2016年7月26日 2016年07月29日

ウィークリーコメント: ジェレミーJ.シーゲル教授
Weekly Commentary by Professor Jeremy J. Siegel
最高値更新に苦難の道
2016 年 7 月 22 日(金)4:45 PM EST
本日、S&P500 の終値は最高値を更新したが、他の株価指標は以前のピークとほぼ同水準にとどまった。企業収益は
「まずまず」だが、目を見張るほどではない。多くの企業で第 2 四半期収益は予想を上回ったが、今後の会社収益予想
は精彩を欠く内容である。先週の VIX 指数が、EU 離脱をめぐる英国民投票の直後に約 27 を付けた後、11 カ月ぶり
の低水準となる 11.40 まで低下したことから、このところの高値は多くの空売りをマーケットから絞りだした。さらなる株価
上昇には GDP 成長率の加速が不可欠であり、来週発表予定の第 2 四半期成長率は 2.5%前後と予想されるが、
今期の成長率は 2%をかろうじて超える程度にとどまるだろう。経済が足踏み状態にあるため、企業収益の力強い成長
は期待できないのが現状である。
GDP データの発表に加え、来週は FOMC 会合が開催される。今回、FRB は金利を据え置くとみられるが、9 月の会
合で利上げの可能性を排除しなければ、市場はこれをサプライズと受け止めるだろう。9 月の利上げの確率は 50:50 を
下回っているものの、株式市場の回復は世界経済に起因するダウンサイド・リスクを大幅に軽減している。市場はすでにこ
の点を織り込んでいる可能性があり、10 年国債の利回りは 7 月 7 日に一時付けた 1.318%の日中最安値から 21
日には 1.627%に上昇した。FRB が金利を据え置く理由のひとつとして、ドル高や債券利回りの上昇が示すように、市
場が FRB の動向を見越して十分に引き締まっている点が挙げられ、実際のアクションは先送りされている。しかし、経済
の成長ペースが十分に加速し始めれば、信頼性を維持するために FRB は市場の期待に応えざるを得ないであろう。
ジェレミー・シーゲル教授は WisdomTree Investment, Inc ならびに WisdomTree Asset Management, Inc の上級投資戦略アドバイザーを務め
ています。本資料はシーゲル教授の現時点でのリサーチおよび見解を掲載したもので、変更の可能性があります。本資料は特定の取引戦略の採用、またいか
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