Vol.62 - 税理士法人 中央総研

CRI Times
10 月 25 日発行
11 月 25 日発行
2014 vol.62
from SASAYA
中央総研
発行 税理士法人
桑 名 市 大 福
4 0 6 - 1
TEL0594-23-2448
FAX0594-23-3303
今月の担当
部長 久松 玲子
課長 増田 隆之
E-mail:[email protected]
URL:http//www.cri-sasaya.com
さあ! 解散だ! 消費増税延期だ!
【はじめに】
黒田ショック第 2 弾の日銀金融緩和が 10 月 31 日
に発表されました。次いで、安倍首相から衆議院解
散と消費増税延期が 11 月 18 日夜表明されました。
また、高倉健さんが亡くなられたことも報道され
ました。83 歳とのことです。私も大フアンです。特
に「幸福の黄色いハンカチ」が良いですね。昨日、
テレビで「南極物語」を見ました。タロとジロが生
存していたラストシーンには、思わず胸がジーンと
きました。また、名古屋のある会合で卓話のとき、
その会の会長がシラフで「網走番外地」を歌い拍手
喝采でした。高倉健さんは、心に残る名優ですね。
安倍首相も心に残る政治家であって欲しいですね。
【黒田ショック第 2 弾】
10 月 31 日(金)黒田日銀総裁より追加の金融緩
和が発表されました。デフレマインドからの転換が
遅れる懸念があるからと説明しています。この懸念
を払拭するため、昨年導入した「量的・質的金融緩
和」を量・質の両面で拡充するとのことです。まず、
「量」ですが、金融政策の目標としているマネタリ
ーベースを、これまでの年 60~70 兆円を、年 10~
20 兆円増加し、年 80 兆円に拡大するとしています。
今年の 10 月 31 日現在で、マネタリーベースは 260
兆円まで積み増ししています。この 11 月から年 80
兆円に拡大すると、来年末には 355 兆円になる勘定
です。GDP(名目)比約 70%になる見通しです。
さらに、長期国債の購入を年 50 兆円から 30 兆円増
加し、年 80 兆円に拡充する予定です。スゴイ量的
緩和です。次に、
「質」の緩和ですが、買い入れる国
債の償還までの期間を 7 年程度から 7~10 年程度に
伸ばし、EFT や REIT の購入を 3 倍に増やし、それ
ぞれ年 1 兆円と年 900 億円購入するとしています。
この黒田ショック第 2 弾は、消費増税 10%を後押
しすると考えました。
【円安と株高の進行】
上記の追加金融緩和の発表後、急速に円安・株高
が進行しました。まず、円安ですが、想定していな
かった時期と規模の金融緩和のため、円売りドル買
いが膨らみ、10/30 に対ドル 109.2 円が、
なんと 11/20
に 118.2 円へと大幅な円安となりました。
次に、株式市場では、日経平均が追加緩和の発表
を受けて上昇しました。10/30 に 15,658 円であった
株価が 11/14 には 17,490 円を付けるという大幅な
株高になりました。1,800 円を超える上昇幅です。
GPIF が海外資産や日本株を買い増すと報道され
た事も円安・株高の要因の 1 つとされています。
【GDP ショック】
「1.6%減??」増加の間違いじゃないの?
17 日(月)内閣府が発表した 7-9 月期の GDP 速
報値が、2 四半期連続のマイナス成長となりました。
ホント?ヤハリ!言葉が交錯する発表でした。
内容を見ますと、個人消費の回復が鈍く前期比
(実
質)0.4%、住宅投資が▼6.7%、設備投資が▼0.2%、
計▼1.6%でした。消費増税の影響が大きく出ていま
す。名目では、前期比▼3.0%で驚きです。このため、
日経平均は、11/14 に 17,490 円でしたが、発表日の
11/17 には 16,973 円と 517 円の下げ幅でした。その
後、株も円も乱高下しています。
【さあ!解散だ!消費増税延期だ!】
安倍首相は、18 日夜、首相官邸で記者会見し、21
日に衆議院を解散すると表明しました。さらに、来
年 10 月 1 日に消費税の税率を 10%に上げる予定を
1 年半先送りすると発表しました。再延期はしない
ことと景気弾力条項は撤廃し、国民に信を問うため
に 21 日に衆議院を解散することになりました。安
倍首相は、
「成長戦略を前に進めるべき国民の皆さん
の判断を仰ぐ」と述べ、アベノミクスの是非を国民
に問う考えです。今後の政治日程は、11/21 解散発
表済み、12/2 衆議院選公示、12/14 投開票、下旬に
特別国会召集・首相指名・組閣し、来年 1 月に通常
国会召集の予定です。
さて、この唐突な解散のおかげで困ったことがあ
ります。2015(平成 27)年度税制改正大綱の発表
が来年 1 月に延期されることです。この大綱の発表
は、1/9(金)になりそうだと云われています。
【貿易赤字 35%減ショック】
20 日に発表された 10 月の貿易統計速報によると、
貿易収支は前年同月比▼35.5%でした。しかし、貿
易赤字は 28 ヶ月連続ですが、円安効果で、輸出増と
なっており、また輸入は世界的な原油安(現在 1 バ
レル 70ドル台)により輸入は伸びとどまっています。
経済ショックばかりの 1 ヶ月でした。
≪代表社員 笹谷 俊道≫
休眠会社等の整理
法務省が 12 年ぶりに休眠会社等の整理作業を行
う。最後の登記から 12 年経過している株式会社が
対象で、
平成 26 年 11 月 17 日時点で該当する場合に、
2ケ月以内に一定の届出等をしない限り、職権で解
散登記がされます。
【会社法施行後初の整理作業】
役員変更等の登記が長期間なされていない株式会
社は、すでに営業を廃止し、実体のない会社となっ
ている可能性が高く、登記をそのままにしおくと、
休眠会社を利用した犯罪が行われる等,さまざまの
弊害が生じるおそれがあります。こうした問題点を
解決するために行われるのが、休眠会社等の整理作
業です。
前回(平成 14 年に実施)までは 5 年以上登記のない
株式会社が対象でしたが、会社法の施行により、取
締役等の任期が最長 10 年に伸長されたことを踏ま
え、
最終登記からの経過期間が 12 年に延長されてい
ます。
【整理対象となる法人とは】
今回、整理対象となるのは
① 休眠会社・・最初の登記から 12 年を経過してい
る株式会社
② 休眠一般法人・・最後の登記から 5 年を経過し
ている一般社団法人又は一般財団法人
平成 26 年 11 月 17 日時点で、
①若しくは②に該当
する場合、27 年 1 月 19 日までに「まだ事業を廃止
していない」旨の届出又は登記(役員変更等の登記)
の申請をしない限り解散したものとみなされ、登記
官が職権で解散の登記を行います。
なお、18 年の会社法施行時に職権で登記がなされ
たものあるが、職権による登記は休眠会社等を判定
する際登記にふくまれない。また、12 年以内または
5 年以内に登記事項証明書や代表者の印鑑証明書の
交付を受けていたかどうかも関係ないので関係ない
ため留意する必要です。
【3 年以内であれば法人の継続も】
ただ、仮に「みなし解散」の登記が行われた場合
でも、登記後 3 年以内であれば株式会社・法人を継
続することが可能となります。
すなわち、①解散したものとみなされた株式会社
は株主総会の特別決議によって、②解散したものと
みなされた一般社団法人又は一般財団法人は社員総
会又は評議員会の特別決議によって、株式会社また
は法人を継続することができます。
この場合、2 週間以内に継続の登記の申請を行う
必要があります。
≪久松≫
非課税通勤手当の引上げ
通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで
非課税となり、所得税は課税されません。
通勤方法によって、非課税限度額が定められてい
ます。電車やバスのみで通勤している場合の非課税
となる限度額は、通勤のための運賃・時間・距離等
の事情に照らして、
「最も経済的かつ合理的な経路及
び方法」で通勤した場合の通勤定期券などの金額で
す。新幹線を利用した場合の運賃も「最も経済的か
つ合理的な経路及び方法」に含まれますが、グリー
ン車の料金は含まれません。
通勤手当や通勤定期券などの金額が、1 か月当た
り 10 万円を超える場合には、10 万円が非課税とな
る限度額となります。
マイカーや自転車で通勤している場合の非課税と
なる限度額は、1 か月当たり片道の通勤距離(通勤
経路に沿った長さ)に応じて定められています。
今回、平成 26 年 10 月 17 日に所得税法施行令の一
部を改正する政令(平成 26 年政令第 338 号)が公布
され、通勤のため自動車などの交通用具を使用して
いる給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額
が引き上げられました。
この改正は、平成 26 年 10 月 20 日に施行され、
平成 26 年4月1日以後に支払われるべき通勤手当
(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追
加支給するものを除きます。)
について適用されます。
改正前の非課税規定を適用したところで所得税及
び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますが、
改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる
税額は、本年の年末調整の際に精算することになり
ます。既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限
度額以下である人については、この精算の手続は不
要です。
最近の税務調査では、この非課税通勤費の確認を
する事が多いので気を付けましょう。
≪増田≫
年末年始の休業のお知らせ
誠に勝手ながら、平成 26 年 12 月 28 日(日)~平成 27 年 1 月 4 日(日)まで休業させていただきます。
1月5日(月)より通常業務となります。