「10月の米雇用統計〜利上げ観測が再び強まる〜」を参考資料として

ご参考資料
2015年11月9日
10月の米雇用統計
-利上げ観測が再び強まるポイント① 雇用増と失業率の低下
11月6日に発表された10月の米雇用統計では、非農業
部門雇用者数が前月比27.1万人増と、事前の市場予想
(18.5万人増)を大きく上回る伸びとなり、さらに8月、9
月の雇用者数も上方修正されました。
また、失業率は5.0%と9月の5.1%から低下し、2008年
4月以来の低水準となりました。米国では5%という失業率
の水準はかなり完全雇用状態に近いと考えられています。
労働需給が引き締まることで賃金、物価が次第に上昇基
調を強める可能性があります。時間当たり賃金は10月には
前年同月比+2.5%となり、昨年末の同+1.8%から徐々
に加速する方向にあります。
ポイント② 利上げ観測が強まり、米ドル高
FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策において
重視する雇用の堅調さが示されたことで、12月15、16日
開催の次回FOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策
金利引上げに踏切るとの見方が市場で強まりました。
それに伴い、米国の国債利回りは上昇し、米ドルは他の
主要通貨に対して上昇しました。米ドルの為替レートは対
円で、雇用統計発表前の1米ドル=121円台から123円
台へと米ドル高、円安に動きました。
ポイント③ 米国と他市場への影響
ユーロや円などの米ドルに対する下落は、日欧の輸出や企
業収益にプラスに働き、総じてみれば景気押上げ要因となる
と思われます。ただし、他の市場では注意すべき点もあります。
1つは米国そのものです。雇用は堅調なものの、経済全
体の成長は緩やかで、金利と米ドルの上昇が続くと、既に鈍
化気味の米企業収益への悪影響が強まる懸念があります。
もう1つは、新興国や資源国の市場です。米金利と米ドル
の上昇は、新興国からの資本流出や商品価格の下落を招
きやすい面があります。8月の切り下げ後、落ち着いていた人
民元の今後の動きなどにも注意が必要と考えられます。
重要
イベント
11月24日
米GDP(7-9月期、改定値)
12月4日
米雇用統計(11月)
12月16日
米金融政策発表
図1:米国の非農業部門雇用者数の変化と失業率
期間:2008年1月~2015年10月、月次
(%)
12
(万人)
60
11
40
10
20
9
0
8
-20
7
-40
6
5
4
-60
非農業部門雇用者前月比増減(右軸)
-80
失業率(左軸)
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
-100
(年)
(出所)米国労働省労働統計局データより野村アセットマネジメント作成
図2:米国5年国債利回りと米ドルレート
(%)
2.2
2.0
期間:2014年1月3日~2015年11月6日、週次 (円/米ドル)
130
米国5年国債利回り(左軸)
125
米ドルレート(対円、右軸)
1.8
120
1.6
115
1.4
110
1.2
105
1.0
14/1
14/5
14/9
15/1
15/5
15/9
(出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成
100
(年/月)
図3:米ドル広義実効為替レートと商品価格指数
期間:2009年1月2日~2015年10月30日、週次
(2009年初=100)
78
(1967年=100)
400
84
360
米ドル高、商品価格下落
90
320
96
280
102
240
108
114
09/1
米ドル広義実効為替レート(左軸、逆目盛)
200
トムソン・ロイター・コア・コモディティCRB指数(右軸)
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
160
15/1 (年/月)
(出所)FRB、ブルームバーグのデータより野村アセットマネジメント作成
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした
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