第Ⅱ部 マクロ経済学の基本モデル 第7章 閉鎖経済の中期モデルの展開 練習問題 【基礎知識の確認】 7-1 以下の用語を説明しなさい。 マークアップ率 実質硬直性 名目硬直性 効率性賃金 フィリップス曲線 オークン法則 7-2 総供給曲線が右上がりで,予想物価水準と潜在 GDP を通過することを示しなさい。 7-3 静学的期待形成,適応的期待形成,合理的期待形成のそれぞれのケースについて,貨 幣供給量の増加が物価水準と産出量に与える影響を簡潔に述べなさい。 【演習問題】 N) 7-4 POINT 7-2 で用いた実質賃金設定関数, G (= β N θ + υ ( θ > 0 , υ ≥ 0 )におい て, υ = 0 の場合に,補論 2 や補論 3 でフィリップス曲線の導出の際に用いた実質賃金設定関 α Y Y 数, G = ( N ) G= α 1 + µ Yp θ が求められることを示しなさい。 7-5 次のような IS-LM モデルを考える。 C=10+0.6Y I=20-40r M =10+0.5Y-50r P MS=100 ただし,MS は名目貨幣供給,M/P は実質貨幣需要をそれぞれ表している。 (1) 総需要曲線を求めなさい。 (2) テキストの設定に沿って右上がりの総供給曲線を導出する際,個々の企業は物価水 準に関する予想をどのように形成するかという問題に直面する。合理的期待形成のもとで は,P=Pe となることを示しなさい。 1 (3) テキストの設定に沿って右上がりの総供給曲線が導出されたとする。いま,中央銀 行が金融引き締め政策をとること(名目貨幣供給の縮小)が想定され,総需要曲線が下方に シフトすることが予想されているとする。合理的期待形成のもとで,この金融引き締め政策 は GDP にどういった影響を及ぼすか。また,貨幣の中立性が成立しているか。 (4) 今度は予想されていない名目貨幣供給の低下が生じた場合,合理的期待形成のもと で,均衡 GDP にどのような影響を与えるか。また,貨幣の中立性は成立しているか。 (5) もし,個々の企業の物価水準に対する期待形成が合理的期待ではなく,適応的期待 形成(ここでは,予想物価水準が 1 期前の物価水準に設定されるケース,Pe=P-1を想定す る)であった場合,(4)の結果はどのように変わってくるか。 7-6 テキストで導出されたようなインフレ需要曲線とインフレ供給曲線から構成される経 済モデルを考える。 インフレ供給曲線:π=πe+θ(y-yp) インフレ需要曲線:y=yp+κ(gM -π) ここでは,金融政策によって独占による過小供給を是正できるかを考える。 (1) 中央銀行は名目貨幣供給率をg′M の成長率で拡大させていくことをアナウンスした とする。これによって独占による過小供給を是正することは可能か。 (2) 当初,中央銀行は名目貨幣供給成長率をg′M とするとアナウンスしたが,実際にはそ れよりも高い成長率g′′Mで名目貨幣供給を増加させたとする。この場合,独占による過小供 給は解消できるか。 (3) (2)で生じている現象を「ルーカス批判」という言葉とともに簡潔に説明せよ。 (4) 名目価格が硬直的な場合,(2)の結果はどのように変わるか。 2
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