの
様子を気にかけてくださっていました。傾聴の大切さも改めて知りました」な
ど,様々な気づきのレポートが寄せられています。
この実地研修,前期の卒塾生アンケートでも 96%が「児童・生徒への関わ
り方や教職員間及び家庭・地域との連携の大切さを学ぶことができた」と答え
ています。
教員を志す塾生にとっては,まさしくアクティブ・ラーニングそのものだっ
たようです。受入校の皆さまのご協力に深く感謝します。
学校実地研修の様子
学生ボランティアも市立学校・幼稚園で活躍
京都市の学生ボランティア学校サポート事業は,連携大学(現在 111 大学等)の学生であれば,子どもたちの学校教
育全般にわたって活動いただけます(宿泊活動を除く)
。今年度からは一人の学生が同一校・園で活動できる回数の上
限を 50 回から 80 回に増やしています。下記答申でもボランティア活動を「実践的指導力の基礎の育成に有効」「教員
の適格性を把握するための機会として有意義」と記しています。学生ボランティア事業を積極的にご活用ください。
なお,平成 27 年度の謝礼支払いに当たっての請求書の最終提出期限は,4 月 5 日(火)です。
教員の資質能力の向上について
中央教育審議会から新たな答申
∼学び合い,高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて∼
昨年の暮れ 12 月 21 日に,中央教育審議会から三つの答申が出されました。
「チームとしての学校の在り方と今
後の改善方策について」
「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の
推進方策について」
,そして教員の養成・採用・研修をテーマとした「これからの学校教育を担う教員の資質能力
の向上について」の三つです。この資質能力に関する答申には「学び合い,高め合う教員育成コミュニティの構築
に向けて」という副題が付いています。いずれも,繋がりが軸となった相互
に関連する答申と言えます。
【教員養成に関する主なポイント】
教員の大量退職・大量採用が,年齢や経験年数の不均衡による弊害を生み
出していること,また,学校教育課題が多様化・複雑化していることなどを
背景に,アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善など新たな教育課題
に対し教員に求められる資質能力の育成,
「教員育成協議会」(仮称)の創設
など学び続ける教員を支えるキャリアシステム構築のための体制整備,学校インターンシップの導入(教職課程
への位置付け)
,教職課程の質の保障・向上などが提起されています。
詳しくは,文科省 HP(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1365665.htm)で
期待される教職大学院
教職大学院は,高度で専門的な教員の育成を目指して平成 19 年3月に制度化され,現在 22 都道府県 27 大学に開設
されています。平成 28 年度には 18 大学,平成 29 年度も 7 大学で新設される予定で,全県設置(島根は鳥取と合同)
となる見込みです。
京都は平成 20 年4月,全国初の連合教職大学院として京都教育大学を基幹大学に私立 7 大学(京都産業大,京都女
子大,同志社大,同志社女子大,佛教大,立命館大,龍谷大)と京都市・京都府の両教育委員会が共同で運営する新し
いタイプの大学院として誕生しました。以降,学部新卒学生や現職教員を対象に,授業力,生徒指導力,そして学校経
営力の高度化に向けた学びを深めています。
また,平成 29 年4月には,立命館大学が単独で教職大学院を設置する構想も進んでおり,教員養成先進都市として
の京都市に注目が集まっています。
暮れの中教審答申でも,「教職大学院については,量的な整備を行いなが
ら,教員養成モデルの中心に位置付ける」と明記されています。
京都市では,現職教員の皆さんが教職大学院で学んでいただく場合には,
授業料の一部を補助する制度を設けています。これまでに 40 名の教員が連
合教職大学院で学ばれ,理論と実践の往還に励まれました。
また,今年度 5 名,来年度も複数名の本市教員が短期履修として 1 年間の
学修に取り組まれます。他に,終業後の夜間に学ぶ形態も用意されています。
補助金制度について詳しくは,教員養成支援室のホーページをご覧くださ
い。
学びの成果を発表する修了論文報告審査会
(http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000082057.html)
2015.10.24
京都教師塾第 10 期スタート
2015.11.18
334 人が入塾
門川大作京都市長と位藤紀美子京都教育大学学長が
教員養成をめぐって対談
国立大学協会HP(下記 URL)で配信予定
http://www.janu.jp/converse.html
2015.11.25
連合教職大学院認証調査
教員養成評価機構による認証評価(5 年に1度)
。連
携協力校関係者や当室職員,修了生教員等と面談
2015.11.25
介護等体験実地調査
教育委員会,公立学校長,大学関係者等が市内の福祉施設で学生の介護等体験を視察
2015.12. 5
協同出版セミナーin 京都
教員養成支援室庄司室長が「デマンドサイドの教員養成」と題して京都教師塾の取組を中心に報告
2015.12.21
文部科学大臣に中央教育審議会から以下の答申が提出
「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」
「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策に
ついて」
「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」
編
集
後
記
先日,小学校での学校実地研修を見に行かせていただきました。その日の体育はサッカーで,子どもたちは,元気
に運動場を走り回っていました。塾生は常に声掛け・応援をし,一緒に走ったり褒めたりしていました。チャイムが
鳴った後「子どもたちとふれ合える時間が多くて,子どもの様子を間近で見られる貴重な経験です」と話してくれま
した。
塾生の受入準備もさぞや大変だったとは思いますが,この研修を契機に,教職を志す人たちの夢が,はっきりとし
た形になってくるようです。学校現場からの力強いエールをこれからもお願いいたします。
問合せ/京都市総合教育センター 教員養成支援室
TEL075−342−3883
(K.T)
FAX075−342−3886