2015年 4月8日号 Vol.215 4月の見通し 後退した米国の利上げ観測 米国の企業業績に注目 米国では、3月の雇用統計が事前予想を下 回る水準に留まったことなど景気の力強さに 翳りが見られています。また、ガソリン価格の 下落によって恩恵を受けるはずの家計も消 費を手控えており、2015年2月の名目小売売 上高は3ヵ月連続で前月比マイナスと落ち込 んでいます。 原油安やドル高の影響が実体経済に影響を 及ぼし始めたことが米国の景気減速の背景 にありますが、悪天候など一時的要因も重な っており、4月以降にこれらの要因が解消され た後の景気の強さを見極める必要がありま す。 その際、注目したいのが米国企業の2015年 1-3月期の決算発表です。 重要なのは結果ではなく、企業側が示す今 後の利益予想です。ビジネスの第一線に立 つ経営者が今後の事業環境をどう見ている かは、景気の先行きを占うだけでなく、株式 市場にも大きな影響を及ぼしそうです。 悪材料が一巡した新興国 これまで悪材料ばかりだった新興国経済から は好材料が聞かれ始めています。 中国では、輸出が堅調を維持していることに 加えて金融緩和の景気下支え効果が期待さ れます。ブラジルの2014年10-12月期の実質 国内総生産(GDP)は前期比プラス0.3%と予 想外のプラス成長となりました。為替介入を 打ち切ったにも関わらず、レアルは安定して おり、ロシアの通貨ルーブルも、原油価格が 50ドル近辺で下値固めの動きとなるなか、緩 やかな反発に転じています。このように新興 国通貨が底堅く推移し始めたのは、米連邦 準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退して いることが主な原因ですが、同時に売り一辺 倒だった新興国市場に一巡感が出てきたこと も見逃せないポイントだと思います。 二度に買うべし 「今から日本株を買っても大丈夫?」 今、皆さんが感じている質問のひとつではな いでしょうか。 今、株主還元の強化などを通じて自己資本 利益率(ROE)の向上を経営目標として掲げ る日本企業が増えています。さらに、年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)がROEを 選考基準とする株価指標を採用したことも企 業の構造変化を後押ししています。 こうした動きは株式市場にとってプラスです が、一方で年初来の上昇幅が10%を超えて いる日経平均株価は短期的に過熱感を警戒 すべき局面にもあるといえます。 そこで、今月の相場格言は「二度に買うべし」 です。 相場の先行きを正確に言い当てることは誰に もできません。投資資金を複数回に分けて買 えば、仮に最初に高値掴みをしてしまったとし ても、傷は少なくて済むはずです。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
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