健康安全教育(PDF:719KB)

H26
学校経営
第10章
那須 地区 教育の 概要
健康安全教育
取組がなされています。本年度、各調査や学校訪問等から各学校の取組の成果や先進的な取組が多く
見られた反面、課題も明らかになりました。各学校においては、以下を参考に健やかな体の育成に向
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学習指導
けて工夫・改善に努めてください。
児童生徒の体力の現状
平均値を比較すると、以下のような結果が見られました。
握力、立ち幅とび、ボール投げはほとんどの年齢で県平均を下回った。
小学生女子
シャトルラン、上体起こし、反復横とび、ボール投げは、ほとんどの年齢において県平
中学生男子
握力、シャトルランは全ての年齢で、上体起こし、反復横とびはほとんどの年齢で県平
均を上回った。長座体前屈、立ち幅とび、ボール投げは、ほとんどの年齢で県平均を下
中学生女子
生徒指導
回った。
総合学習
均を上回った。立ち幅とびはほとんどの年齢で県平均を下回った。
特別活動
シャトルラン、50m走、反復横とびは、ほとんどの年齢で県平均を上回った。
道徳教育
「平成26年度本県児童生徒の体力・運動能力調査」(栃木県教育委員会)における本地区と県の
小学生男子
教育課程
各学校では、児童生徒の体力・健康安全教育の実態を把握し、更なる向上や改善に向けて組織的な
長座体前屈以外は全ての年齢で県平均を上回った。
また、中学生女子では、ほとんどの種目で県平均を上回るすばらしい結果となりました。しかし、
小・中学生の男子においては、県の結果と同じように「ボール投げ」の記録が停滞する傾向が見ら
各学校では、調査結果を基に児童生徒個々の実態を分析し、発達の段階や平均値を下回る種目の
底上げのみに偏ることなく、どのような力をどのような場面で伸ばしていくのかを検討して、長期
A小学校では、週1度、新体力テストの結果を踏まえながら、全校生が「鬼ごっこ」
「遊具遊び」
「ロケット投げ」「鉄棒」「ラダー」「手押し車」「ぞうきんがけ」の6コースに分かれて体力の向
ることによりバランスよく体力の向上を図ることができます。学校の既存の遊具等を有効に使い児
童が自主的に行えるように計画され、スポーツ委員会の児童が中心となり主体的に活動しています。
図っています。
へ き複 式
遊びやゲーム的な要素を多く取り入れているため活動を通して児童は楽しみながら、体力の向上を
特別支援
上に取り組んでいます。多様な運動能力を必要とするコースが設定されており、毎週コースを変え
健康安全
的な視野で対策を講じていく必要があります。
人権教育
れました。
キャ リ ア
本年度の結果では、昨年同様に「シャトルラン」がほとんどの学年で県平均を上回っています。
帰国外国
生涯学習
ロケット投げの様子
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生 涯ス ポ
遊具遊びの様子
那須 地区 教育の 概要
B中学校では、生徒が主体的に体力の向上への取組を行っています。体育委員会が中心となって
「毎日カップ中学校体力つくりコンテスト」に応募し、全校一丸となって体力の向上に取り組んで
います。具体的な活動として、「新体力テスト記録UPのポイントの説明」、「学校内1位取得者の
記録とアドバイス掲示」、「新体力テストデータの掲示」、「新体力テストの再測定週間の実施」等
を行っています。また、日常的に体力の向上が図れるような場の設定もしています。「めんこ、バ
トン投げの設置」(ハンドボール投げの記録向上を目指す)、「ハンドグリップの設置」(握力の記
録向上を目指す)、
「ラダーの設置」
(50m走、反復横とび、立ち幅とびの記録向上を目指す)、
「長
座体前屈測定器の設置」(長座体前屈の記録向上を目指す)等をいつでも誰でも実施できるように
校内に設置しています。
このような生徒の主体的・意欲的な取組を通して、一人一人の願いが表現できる環境づくり(自
分だけでなく、級友を応援できる)やリーダーの育成、自他のよさの認識できる生徒(得意な生徒
が苦手な生徒に教える)の育成を行うとともに、全校体制で体力の向上に励み、成果を上げていま
す。
バトン投げの様子
2
めんこ遊びの様子
児童生徒の健康
(1) う歯
各学校が学校歯科医等と連携し、歯みがき指導やフッ化物洗口等を行ってきた結果、本地区
の小・中学校のう歯被患率は、年々減少しています。
昨年度より2年間、那須中学校区では、日本学校歯科医会、県歯科医師会、県教育委員会か
ら「生きる力をはぐくむ歯・口の健康づくり推進事業」の委嘱、指定を受けて研究を進め、11月
21日に研究発表会が行われました。全体会では、研究発表が行われ、「学んだことを、家庭や
学校生活で広めたり、実践したりする行動が見られるようになっ
たこと」、「児童生徒が主体的に活動する機会を設けることで、歯
・口の重要性を理解していこうとする態度が育成されたこと」さ
らに、「自己の口腔状況を正しく捉える能力が身に付くとともに、
歯・口の健康に関する課題を把握できるようになったこと」等の
成果が発表されました。公開授業では、中学生が校区内の小学生
に対して、歯・口の健康づくりについて学んだことを発表すると
ともに、歯磨きの実践方法についても紹介しました。
また、記念講演では、「歯周病とからだの病気の関係」という
演題で、栃木県歯科医師会の三森修氏より、「口の中の細菌が健
康にどのような影響を与えるか」等の講話がありました。
各学校においては、那須中学校区の研究の成果である「歯・口
の健康についての様々な取組」を参考にしてください。
研究発表会の様子
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学 校 経 営 教 育 課 程 学 習 指 導 道 徳 教 育 特 別 活 動 総 学 習 生 徒 指 導 キ ャ リ ア 人 権 教 育 特 健 康 安 全別 支 援 へ き 複 式 生 涯 学 習 生 涯 ス ポ 講 演 記 録
H26
H26
食物アレルギー
特別活動
総合学習
学校体育において、生涯スポーツの推進等の面からも運動部活動のもつ教育的意義は大きいもの
道徳教育
運動部活動
学習指導
ロールプレイ研修の様子
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教育課程
全国的に食物アレルギーの児童生徒が増加しています。本地区においても例外ではありませ
ん。生命の危機に関わることがあるアナフィラキシーショック発症時の迅速な対応をはじめと
して、食物アレルギーを抱える児童生徒が安全に学校生活が送れるように、家庭及び教職員間
で連携し、共通理解を図ることが重要となります。特に自己注射薬(エピペン)等を処方されて
いる児童生徒に対しては、細心の注意が必要です。
本地区では、アレルギー疾患等の児童生徒の個別一覧表や、個人の対応マニュアルを作成し、
全教職員で共通理解を図っている学校が多くあります。
今年度は、県主催による「食物アレルギー校内体制整備事
業」として、研修会を行いました。また、各市町で食物アレ
ルギーの児童生徒が在籍する一校を指定し、専門医師による
食物アレルギー対応研修会を実施しました。研修会ではロー
ルプレイ等を通して食物アレルギーに対する実践的な対応方
法を研修しました。今後、各学校でもシュミレーションやロ
ールプレイ等の実践的な校内研修を行うことが望まれます
学校経営
(2)
那須 地区 教育の 概要
があります。
ます。また、本人が運動を好まないことや、本人は活動したくても保護者の当番や送迎の負担感、
勝利至上主義的な行き過ぎた指導内容や、練習日、練習時間の増加によって、児
童のスポーツ障害が増加したり、指導方法や人間関係をめぐるトラブルも起きて
コーチとしてスポーツ少年団活動に積極的に関わっている学校があります。教員
が関わることにより、発達の段階に応じた一貫した指導が行えます。また、児童
本地区では、平成24年度に小学校部活動・スポーツ少年団活動の手引として「未来にはばたけ」
(那須地区市町教育委員会連合会)を作成しましたので、部活動・スポーツ少年団活動で積極的に
特別支援
活用してください。(http://www.pref.tochigi.lg.jp/m56/m56.html)
本年度もこの手引に関する指導者講習会を2回実施し、第1回指導者
講習会は3市町合同で実施しました。大田原市文化会館には、200名以上
へ き複 式
の参加がありました。手引の説明に続き、スポーツセーフティジャパン
代表の佐保豊氏より「スポーツセーフティ~スポーツ現場の安全管理~」
という演題でスポーツによるケガの予防や熱中症対策等の講演があり、
指導者講習会の様子
中学校では、全校体制で積極的に運動部活動に取り組み、教育効果を高めて
いる学校が多く見られます。今後も、生徒の人権に十分配慮した指導を行うこ
に勝利至上主義的な指導を行うことなく、発達の段階を考慮したトレーニング・
栄養・休養のバランスをとりながら適切に指導していくことが必要です。
して「運動部活動指導者ハンドブック」(右図参照)を各学校に配付しているの
で活用してください。
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生 涯ス ポ
本県教育委員会では、中学校・高等学校の運動部活動のさらなる充実を目指
生涯学習
とはもちろん、学校教育の一環として教育課程との関連を図り、小学校と同様
帰国外国
正しいスポーツ指導について再確認する機会となりました。
健康安全
間・保護者間のトラブルの未然防止が早期に解決した事例もあります。
人権教育
います。このような問題解決のために、曜日や時間を限定したり、教員が監督や
キャ リ ア
運動趣向の多様化等から、参加率の低い学校も見られます。さらに、児童の発達の段階を考えない
生徒指導
小学校では、ある学年から「原則として全員参加」として運動部活動を推進している学校があり