2016年8月4日号 1/2 一括投資とエントリー分散について ■複数のタイミングに分けて投資する意義 投資を行なう際に、一括投資する方法と、投資タ イミングを複数回に分ける方法(「エントリー分 散」)があります。ここでは、複数回に分けて等金 額投資するエントリー分散(当資料では、3ヵ月毎 に4回に分けて等金額でエントリー分散した場合 を想定)の意義を考えたいと思います。 世界株式を例にして、局面別に見ると、株価が 上昇基調にある場合には、一括投資のリターン がエントリー分散を上回り、逆に、株価が下落基 調にある場合には、エントリー分散のリターンが 一括投資を上回る傾向にありました(図1)。 (図1)一括投資とエントリー分散のリターンの推移 (1998年12月末~2016年6月末) 80% 180 一括投資(左軸) 60% エントリー分散(左軸) (ご参考)世界株式(右軸) 160 A 40% 140 20% 120 0% 100 -20% -40% 80 60 世界株式は起点を100として 指数化 -60% 98/12 01/12 04/12 07/12 B 10/12 40 13/12 (年/月) 一括投資のリターン:投資開始から1年後の騰落率 エントリー分散のリターン:3ヵ月毎に4回に分けて等金額で投資した場合の、 投資開始から1年後の騰落率 (図2)世界株式と平均購入単価の推移 A 下落局面 110 100 90 平均購入単価は低下 80 70 60 50 起点を100として指数化 40 08/8 08/11 09/2 09/5 (2012年10月末~2013年10月末) B リターンが異なった背景には、平均購入単価の違 いがあります。 (2008年8月末~2009年8月末) 世界株式 平均購入単価 ▲30% +10% 09/8 (年/月) 上昇局面 150 世界株式 平均購入単価 140 +21% 130 120 +49% 110 平均購入単価は上昇 100 90 起点を100として指数化 80 12/10 13/1 13/4 13/7 13/10 下落局面にあった08年8月末に世界株式へ一括 投資した場合の1年後のリターンは、▲30%となり ました。しかし、同月から3ヵ月毎に4回に分けて等 金額でエントリー分散した場合、平均購入単価が 株価の下落とともに下がったことで、+10%となりま した(図2上図) 。 一方、上昇局面であった12年10月末に世界株式 へ一括投資した場合の1年後のリターンは+49%と なりました。しかし、同じようにエントリー分散した場 合、平均購入単価が株価の上昇とともに上がった ことで、+21%にとどまりました(図2下図) 。 平均購入単価は、初回の投資を100とし、その後の (年/月) 投資毎の単価を加重平均したもの(月次データを使用) 世界株式:MSCI ACワールドインデックスを日興アセットマネジメントが円換算 (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資手法や投資環境などについてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファ ンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。 ■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。 したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、 投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 2/2 ■投資タイミングを見極めればよいのか? マーケット環境などを踏まえ、投資タイミングを見 (図3)各国・地域のボラティリティ・インデックスの平均 極めて、一括投資を行なうことで、良好なパフォー (2014年1月初~2016年6月末) (ポイント) マンスにつながる可能性はあります。 ※2016年は6月末まで 35 14年 15年 16年 しかし、投資タイミングを判断することは、難しさを 30 伴ないます。実際に近年の日米欧の株価のボラ 25 ティリティ(価格変動の振れ幅の大きさを表し、数 値が大きいほど変動が大きい)の平均を見ると、 20 上昇傾向にあり、投資タイミングを見極めることは 15 ますます難しくなっているといえます(図3)。 10 ■まとめ エントリー分散は、価格が高いタイミングで一括投 資を行なってしまうことを回避し、投資開始直後の マーケット変動の影響を軽減することができる投 資手法と考えられます。 投資する時点で、その後の値動きを予測すること は難しいことから、エントリー分散は不確実性の高 い環境下における、比較的堅実な投資手法とも いえます。 5 0 米国 欧州 日本 米国:CBOE SPXボラティリティ指数、欧州:VSTOXX指数、 日本:日経平均ボラティリティー・インデックス (いずれも日次データを使用) (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ※市況動向などにより、エントリー分散を行なっても、必ずしもプラスのリターンになるとは限りません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが投資手法や投資環境などについてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファ ンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。 ■ 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。 したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、 投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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