ドライノーズについて

ROCKY NOTE
ドライノーズ(150611)
40 代女性。鼻の違和感。喉の奥が乾燥して痰が絡むような感じ。鼻血が出そうな感じ、おでこ
から鼻にかけてピリピリした感じ、重い感じもある、兎に角違和感ありとのこと。夜に増悪。鼻汁な
し。鼻閉なし。顔面の圧痛なし。
的を得ない症状と所見であったが、鼻をつまんで口呼吸をしてもらうと症状消失・・・。明らかに
鼻腔内の気流が関連していて、乾燥や粘膜の易刺激性が関連していると思われた。最近テレビ
でも放送されているキーワードのようなので、ドライノーズについて調べてみた。
と思ったらあまり有用な文献を検索できず。NHK で放送された内容(取材協力:遠藤誠さん(耳
鼻咽喉科 医師))やネット上の情報から勉強してみる。
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鼻の粘膜を保護する粘液が加齢やストレスなどによって減り、そこに冬の乾燥が加わること
で、粘液が固まります。さらに、夜間、粘膜が腫れやすいので、鼻の通りが悪くなり、さらにひ
どくなると、粘膜が露出して傷つき、鼻血が出ることがあります。1)
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空気が乾燥してくると鼻の中もカサカサした状態になり乾燥感・ムズムズ感が発生し鼻をか
みたくなります。このような状態をドライノーズ(乾燥性鼻炎)といいます。2)
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ドライノーズは、空調設備で乾燥した環境で生活する現代人特有の症状。鼻の乾燥感と同
時にピリピリとした痛みを伴い、症状が進行するとカサブタや出血・炎症を引き起こす。3)
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乾いた室内で 1 日の大半を過ごしていることがドライノーズの原因の一つと考えられています。
又、アレルギー治療薬の使用でドライノーズが発生することも知られています。2)
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対処法は、とにかく鼻を潤すこと。遠藤さんがまずオススメするのは、入浴中に鼻からしっか
り蒸気を吸い込むことです。片方の鼻を指でふさいで息を吸って吐くと、大量の蒸気が鼻の
奥まで届いて潤います。1)
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加えて、寝る 5 分ほど前に濃度 0.9%の食塩水を鼻の中に噴霧すると、さらに改善することが
期待できます。1)
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ただし、鼻の粘液を洗い流すことがないよう、噴霧する回数は1回につき 1~2 度、そして1日
10 回程度が目安です。1)
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さらに万全を期すためには、睡眠中は湿らせたガーゼを挟んだ綿のマスクをするのが遠藤さ
んのオススメです。呼吸をするときにガーゼの湿気を吸い込むので寝ている間の乾燥を防げ
るからです。1)
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自家製ドライノーズスプレー:<材料(つくりやすい分量)>1)
・水・・・500 ミリリットル
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・塩・・・4.5 グラム(小さじ1弱)
(濃度は 0.9% 水 100 ミリリットルの場合は、塩 0.9 グラム)
<作り方>
1.水を沸騰させて 500 ミリリットルとり、人肌程度に冷ます。
2.食塩を混ぜて、清潔なスプレーボトルに入れる。
※少し上を向きながら噴霧すると奥まで届きやすい。
※残った食塩水は、密閉容器に入れ冷蔵庫に保存する。
使用するときは人肌程度に温めてから使用する。
保存期間は 2~3 日。
こういう疾患を想起することで、診療にも幅を持たせることができるかもしれない。対症治療だけ
でなく環境にも注意を払いたいと思う。
参考文献
1.
あさイチ.NHK ホームページ. http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2015/02/24/01.html
2.
ド ラ イ ノ ー ズ ス プ レ ー . 日 本 臓 器 製 薬 ホ ー ム ペ ー ジ .
http://www.nippon-zoki.co.jp/products/ippan/d-nose.html
3.
ドライシンドローム.DRUG topics (1914): 4-6, 2007.
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