よく学び、よくきたえ、共に生きる心豊かな児童の育成

平成26年度
研究推進計画
久万高原町立久万小学校
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学校の教育目標
よく学び、よくきたえ、共に生きる心豊かな児童の育成
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研究主題
豊かな関わりの中で 共に学び合う児童の育成
-活用力を伸ばす授業改善を通して-
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主題設定の理由
(1 ) 本 校 の 教 育 目 標 か ら
本校の教育目標は「よく学び、よくきたえ、共に生きる心豊かな児童の育成」で
ある。「よく学び」とは、主体的に学ぼうという意欲をもち、確かな学力を身に付
けること、「よくきたえ」とは、心身共に力強く生きていくたくましさを身に付け
ることをいう。これらの実現のためには、自分自身を含むすべての「人・もの・こ
と」との豊かな関わりが重要になってくる。「よく学ぶ」ためにも「よくきたえ」
るためにも、児童を取り巻く豊かな関わりの構築が不可欠なのである。
また、「共に生きる」とは、集団の中で互いに関わり合い、影響し合いながら、
仲間と共に生きることである。多様な価値観や考えに触れ、互いに切磋琢磨し、学
び合うことで、相手を思いやることのできる心豊かな児童が育つものと考える。
心 豊 か な 児 童 の 育 成 の た め 、本 校 で は 平 成 2 3・2 4 年 度 の 2 年 間 に わ た っ て「 特
色ある道徳推進事業」の指定を受け、思いやりの心を育てる道徳の研究実践に取り
組んできた。平成25年度は、道徳の時間に培ってきた「学び合い」の姿勢を他教
科にも広げ、実践を積み重ねてきた。
(2 ) 今 日 的 課 題 か ら
平成19年から行われている全国学力学習状況調査では、国語、算数ともに、主
として知識に関する「A問題」と、主として活用に関する「B問題」の2種類が出
題されている。「知識」に関してはおおむね良好な成績であるが、「活用」に関す
る領域が弱いとされている。本校でも同様の傾向があり、近年「活用」する力をど
のようにして付けていくかが課題となっている。調査結果概要では、「活用」とは
「知識・技能等を実生活のさまざまな場面に活用する力や、さまざまな課題解決の
ための構想を立て実践し評価・改善する力などにかかわる内容」であると定義して
いる。つまり、学んだ知識を実生活に結び付けることまで求めている。「活用力」
を伸ばすことは「生きる力」を伸ばすことにつながるのである。
(3 ) 児 童 の 実 態 か ら
本校児童の課題は読解力と表現力である。そのため、これまで読書活動や自分の
考えを表現する活動に力を入れてきた。読書活動は、ある程度の成果を上げてきた
が、自分の考えを表現する活動には今なお課題も残る。そこで昨年度までの実践を
基に、表現力を高めるための「学び合い」を中心に研究を推進する。
「学 び 合 い 」 の 場 面 で は 、 ま ず 、 児 童 が し っ か り 自 分 の 考 え を も つ こ と が 前 提 と
なる。そして、自分の考えを友達に伝え、友達の考えを聞き、自分と友達の考えを
比べることで、「学び合い」をより深めたり広げたりしていく。したがって、「学
び合い」のためには、「自分の考えをもつ」「自分の考えを伝える」「友達の考え
を聞く」「自分と友達の考えを比べる」ことが大切な4つの要素だと考える。
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主題分析
(1 ) 「 豊 か な 関 わ り 」 と は
研究主題の「関わり」とは
・ 学習の中での新しい「自分」との出会い
・ 教師や児童相互の「人」との学び合い
・ 豊かな「自然や動植物等」との触れ合い
・ 家族を含めた地域社会の「多様な人々や事柄」との触れ合い
などが考えられる。自分自身を含むすべての「人・もの・こと」との関わりであ
る。社会環境の変化等で、児童の体験不足やコミュニケーション不足が問題になっ
ている。本校児童の課題を明らかにし、授業や学校生活の中で、これらの関わりを
豊かに構成していくことが、研究主題に迫るための大切な要素である。
(2 )
「共に学び合う」とは
「学び合う」とは「協同的な学び」であり、一つの目的のために複数の児童が力
を合わせて学ぶことである。「協同的な学び」をして実践いくことで、一人一人の
「学び」をより高いレベルに導くことができると考える。「学び合い」の基盤は、
「聴き合う関係」に基づく対話的コミュニケーションである。単に相手の話を「聞
く」のではなく、相手を意識して「聴く」ことで相手への思いやりが生まれ、支持
的風土を育むことができる。そうすれば、児童が疑問をもった時に安心して聴き合
える環境が生まれ、共に学び合う児童を育成することができると考える。
(3 ) 「 活 用 力 」 と は
研究を進める上で、どんな「活用力」を児童に身に付けさせたいか、教職員が共
通理解しておく必要がある。「活用力」とは、既習事項を活用して考える力のこと
である。この「活用力」には多種多様な観点が存在し、定義の仕方も様々である。
そこで、「学び合い」の視点から「活用力」を定義することにした。
4つの要素
身 に 付 け さ せ た い 活 用 力
基本となる力
自分の考えを
もつ。
・
・
課題に対する自分の考えをもつ。
自分の考えを文章などで表現する。
思考する力
表現する力
自分の考えを
伝える。
・
・
順序立てて分かりやすく説明する。
根拠を明確にして筋道を立てて説明する。
構成する力
説明する力
友達の考えを
聞く。
・
・
相手の説明が理解できる。
質問したり、感想が言えたりする。
理解する力
共有する力
問題点や新たな視点に気付く。
よりよい解決法を見つける。
比較する力
統合する力
・
自分と友達の
考えを比べる。 ・
自分の考えをもつ場面で、単に自分の考えをもっただけでは「活用力」とは言え
な い 。「 活 用 力 」は 、こ れ ま で 身 に 付 け て き た 知 識 や 技 能 を 用 い て 考 え る 力 で あ り 、
焦点を絞って子どもに思考させる「思考の焦点化」を行う必要がある。そこには教
師の具体的な手立てが不可欠である。
これらの活用力は、これまでの学習や経験の積み重ねで培ってきた「基本となる
力」の上に成り立つものである。したがって、「活用力」を伸ばすためには、基礎
基本の確実な定着が重要になってくる。
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研究の目標
活用力を伸ばす授業改善を通して、豊かな関わりの中で、共に学び合う児童を育成す
る。
6 研究の仮説
(1 ) 学 び 合 い の 場 を 工 夫 す れ ば 、 よ り 深 い 学 び に つ な が り 、 活 用 力 が 育 つ で あ ろ う 。
(2 ) 道 徳 性 を 育 む 教 育 活 動 を 継 続 さ せ る こ と で 、 支 持 的 風 土 の あ る よ り よ い 学 習 集 団 が
できるであろう。
7 研究の内容
(1 ) 活 用 力 を 育 て る 指 導 の 工 夫
○ 自分の考えをもつ。
○ 自分の考えを伝える。
○ 友達の考えを聞く。
○ 自分と友達の考えを比べる。
(2 )
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支持的風土を育む教育活動の継続
○ 「聴く」態度の定着
○ 思いやりのある学級集団・学校集団づくりの推進
○ 縦割り班活動の推進
研究組織
校
長
教頭・事務長
研究推進委員会
校長
教頭
教務主任 研修主任
研修職員会
授業づくり部会
保護者・地域
情報提供
教科等部会
各
教
員
日々の実践
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学年部会
児
童
思い・願い
9
現職教育計画
月
日
4
23
曜
校内研修
校外研修
25
水 全体計画作成について
研究主題について
金
5
14
21
26
水 研究主題の決定
水 研修推進計画・全体計画について
月 地教委訪問・管理主事訪問
6
17 火 校内研究授業①
校内研究授業②
上浮穴郡教育研修活動協議会
特別支援学級担任者研修会
7
校 内 研 修 ( 学 力 向 上 推 進 計 画 (1)反 省 )
8
校 内 研 修 ( 学 力 向 上 推 進 計 画 (2)協 議 )
9
校内研究授業③
校内研究授業④
10
校内研究授業⑤
校内研究授業⑥
11 13
木 校内研究授業⑦(
校内研究授業⑧(
校内研究授業⑨(
低
中
高
)
)
)
12
1
校内研究授業⑩
研究のまとめ(研究紀要作成について)
校 内 研 修 ( 学 力 向 上 推 進 計 画 (2)反 省 )
2
研究紀要作成
校 内 研 修 ( 学 力 向 上 推 進 計 画 (1)協 議 )
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上浮穴郡教科等研究会