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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2016年10月5日
新興国
Pictet Market Flash
中国経済:改善は一時的、中期的には再び鈍化の可能性
2016年9月の中国PMIは、政府発表のPMI、民間発表のPMIともに景況感の分岐点である50を上回りました。サブ
指数の多くが、経済活動の改善を示唆しており、このような状況が続くならば、下期の経済成長率が6.5%を上回るこ
とも予想されます。ただし、固定資産投資の縮小を背景に、2017年には減速基調に転じるものと思われます。
図表1:中国の製造業PMI
9月のPMIは中国経済の回復を示唆
中国政府が発表した9月の製造業PMIは、前月比変わ
らずの50.4となり、2014年10月の水準を回復しました。
また、財新(中国のメディアグループ)とマークイット(英
国の金融情報・調査会社)が発表した9月の製造業
PMIは50.1と8月の50.0から上昇し、景況感の分岐点
である50を3ヵ月連続で上回りました(図表1参照)。
中国政府発表の9月PMIのサブ指数では、生産指数が
52.8、新規輸出受注指数が50.1と、いずれも前月から
上昇しました。2014年10月以降、総じて50を下回って
推移してきた新規輸出受注指数が50を上回ったことは
特に注目され、ここ数ヵ月間の輸出の伸びの改善とも
相容れるものと考えます。 また、9月の新規受注指数
は50.9と8月の51.3を若干下回ったものの、7ヵ月連続
で50を上回りました。
中国政府発表の9月の非製造業PMIは、前月比+0.2
ポイントの53.7と堅調でした。不動産市場の回復を背
景に建設業サブ指数が急騰し過去14ヵ月で2番目に高
い水準を付けたことが寄与しました。一方、サービス業
サブ指数は同-0.4ポイントの52.3と僅かに低下したも
のの、50を優に上回りました(図表2参照)。
月次、期間:2005年1月~2016年9月
政府発表のPMI
60
55
50
景況感の分岐点
=50
40
05
9月のPMIからは、足元の中国経済が改善基調にある
ことが確認できます。夏場の洪水被害に対処する復興
活動や政府のインフラ投資支援、不動産市場の活況、
世界需要の緩やかな回復等、すべての要因が中国経
済の成長の勢いを加速させたと考えます。成長の勢い
の加速を示唆する証拠が今後も引き続き確認されるな
らば、向こう3-6ヵ月の経済成長が予想外に堅調となり、
2016年下期のGDP(域内総生産)成長率が政府目標
の6.5%を上回る可能性もあり得ると思われます。
ただし、中期的には、中国経済の成長率は再び下落基
調に転じると考えます。2017年には固定資産投資が
ピクテ投信投資顧問株式会社
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16(年)
図表2:中国の非製造業PMI
月次、期間:2012年1月~2016年9月
66
64
62
60
58
56
54
52
50
48
建設業サブ指数(政府発表)
サービス業サブ指数(政府発表)
景況感の分岐点=50
12
足元堅調な中国経済、ただし中期的には
再び減速の可能性
民間発表のPMI
45
13
14
15
16(年)
出所:ピクテグループ
再度縮小基調を辿り、経済の減速が予想されます。中
国全土で見られる足元の不動産価格の上昇は市場の
ファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映したものではな
く、当局の間では懸念が強まっています。そのため、主
要都市の幾つかは、1年前に解除したばかりの不動産
購入規制を再導入しました。不動産市場が勢いを失い、
政府が過剰生産能力の削減を図った構造改革政策を
固持するならば、2017年のGDP成長率は政府目標を
下回る6.2%前後になる可能性もあるとみています。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内
容が変更される場合があります。
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