金型内ガス排出方法及びその方法を適用した成形用金型九州工業大学大学院情報工学研究院助教是澤宏之対象分野と概略【対象分野】金型を用いた成形分野【概略】溶融金属，溶融樹脂などの流動物を金型内に射出成形する場合，金型内部の空気を排出するための方法およびその方法を適用した成形用金型の提供特に，射出成形法を想定射出成形プロセスとガス排出以下の工程を繰り返すことで成形する型締射出保圧冷却樹脂金型ノズル型開キャビティ内に，成形機から溶融樹脂を高圧・短時間で射出キャビティ内部の空気を金型外部に適切に排出する必要性有成形不良の発生と問題不適切なガス排出による成形不良の発生ショートショット（充填不良）ボイドヤケ成形不良による成形法上の利点を喪失利点後工程の省略精密・多彩な形状に対応成形プロセスが早い安価な成形・大量生産性成形不良による利点の喪失従来技術とその問題点（１） ○成形機および周辺設備について利用設備（機器）による限定追加設備・設備改修費等の発生 ○金型構造について設計が難しい（例えば，ＰＬ面での排気溝の製作） ○金型用の部品について定常的な効果が不明従来技術とその問題点（２）金型用の部品についてスプルー・ランナー空間：生産のみ必要な空間所望の成形品の空間：成形品空間（ｷｬﾋﾞﾃｨ領域）【従来技術】生産のみ必要な空間の空気を充填工程下流に位置する成形品空間まで輸送（輸送の可能性が高い）【新技術】生産のみ必要な空間の空気を成形品空間まで輸送しない新技術の特徴樹脂注入点生産のみ必要な空間ガス成形品空間 (ｷｬﾋﾞﾃｨ) ｽﾌﾟﾙｰ + ﾗﾝﾅｰ排気手順閉塞空間内のガスコマ体 ①工程１コマ体を用いた閉塞空間の形成溶融樹脂脱気 ②工程２コマ体以後へ閉塞空間のガスを輸送しない ③工程３溶融樹脂がコマ体到達後，閉塞状態を開放実施例樹脂射出口金型外部へ排出成形品空間充填初期のガス成形品末端実施例の要点コマ体に閉塞空間の形成と脱気の機能を持たせる閉塞空間充填初期のガスコマ体 ①工程１閉塞空間の形成ばね ②工程２ガス排出 ③工程３コマ体の降下と閉塞空間の解除溶融樹脂の通過検証実験（排気効果）実験結果実験条件（※閉塞圧力の変化） 10/50/90 [mm/s] PS 0～13 [mm] 70 60 要排気ガスの排出割合[%] 射出速度汎用溶融樹脂バネのたわみ量 80 50 10 mm/s 40 50 mm/s 90 mm/s 30 20 10 0 0 2 4 6 8 10 12 14 バネのわたみ量[mm] ○要排気ガス量（成形のみ必要な空間の体積）の６５％以上を成形品空間に輸送せず外部への排出を達成 ○射出速度の影響は低い得られる効果成形上で向上する要因流動性の向上低圧成形性の向上流動性・低圧成形性向上の効果として… 成形不良の低減の可能性転写性・寸法安定性の向上の可能性使用成形機の小型化の可能性高速充填の可能性など実用化に向けた課題【現状】実験室レベルの金型を用いて効果確認外部への排気効率が高いことを確認【今後の課題】量産を想定した金型等を用いた排気性能等についての検証実験が必要企業への期待射出成形金型の成形中のガス排出不良に伴う成形不良の低減等を期待する企業との共同研究を希望．自社内に，成形部門（成形品の生産）と金型部門（金型の製作）を有する企業との共同研究を希望特に，自動車用生産の金型，コールドランナーの長い金型について導入することで，金型の品質向上・生産性向上を期待本技術に関する知的財産権発明の名称：金型内ガス排出方法及びその方法を適用した成形用金型出願番号：特願2014-018687 出願人：国立大学法人九州工業大学発明者：是澤宏之他お問い合わせ先国立大学法人九州工業大学産学連携推進センター知的財産部門ＴＥＬ：０９３－８８４－３４８５ＦＡＸ：０９３－８８１－６２０７ e-mail ：[email protected]