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ご参考資料
ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2016年6月30日
グローバル
Pictet Global Market Watch
市場を上回り始めた公益株式
英国のEU離脱「ブレグジット」の国民投票結果で市場に衝撃が走りました。こうしたなか、世界公益株式は底堅く推
移しました。市場の先行き不透明感が高まる中、長期金利は低下し、不動産などの実物資産が注目され、年初来
公益株式は市場をアウトパフォームし始めています。
世界的な長期金利低下で実物資産が注目
~市場を上回り始めた公益株式
英国のEU離脱「ブレグジット」の国民投票結果で市場に衝
撃が走りました。こうしたなか、市場が大きく下げた6月24
日には前日比で世界株式が4.2%下落するなか、世界公
益株式は2.2%の下落にとどまっています。その後、市場
は冷静さを取り戻し、中央銀行の政策発動期待もあり、大
きく反発する展開となりました。世界的な先行き不透明感
が高まるなか市場の価格変動が高まっています。(図表1、
2参照)
図表1:世界公益株式と世界株式のパフォーマンス
月次、期間:2000年7月~2016年6月、現地通貨ベース、配当込み
250
200
2000年7月=100として指数化
世界公益株式
世界株式
150
100
50
0
00年7月
04年7月
08年7月
12年7月
ある産業だけが収益を上げすぎれば、新規参入や規制の
強化が促されるなどして成長鈍化の要因を引き起こします。 図表2:世界公益株式対世界株式相対パフォーマンス
投資資金は成長性のある魅力的な市場を中期的にさ迷う 2.2月次、期間:2000年7月~2016年6月、現地通貨ベース、配当込み
2000年7月=1として指数化
ので、同じアセットクラスでも人気化したり、不人気化したり 2.0
相対パフォーマンス
公益株式が世界株式を
12ヵ月移動平均
します。この結果、市場平均を上回る株式と下回る株式を 1.8
アンダーパフォーム
24ヵ月移動平均
生み出すサイクルが繰り返されています。
1.6
公益株式が世界株式を
図表2は世界公益株式と世界株式の相対パフォーマンス 1.4 アウトパフォーム
を示しています。右上に行くほど世界公益株式が世界株
1.2
式を上回っていることを示す一方、右下に行くほど下回っ
ていることを示しています。実物資産保有株式である世界 1.0
公益株式と世界株式のパフォーマンスを相対比較すると、 0.8
04年7月
08年7月
12年7月
世界公益株式は世界株式に負け続けていましたが、2015 00年7月
※2016年6月は直近6月29日のデータ
※世界公益株式:MSCI世界公益株
年末からそのトレンドは反転しています。1月に24ヵ月移動
価指数、世界株式:MSCI世界株価指数
平均線を2008年以降初めて上回り(図表2参照)、直近で 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
は12ヵ月移動平均線も上昇に転じてきています。トレンドと
また、「ブレグジット」など市場の先行き不透明感が高まる
しては明らかな転換点を示しています。2016年年初来6月
局面では、金利が低下し、高い配当利回りやその事業の
29日まででは世界株式が-1.9%下落、世界公益株式
安定性が着目されます。
+10.3%上昇となっています。
今後10月の憲法改正を問うイタリア国民投票、11月の米
この背景には、世界的に景気の先行き不透明感が高まる
国の総選挙、2017年にはフランス、ドイツの総選挙などが
なか、日銀が「ゼロ金利政策」を発表するなど、世界的に
控えており、市場の価格変動が高まる可能性が考えられ
長期金利が大きく低下していることが追い風となっていま
ます。こうした局面で公益株式が注目されると考えます。
す。大量の借り入れを行いながら発電所や鉄道網などの
公益株式はかつて「資産株」と呼ばれていました。資産株
巨大なインフラ、つまり実物資産(有形固定資産)を有し、
とは「資産として長く保有するのに適した株式です。業績
そこから安定的な営業キャッシュフローを生み出している
が安定していて配当利回りも魅力的で、成長性があり、し
公益企業は典型的な実物資産保有企業です。総資産に
対する負債比率が高いため、金利負担が重いことが事業 かも株価が投機的な値動きをしないような株式」と一般に
構造の欠点ともいえますが、今回のマイナス金利によって 定義されていますが、実物資産を保有する企業の株式と
して認識される時代が来るかもしれないと考えます。
その負担が軽減されただけでなく、貸し手にとっては重要
な優良顧客となり、いわゆる“借り手優位“という立場に転
世界公益株価指数はあくまでも参考指数であり、ファンドの運用実績を示
すものではありません。また、信託報酬等は含まれていません。記載の
じてきています。
(※将来の市場環境の変動等により、記載の内容が変更され
る場合があります。)
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