ご参考資料 ピクテ・マーケット・フラッシュ 2015年4月15日 先進国 Pictet Market Flash 米国小売売上高:1-3月期は減少 2015年3月の米国のコア小売売上高は、前月からは増加したものの市場予想に届かず、1-3月期は前期比、年率 で減少に転じました。厳しい寒波の影響を受けた一時的な落ち込みだと思われます。一方、米国経済の良好な ファンダメンタルズは変わりません。したがって、4-6月期以降、消費が回復に転じる公算は高いと考えます。 名目小売売上高は予想に届かず 図表1:米国コア小売売上高の推移 (3ヵ月移動平均、年率、期間:2005年1月~2015年3月) 2015年3月の米国の小売売上高は期待外れに終わり、 1-3月期の数値にも、厳しい冬の寒さの影響が現れま した。もっとも、国内経済のファンダメンタルズ(基礎的 条件)は引き続き良好です。したがって、消費の先行き は明るいとの見方は変わりません。 3月の名目小売売上高は前月比+0.9%となりました。市 場の予想通りプラスに転じたものの、市場予想の同 +1.1%には届きませんでした。また、2月改定値の同 -0.5%(速報値の同-0.6%から上方修正)からの反動も小 幅に留まりました。 3月の名目小売売上高は、前月比+2.7%と2月の同-2.1% から大幅な伸びを示した自動車・自動車部品販売が押 上げ要因となった点が2月とは異なりますが、発表済の 自動車販売台数統計が好調な内容となっていたため 意外感はありませんでした。建設資材(及び園芸関連) 売上も前月比+2.1%となり、寒波の影響で落ち込んだ2 月(前月比-1.8%)からプラスに転じました。一方、ガソリ ン価格の上昇にもかかわらず、名目ガソリンスタンド売 上が同-0.6%と2月の同+2.3%からマイナスに転じたこと は、予想外でした。 コア小売売上高も期待外れ 名目小売売上高から最も変動の大きい項目を除いた コア小売売上高(GDPの個人消費支出の算出に使わ れる数値)も期待外れに終わりました。3月のコア小売 売上高は前月比+0.3%と改善したものの、市場予想の 同+0.5%には届きませんでした。更に、2月改定値は同 -0.2%と速報値の同+0.0%から下方修正され、マイナス に転じました。この結果、1-3月のコア小売売上高は前 期比、年率-1.1%となり、2014年10-12月期の前期比、 年率+4.2%を大きく下回りました(図表1参照)。 % 8 4 0 -4 -8 -12 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 3月のコア小売売上高が、1-3月期の低調な消費支出 を示唆することは明らかですが、当データの分析には 足元の環境を勘案することが必要です。先ず、名目小 売売上高、コア小売売上高ともに、厳しい寒さの影響を 大きく受けたものと思われ、売上の落ち込みは一時的 なものに過ぎない公算が高いということです。次に、足 元一年程の小売売上高統計は必ずしも消費全般の伸 びを占う数値にはなっていないということです(次ペー ジ図表2参照)。 したがって、消費の先行きは明るいとの見方は変わり ません。冬場の売上の落ち込みは、悪天候の影響によ る一時的なものであることが確認されるだろうと考えま す。また、高止まりする貯蓄率が今後数ヵ月のうちに低 下に転じる可能性も考えられます。 <次ページに続きます> ピクテ投信投資顧問株式会社 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 1 3 ご参考資料 Pictet Market Flash 先進国 繰り返しになりますが、米国経済のファンダメンタルズ が良好であることにも変わりはありません。雇用の創 出は、3月を除き、過去数ヵ月で伸びが加速しており、 消費者信頼感指数も数年ぶりの高水準を回復してい ます。住宅価格は上昇基調を維持し、家計の資産も増 加基調です。更に、名目賃金が伸び悩む一方、1-3月 期の実質賃金は大幅に増加しています。したがって、 消費の先行きは明るいとの見方は変わりません。 3月のコア小売売上高を勘案すると、個人消費の伸び の予想は強気過ぎる可能性もありますが、一方、コア 小売売上高は消費全体の約25%を占めるに過ぎませ ん。3月の自動車販売が、前月比+5.5%と好調だったこ とを併せて勘案し、従来予想を維持します。GDP成長 率についても、1-3月期予想、通年予想ともに従来予 想を維持します。 ※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内 容が変更される場合があります。 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表2:米国のコア小売売上高と個人消費の推移 (3ヵ月移動平均、年率、期間:2007年1月~2015年3月) % 12 % コア小売売上高(左軸) 4 8 3 4 2 1 0 0 -4 -1 実質個人消費支出(右軸) -8 -2 -12 -3 -16 -4 -20 -5 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 ※実質個人消費支出は2015年2月まで 出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 2 3 ご参考資料 Pictet Market Flash 先進国 ピクテのウェブサイトで 最新情報にキャッチアップ! ピクテ http://www.pictet.co.jp Market Flash マーケット関連ニュース ヨーロッパから見た世界のマーケット関連情報 ピクテならではの分析はこちら http://www.pictet.co.jp/archives/category/news/markets Today’s Headline 今日のヘッドライン 今、マーケットで注目の話題をプロの視点でレポート 平日夕方 毎日配信中! http://www.pictet.co.jp/archives/category/news/headline Fund Watch ファンド関連ニュース ファンドの現状と日々変動するマーケットの関係を 詳しく、解りやすく解説します http://www.pictet.co.jp/archives/category/news/fundinfo 当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場 の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将 来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用 目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。 ●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象 ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、 会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。 3 3
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