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2015年
2月9日号
Vol.205
2月の見通し 中央銀行発のボラティリティ上昇
 ECB緩和、米国利上げは7∼9月
1月15日、為替市場に激震が走りました。
スイス国立銀行が2012年に導入した対ユー
ロでのスイスフランの上限を撤廃すると発
表、フランは対ユーロで一気に2割も上昇しま
した。
翌週1月22日、欧州中央銀行(ECB)が国債
買取りを含む大規模な量的金融緩和策を発
表しました。今年3月から少なくとも2016年9月
まで月間600億ユーロの資産買取りを行うと
いう内容で、規模の大きさもさることながら、
2%程度の物価上昇が見通せるまでは期間
無制限で行うという点で市場の予想を上回る
ものでした。
本格的な量的金融緩和の発表を受けてユー
ロ圏の消費者信頼感指数が改善しており、景
気は緩やかな回復に向かいそうです。
そして、もうひとつ注目されるのが米連邦準
備制度理事会(FRB)の利上げがいつになる
のか?という点です。
FF金利先物から逆算すると12月に0.25%の
利上げが行われる確率が高いですが、FRB
の利上げ先送り観測は行き過ぎと考えてお
り、今年7∼9月に0.25%の利上げが行われる
と考えています。
 原油価格下落に変化の兆し
原油価格に変化の兆しが見え始めていま
す。シェール革命によって米国の産油量が飛
躍的に伸びたことや石油輸出国機構
(OPEC)が減産を見送ってきたことから原油
生産は供給過剰に陥り、WTIの原油先物価
格は一時1バレル45ドルを割り込んでいまし
た。そのため、多くの石油生産者が採算割れ
に追い込まれ、ようやく生産調整が始まりまし
た。
しかし、原油の在庫は積み上がっており、需
給が改善したとはいえない状況です。
このため、目先の原油価格は様々な思惑か
ら激しい値動きが予想され、値頃感だけで買
いを入れると痛い目に遭う危険があります。
 落ちるナイフは掴むな
海外の相場格言に「落ちるナイフは掴むな」と
いう言葉があります。
落下中のナイフを素手で掴むような投資行動
は、決して賢明とはいえない、という意味で
す。
こういう時の対処法は、ナイフが床に落ちきっ
た後に拾うこと、すなわち相場が底を打って
反転したことを確認してから買いを入れること
です。大底で買うことはできないかもしれませ
んが、原油や鉄鉱石などの資源は、供給過
剰による価格下落と投資不足による価格上
昇を長期的に繰り返すため、大きなトレンドを
確認してからでも十分間に合うはずです。
辛抱強く機を窺い、チャンスが来たら思い切
って行動することが幸運の女神と仲良くなる
秘訣です。
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